砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

京都牝馬S回顧

すごい外し方をした。やっぱり千二千四は鬼門なのか。

レッツゴードンキがああいう伸び方をするということはドスローではなくとも追い出しのタイミングが全体で大きく遅れた展開。スロー気味なのに仕掛けるタイミングがハイペース戦くらいに遅い。ラインハートが下りでかかったくらいだ。

あくまで抽象的な話なのだが、レース映像の躍動感が薄いレースだ。4角通過を真横から写すじゃん?あれが京都二千二の1600万下よりもしょっぱい。先行勢の構え方は「余力たっぷりだから外が差してくるのを待つ余裕がありますよ」と言っているに等しく、そのくせ松山弘平の出し抜けを食らっている。意味がわからない。

なんというか・・・ひどく桜花賞じみている。あの伝説のドスロー桜花賞とそっくりだ。しかしその原因ってのは微妙に違っているんだ。桜花賞は有力馬の探り合いの延長線上にあるスローだったんだけれど、今回の京都牝馬Sは内回り馬が集まりすぎたのが原因だ。外回り戦で外回りの切れを振り回す馬がいないから、こんなスロー戦になってしまった。

ちょっとね、全集パトロールをチェックして欲しい。ラインハートはずっと下りで抑えられているから。だから俺の予想は間違っていないと言うつもりはあまりないのだけれども、「Nasrullah(≒Royal Chager)×Princequillo」を3本持つステイゴールド産駒が下りで抑えられる異質なスローであった、とは言いたい気持ちがある。

また、3角直後に外へ出してしまったならば馬が行くままに任せるべきだったと思う。思いはするが、稍重牝馬重賞であったからコーナーワークの負荷は避けるべきだったかな。そういう意識が騎手全体にあったならば納得はしやすいし、次の予想にも役立つ。馬格やパワーの問題で外へ振れやすいのは確かだから。

結果が極端になったのは馬場の荒れ具合が原因だろう。ヨーイ、ドンの競馬であるから厳しい内馬場で加速を行うのは負荷がかかりすぎる。この傾向はストレイトガールスプリンターズSにも見られた傾向であり、スピードを乗せずに4角を回った馬は驚くほど走らなかった。今回は京都外であるから内の馬は荒れた馬場で減速と加速を強いられる展開だった。4角のRがダントツだから。

外にスピードを乗せて出していった馬のほとんどが好走していて、やはり一番上手くやったのはエスティタートの武豊。その次に勝ち馬レッツゴードンキの岩田、スナッチマインドの浜中あたりか。最もえげつないことをしたのはバッシュで、先行の位置にあるというのに直線序盤で外へ寄っていった。勝手知った関東圏でならともかく京都でそれをやるんだねぇ・・・。

このバッシュの騎乗から09年のマイルCSを思い出す。川田がキャプテントゥーレを2番手から大外にかっ飛ばした奴。そのレースの勝ち馬はカンパニーであって、鞍上は横山典弘だった。そう思えばナックビーナスの構え方はそれと似ている気もする。

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