砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

阪神大賞典とスプリングS回顧

阪神大賞典サトノダイヤモンドが想像以上。菊花賞有馬記念を連勝してからはDanzig系のズブさがオンになっているイメージがあったけれど、きさらぎ賞をあんな風に勝った馬が1年間でこれほど変わるか。

里見オーナーの馬は若い時分にビュンビュンと鋭く切れるのだが、古馬になると「馬が変わる」を地で行くものが大半。序盤での溜めが効き、そこから持続的に脚を使いつつも最後まできっちり差し脚を伸ばす様な素質馬が多かった。競馬はヘタクソなのだけれども、格ばかりは違うんだ。

シュヴァルグランがまともな形で抜け出してしまえば・・・と思ったんだが、阪神3000mという舞台でもHaloの後出しを届かせるとは思いもしない。シュヴァルグランは北米俊敏で抜け出してからの英愛持続だから変形というかいいとこ取りみたいな感じではある。対してダイヤモンドは一貫して北米俊敏を貫き通しているし、それに付随したスタミナしか使っていない。どちらが良いという話ではなく、もっと切ない話である。格の違いという。

スプリングSはウインブライトの勝ち切り。Northern Dancerを4本も引いたステイゴールド産駒なのだから素質を秋まで隠し通せるわけもなかったか。そりゃそうだ。

プラチナヴォイスは展望が明るくなる内容。といっても菊花賞で上向くタイプではないのが辛いところで、チャンスを望むならば来春の大阪杯だと思う。そのために今春にもう一つ賞金を稼いで、秋に古馬と重賞で争える立場へ登りたい。

エトルディーニュは一番やってはいけない競馬をしたな。Roberto、Sadler's Wells、Seattle Slew、HaloらのHail to Reason血統はロングスパートに弱く、それをこなすHail to ReasonCaerleonだけだろう。サンデー×Salder's Wells×Seattle Slewでロンスパをかますなんてとんでもない。落ち着いて後出しに徹していればプラチナヴォイスと接戦になったはず。

先生がブログのコメント欄で言及されているが、本当に今年の皐月賞は分からないものになった。血統論から「これが勝たなきゃおかしいんだ!」と言える素材がないんだわ。

自信たっぷりに本命を打つとすれば、4月まで重馬場の開催が2日以上あった場合のアダムバローズ。当日に雨が降る必要はない。均等に馬場が荒れていて、時計がかかる状態になっていて欲しいんだ。

アダムバローズは母が非Northern Dancerで晩成型ハーツクライ産駒・・・と思わせながらも完成は決して遅くないタイプ。トニービンの英愛仏っぷりに任せて北米パワーを詰め込みまくる、という分かりやすい配合で、サンデーとビューパーダンスにも良いものを詰め込んでいるのが美点である。

La Troienneの血が濃くありつつも前脚は前を指し示すかの様に伸びる。そして肩の立った馬特有の伸びた胴や靭やかな後躯が表現されていて、またそれを回転させる仕組みにWild Risk×トニービンがある。これで配合が回転する。破綻寸前の崖っぷちで成立した配合。

皐月賞の前にアダムバローズの配合を褒めちぎる予定。皐月賞に出走予定の牡馬で一番いい配合をしていると思う。

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