「ジェイドロバリーとてPapyrusのスタミナ攻めにしたらなんとかなる!」
というのが前回の話である。しかしそれが強すぎて柔らかすぎることが判明した。Papyrus的に靭やかなPrincely Giftというのは、思いの外許されないことであるらしい。
Princely Giftが表現されると骨を軋ませる様に身体をグッと伸ばすことが多い。キタサンブラックなどがそうであるが、可動域の限界まで一気にガバッとストライドを伸ばす。それが突き抜けるとゴールドシップのガバッガバッとしたストライドになる。
そのゴールドシップはPrincequilloを引かず、Papyrusをノーザンテースト≒The Minstrelからしか引いていない。つまりここからの靭やかさを求めていないのである。
ではどこから柔らかさを得たのかというと、この馬はそれをBlandfordに求めたふしがある。そうだ、Swinford×Pretty Polly(Gallinule)のSaritaはBlandfordとニアリーなのである。そしてAlycidonなどはLady Angela的な要素を巻き込みながらもBlandford≒Saritaを増幅した血統なのだ。特にゴールドシップはPrincely Gift(Blandford4×3)のクロスを持つためにその傾向が強い。
これはステマ配合への切り口、その一つとして有用かと思う。オルフェーヴル=ドリームジャーニーにまで話を伸ばしたいのだが自粛する。
ウインブライトに話を留めるのであれば、こういうことになる。ステイゴールドの最強クラスの産駒はTracery-Papyrusの靭やかさをノーザンテースト(あるいはその母Lady Victoria)の内にて完結させた。ここから引き出すべきはHyperion×Pretty Pollyのスタミナだとか、Hyperion×Swinfordの鋭さだとか、Flaresの速さだとか、その程度。
しかしウインブライトはHyperion×Swinfordの速さをないがしろにした。ノーザンテーストクロスを持ちながらLady Angela的な頑強を無視した。だから中山をまくれず差す羽目となったのだ。
この考えのもとでは3歳時に期待できるのは菊花賞だけかもしれない。古馬になったら阪神内回りや中山外回りなどを好み、この二つの競馬場の2200mでアッと驚かせるかも。
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