ファンディーナはこのペースなら許容範囲であったはず。それがこんな結果に終わってびっくりしている。
映像をよくよく見てみると、ファンディーナは良い位置を取っているようで取っていない。外を完璧に塞がれて前には壁がまるでない状態。アダムバローズの後ろを取ることも難しい状況に追い込まれており、これはほとんど逃げているに等しい。パトロール必見!
そのくせペルシアンナイトに突っつかれたりしてもう大変よ。岩田も振り返ってそれに抵抗しているしなぁ。岩田の悪いところが全部出ている・・・という結果かも。岩田の脆さもあるけれど、ここまで嫌がらせされると厳しいものはあるか。
しかし一番は松山弘平よ。ファンディーナの外目に位置して散々嫌がらせして突き抜けた。池添の騎乗の様で実に褒められるべきである。けれどゴール板前で同生産者同馬主武豊騎乗のダンビュライトへ斜行をかましたことはまずい。ユタカさん、若干切れてるよ。「あぶねぇな」くらい言ってるよ。あの顔。
結局はノーザンファーム、追分ファーム、ノーザンファームで決まったのだから社台最強。外様とは言えディープインパクト産駒のファンディーナをここまで集団戦術で殺しに行くんだねぇ。「ディープ産駒は社台が一番!」と宣伝しているようだ。
ノーザンファームの他の馬がみな差しに回っているのがハイペースになったときの対策をしているのかな?アルアインとダンビュライトでファンディーナを道連れにして、あとは外差しで決める作戦かも。
そろそろ陰謀論くさくなってきたら切り上げる。
血統的には・・・うーん。父母間Princequilloが勝って残念だけれども、もう一つ仮説が誕生したよね。Nashua(≒Nantallah)とDjeddahで攻めろ!というもの。
ほら、TourbillonもMr. Prospectorも同じFrizetteの牝系でしょ?
FrizetteにDurbarが入ってDurbanが誕生し、DurbanがTourbillonを産んだ。
Frizetteに色々入って、Nashuaが入って、Raise a Nativeが入って、Mr. Prospectorが産まれた。
Nashuaが最も弄られるのはFlembetteに依る部分であり、これがDurbarの娘である、と。
だからDurban=Heldifann3×2のDjeddahとMr. Prospectorは高確率でニックスなわけであり、実際にSadler's WellsはMr. Prospectorが大好き。他にMr. Prospector×Rivermanとかもよく見るし、キングカメハメハもMill Reefを迎えた配合。今回の場合は同じFrizette牝系にしてFrizetteの娘FrizeurをクロスしているSeattle Slewが入るのもポイントが高い。Seattle Slew×Mr. Prospector×Djeddahにはそういう仕組みがあるのだ、という単なるトリビア。
そういえば・・・
ファンディーナの後躯は何に似ているのだろう・・・と血統からいろんな馬を探したのだけれども、そのうちの一頭に「今年の凱旋門賞勝ち馬は二頭いる」とか現地でモンジューと比肩する存在として糞褒められた馬がいて、ついでに鞍上の蛯名さんはボロカスに言われたらしいんだけれども、とにかくそのエルコンドルパサーがSeattle Slew×Mr. Prospector×Djeddah。
そう考えてみると「短足エルコンドルパサー」なんて風にも見えてくる。G1を勝った馬は何でもかんでもよく見えるもんだな!
[追記]
ペースや展開がハマっているのに全く弾けなくて、その理由を逃げという慣れない戦術に求めた・・・という例にはみんな大好き漆黒の馬体、身体がツヤツヤと綺麗に輝いてやる気たっぷりの時に限って凡走するパドック派殺し、エイシンフラッシュさんのラストランがそんな感じだった。
あのレースはスロー世界の女王ジェンティルドンナとスロー専門追い込み馬のデニムアンドルビーが大接戦の入線をやってのけ、3着には元秋天レコードホルダーであるトーセンジョーダン翁が粘り込んだ。
トーセンジョーダンはビュッと加速した区間で馬群に飲み込まれたに見えたが、そこからズーッと併せ馬で粘って粘って粘って最後1Fでもう一伸び。抜け出していたジェンティルドンナに迫ってオーッと思わせてからの大外一気デニムアンドルビー。それでも3着あるじゃん!という好内容。
結果としてエイシンフラッシュとファンディーナは実際には溜めが効いていない状況から早めに動き出してしまった様子。皆が皆ファンディーナの強さを認めていたし、今もそれは大きくは変わっていない。けれど最もファンディーナに惚れ込んでいたのは、エイシンフラッシュとミルコの関係と同じように、鞍上の岩田であったのかもしれない。抜け出してしまえばなんとかなる器なのだと。
だから壁を作ることに執心しなかった岩田を責められやしない。むしろ壁を作って包まれて追えませんでしたー、という結末こそ競馬ファンは望まないのだ。もちろん、それをやってのけるからこそ岩田は素晴らしいジョッキーなのだが、これだけの悪条件が揃った中でそれを望むのは酷だった。12年ジャパンカップでジェンティルドンナをそんな風に扱いはしたが、あれはあれでオルフェーヴルというもう一頭の標的があった中での騎乗だった。
もしもここで好位に構えて4角で外へ出して突き抜けていたら、エーシンフォワードやダノンシャークで見せた神騎乗を超えて、世界の名手ライアン・ムーアに比肩する存在であるとアピールしたことだろう。
スノーフェアリーを大外枠から内へ潜り込ませて最後に最後に突き抜けさせたり、ジェンティルドンナを斜め横断で抜け出させたり、そういうことを人気でやれるのがライアン・ムーアなのだ。穴でしか出来ない岩田にはまだまだ届かない遠い存在。
[fin]