砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

アドミラブルの配合 その2

先生やその他の方が色々とディーマジェスティとアドミラブルの比較をなさっているが、私なりに言わせてもらえば「Roberto≒Fairy Bridgeがオンになっているかオンになっていないか」の違いだと。もちろんオンにしつつDynamoの助けを得てバリバリにまくるのがディーマジェスティ

オフになっているアドミラブルは何を表現しているかと言えば、「Hail to Reason×Princequillo」的な切れであり、これをBold Reasoning≒Halo≒Sir Ivorの輪から派生させて内外兼用の曖昧なものを絞り出した。

この仕組みはエピファネイアに近いのだが、こちらのHaloはBuckpasserに侵され気味であるからサトノダイヤモンド的である。なのでアドミラブルと比較するには適切ではない。エピファネイアはおそらく気性だけでビュンと弾けている。血統だけを見ればジリ脚なのだ。

Hail to Reason×Princequillo」的な末脚とはフサイチコンコルド的でもある。しかしSeattle Slew×Sadler's Wellsのスタミナも表現されていて、そこからズブさが生じてしまった。青葉賞が例年通りの低レベルであったとは言え、東京二千四を最後方から大まくりにぶちかましてしまう、頭の悪いスタミナをこの馬は持っている。一頭だけ違う競馬してるもの。

こんな競馬で最後は突き放したのだから規格外である。速いペースになるダービーでは頼りになる内容なのだが、ゲートの悪さも露呈した。悪い悪いと思っていたが二千四で最後方。フルゲートのダービーではこんな競馬を出来っこない。

格は間違いなくダービー勝ち負け級。しかし突き抜ける材料がない。エピファネイアの気性は確かに厄介な代物であったが、ことゲートにしては頼りになるものだった。この馬にもあの気性があれば好位からバッツリ弾けて見せるのに。

AureoleだのWild Riskだのと気性に関する血統は多い。これらの血統がその気性を伝えたのは、遺伝力ももちろんそうであるが、そのスタミナを伝えつつも北米的なスピードを受け入れることに成功したからこそ。

Aureoleは無尽蔵のスタミナを伝えたからこそ現代にも競り落とす気性を伝えている。

Wild Riskズブい柔らかさを伝えたからこそ現代にも柔い身体を躍動させる気性を伝えている。

そしてFair Trialはスタミナ化した短距離血統であるからこそ、追い抜く気性を伝える。短距離のスピードを伝えられた中距離馬なんてのは馬群を割ってなんぼだ。それをアドミラブルは・・・増幅しているのに主役としてはあらず、「Hail to Reason×Princequillo」の切れが表現されてしまった。これは馬群嫌いのCaerleonを輩出した切れなのだからアンマッチである。

そもそもKris S.の気性がやや怪しい。メイショウカドマツは単走状態になったときにパフォーマンスを上げているし、Zenyattaも騎手が併せ馬を嫌う様に競馬をしている。近藤奥様所有の音無厩舎所属であることも示唆しているように思える。嫌な気性を思わせる組み合わせだ。

強い馬群嫌いではないだろうが馬群を積極的に割っていく気性ではない。例によって格だけで勝負をかける非凡なディープインパクト牡馬だろうから、フルゲートの東京二千四は一発を秘めてはいるものの競馬の質としては不向きな舞台だ。

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