NHKマイルC本命のジョーストリクトリは非NashuaでSpecialも7代目に見られる程度。
配合の起点となっているのはRound TableやMixed Marriageなどに見られるAloeで、大体はこの血が上手に使える様な配合になっているのが良い。SpecialやサンデーにもFoxlawの血が見られ、これの全妹がAloeだ。
なので全体では「4分の3Aloe=Foxlaw、4分の1キングヘイロー」。この仕組みはAloeの迎え入れたPrincequilloとキングヘイローのPrincequilloの方向性の違いが肝である。Round Tableを代表としてAloeのPrincequilloは中距離~中長距離的。
Aloe=FoxlawにおいてはPrincequilloのスタミナを活かしつつスピードを取り入れていくのが基本戦略なのだが、キングヘイローにおいてはPrincequilloのスタミナを活性化させることが主眼とされる。なのでこの関係は良い物だろう。
またこのスタミナは外回り向きの切れにも転換される。ディープインパクト産駒が中距離のスローでアホみたいに切れるのは短距離的なAlzaoの切れが表現されやすいからだ。その構成はPocahontasがメインであるから「マンハッタンカフェ×キングヘイロー×Tom Rolfe」の組み合わせで似たものを作ることも出来るはず。
超A級ディープ産駒において最もAlzao的な配合をしているのはサトノダイヤモンド(Alzao≒Orpen)であろう。そしてその肝としてあったのは「Buckpasser×Princequillo」の組み合わせであり、それをより表現した馬と出た。ジョーストリクトリも同じようにキングヘイローの「Buckpasser×Princequillo」を表現した配合であると言えて、それに特化した配合であろう。悪し様に言えば「直接的に表現しすぎている」とも言えるのだが。
この組み合わせはマルゼンスキーを見ての通りにNijinskyへ強い脈絡を持つ。HaloとCaerleonの反応を強化しているとも言えるわけであるから、切れの本質を突くとブエナビスタに近いのかもしれない。中山マイルでゴリゴリゴリゴリゴリゴリとシュタルケが動かしまくってなお4角での反応は鈍く、しかし直線半ばでようやくギアがかかって抜け出した。あれは有馬記念のブエナビスタに酷似している。
Haloクロスのくせにその辺りの機敏はまるで表現されず、胴体はNijinsky的Buckpasser的に伸びがあって脚がズルズルと動く。スローのニュージーランドTは決してベストパフォーマンスではなくて、ささやかにLyphard×Sadler's Wellsのまくりを見せた程度だ。東京の持続戦で更なる良化が見込める。
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