ディープインパクト産駒のダービー馬は絶対にRivermanやDamascusなどのBlue Lakspurクロス血統を抱えているもので、面白いことにディープブリランテ(Halo×Riverman)、キズナ(Halo×Damascus+Storm Bird)、マカヒキ(Haloクロス×Hold Your Peace+Nijinsky)と名血からの経由は増えていっている。
その考え方であればBold ReasonとRoberto、Seattle Slewを抱えるアドミラブルに可能性を託す手はある。「4分の3Hail to Reason、4分の1トニービン」のスカーレットに4分の1Haloのディープインパクトを配したリズムは評価したい。これはダイワメジャーやキングカメハメハでは対応できない繁殖だ。
ただ、それだけにスカーレットの持つ要素がオンになっている部分も大きい。力強く掻き込むフットワークだとか、動画でも分かる典型的な曲飛だとか、雄大な馬格、安定した胴体、大きく柔らかくは動かないストライド。
エピファネイアの良さって化け物じみた気性とシンボリクリスエスの軽やかさが俊敏なストライドとして表現されたことだ。落ち着いた性格であればあのストライドを伸ばす手段は限られる。軽やかでなければ脚を簡単に消費してしまうので先行は難しかったろう。
シンボリクリスエスの軽やかさを絶妙に使い切ったエピファネイアであっても日本ダービーを制することは出来なかった。最初から主戦としてスミヨンが乗り続けていてもキズナに屈したであろうし、日本ダービーにおけるボリクリという血統の限界をこの結果に見る。
アドミラブルはエピファネイアに相当する器なのか、あるいはそれを超えた存在なのか、シンボリクリスエスを抱える以上はこの主題からは逃れられはしない。あの青葉賞の内容はロゴタイプと渡り合った皐月賞と同等に語り得るのか?
なんかねぇ、シュヴァルグランとディーマジェスティの中間くらいの馬がG2を叩き割った内容にしか見えないのだよね。シュヴァルグランの阪神大賞典だとかディーマジェスティのセントライト記念だとか、その程度の内容だ。
ディーマジェスティを昨年の本命とした俺だからアドミラブルへは本命を打てない。この馬を買うとしたら有馬記念か宝塚記念。それも軽やかに先行して見せた時に。そりゃディーマジェスティが軽やかに宝塚記念を先行まくりしたら、シュヴァルグランが軽やかに有馬記念を先行まくりしたら、そりゃ当然勝ち負けだろう。ましてやアドミラブルが本格化したころにはサトノダイヤモンドもキタサンブラックもいないのだ。
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