砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

ダービー馬の価値

今年のダービー予想の肝はBlue Larkspurだ。如何にこのスタミナを早期に発現させ、この鋭さとパワーを外回りへ転化するか。

サンデーサイレンスの切れとは何であるか・・・ということを、これから我々競馬ファンはまた衝撃と共に目撃することになる。山ほどの後継種牡馬と山ほどの経由を持ってサンデーサイレンスはめぐり逢い、俺の知らない輝きを競馬ファンのほとんどが知っている輝きをまた日本競馬に見せつける日が来る。

その初舞台は間違いなく日本ダービー。95年から05年までの間に5頭のダービー馬を輩出したサンデーサイレンスはまたここへ。

それまではその輝きを掘り上げるまでの準備期間みたいなもので、4分の1サンデーが地味に踏ん張り続ける切ないレースだ。切ないとはつまり、サンデーサイレンスを増幅し続ける4分の1サンデーを倒す器がいないことよ。非サンデーサイレンスのダービー馬がいないこと。

数多に産まれでているサンデーサイレンス血統を東京二千四の舞台でなぎ倒すってのは、現代日本にある馬産家のロマンだろう。それを最も願っているのは社台系、特に吉田一家であるはず。サンデーの舞台で非サンデーが堂々と勝ちきるってのはキングカメハメハの再来に等しい。

その血統は間違いなくサンデーサイレンスクロスまでの繋ぎになること間違いなく、あるいはサンデークロス繁殖に対して絶大な効果をもたらす。サンデー3×3に対してアウトを取る日本ダービー馬が何よりも尊いのである。4分の1サンデーのダービー馬には大した価値はない。古馬G1を撫で斬る様な存在であるならともかく、古馬になってからトーンダウンする様な素質に価値はない。マカヒキとかキズナとかワンアンドオンリーとか、君たちに俺はそう思っているのよ。

間違いなく、その血統はSadler's Wells直系から誕生するはずである。逆にサンデーサイレンス直系の「ダービーS勝ち馬」もいずれ出るに違いない。Seattle Slewにも同じことが言えるし、日米欧それぞれの主流血統を相互に交換する様な時代が来る。

何故ならば、SWもSSもSSもみなHail to Reasonを通したBlue Larkspurクロスを持つ血統であるからだ。この点から究めて行った先には必ず各国のダービーがある。そして血統が遠くなっていく中で適性が揺れ動き、重厚なSadler's Wellsからサンデーサイレンス的な切れを表現する血統が生じるのだ。

元よりサンデーが強いわけではないオークスという舞台ではあるが、それでも東京二千四を歴代2位の時計で勝ち切ったソウルスターリングがSadler's Wells直系であることは重要な意味を持つ。それを言えば最強のマイル~中距離馬であるFrankelがSadler's Wellsの孫から産まれたことが最も重要なのだが、それからオークス馬が誕生したことも、やはり。

であれば・・・勝ちきることは考えづらいものの、ヒモでベストアプローチを拾う手は十分あるかと思う。New Approachi×Efisioに勝ちを見る手はあるが、母系の「ややこしかったけれどなんとか調和しましたよ」程度のとりすまし具合が気に食わない。これをプラスへ転じる仕組みを持たないのではヒモまでだ。

というよりも、これが勝つならアドミラブルの方が・・・。

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