砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

カデナに託すこの思い その1

ディープインパクト×フレンチデピュティが何故ああも重厚に切れるのか。

それはHalo≒Sir Ivor≒Mitterandがまともに作用しているから。

Halo→Turn-to、Man o'War≒Chance Shot、Sir Gallahad、Blue Larkspur×2、Mahmoud、Pharamond、Herodias

Sir Ivor→Turn-to、Princequillo、Mahmoud、Sir Gallahad、Pharamond、Mah o'War

Mitterand→Nasrullah、Pompey、Lavendula(Turn-toの2代母)、Herodias×2、Tourbillon×2、Blue Larkspur×2、Sir Gallahad、Man o'War

という相互関係が実に絡み合っている。

例えばHalo≒Sir IvorPharamondを共通とするが、Sir Ivorの2代母は「4分の3Menow」でありTom Fool的な脈絡を得意とする。これはTom Foolの3代母Laughing Queenの全弟にあたるPompeyがニックスとして働くので間接的な脈絡を果たす。PompeyはNative Dancer中にも見られるのでAlzao的な部分を増幅しているとも言える。

あるいはHaloとMitterandはBlue Larkspurのクロスを持つがSir Ivorはそれを全く持たない。その分だけSir IvorはBlue Larkspur的なパワーやスタミナを抱えないから全く別の道を歩むことが出来るのである。その先にあったのがウインドインハーヘアで、これは「4分の1非Blue Larkspur」として大いに働く。その代わりにHyperionやFair Trialなどのスタミナとパワーを得た。

このあたりを突き詰めていくと「Alzao自体は大した配合ではないが、母系でPrincequilloをクロスした分だけ名血の価値がある。」とか「HaloのBlue Larkspurを完全アウトとし、Man o'War≒Chance Shotを累進したWishing Wellの存在は大きい。」とか「Blue Larkspurクロスを抱えながらもDonatelloを組み込んだのことがフレンチデピュティ最大の功績である。」とか、偉そうなことがたくさん言えるのだ。

ディープインパクトの偉大さは、究極的に言えば、Halo≒Sir Ivorの速さだけを突き詰めた点だろう。武豊のコメントにある「単純に、走るのが速い馬です。」を血統表から拾うとすればこのニアリークロスしかない。

元々Haloというのはパワー傾向な血統で、だからこそロゴタイプなんかがまくれるわけでである。脚が速いというよりはパワーで瞬間の脚をひねり出せる血統であって、そこから靭やかさばかりを抽出したのがサンデーサイレンス

だからHaloニアリーとは言ってもSir Ivorの働きはWishing Wellの補助としてある。Almahmoudクロスを伴うNorthern Dancerとのニックスも同じことだ。ただそこにBlue Larkspurが付属することはよくあることで、例えばスペシャルウィークなどがソレに当たる。他にもハーツクライなどもあるから、むしろサンデーサイレンス直仔の配合においては王道と言うべき形だ。Balladierなどを使用して頑強へ一気に振れるダイワメジャーの様なパターンもある。

そういうわけでディープインパクトの速い脚はWishing Well的でありSir Ivor的でありAlmahmoud的なのである。余計なパワーを除いたDanzigに近いかもしれない。

なのでカデナに期待するのは、ノノアルコのパワーを如何に抑えてスピードへ転化したか、だ。仕組みとしてはBussion Ardent=ヴェンチアを要求することになる。

それをマナードやSeattle Slewフレンチデピュティに求められるのかを考えなければならない。

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