砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

イスラボニータの血統的解剖

イスラボニータについてしばらーく考えてみたのだが、これは難しい。

とりあえずMarston's MillとCrafty Prospectorで「Nasrullah×Count Fleet+In Reality」の組み合わせになっている。これを3×3のニアリークロスとするのであればCozzeneの淡い脈絡を有効とする手立てはあって、理屈の上ではオルフェーヴルドリームジャーニー的な配合だと褒めることは出来る。

だがこの化物配合と比較するには少し複雑過ぎるところはある。レインボーラインとの比較の方がハマりやすい気もして、そのレベルの配合では今年の安田記念で買うに不足がある。ディーマジェスティサトノダイヤモンドのレベルには達しない。だが日本のマイルにおいては十分な格とも思える。

であればやはりアドマイヤリードの路線から褒めるしかない。ほぼ「4分の3英、4分の1米」の4代母She Is Gorgeousから「Sardanapale×Ladas×St. Serf」をNashuaへ流し込んで仏血統的な展開を施す、と。

ただ、こういった配合に対して更に強烈な英愛を重ねて完成させるのが重要なのである。それを放棄して北米的スタミナである「Blue Larkspur×Sir Gallahad」を増幅してして、それをCrafty Prospectorで完成させた。4分の1を担当するIsla Majeresに不調和が見られないことは褒められるが、イスラボニータがこの4分の1に対して完璧なアプローチをかけているかには疑問。

完成された4分の1を持つ場合は、その母父をニアリーするのが最も理に適っている。Far Northに対してニアリークロスを組み込むのがベターであるからフジキセキではなくダンスインザダークスペシャルウィークが本馬の父であったほうが褒めやすい。

実際にはIsla Majeresの8分の1を担当するIn Realityへのクロスであるが、これはかなり間接的な効能。クロスを母体とした近い代の表現を目的としており、それがCrafty ProspectorなのかIsla Majeresなのかイスラコジーンなのか。

ともあれフジキセキは超一流のMan o'War絡みのサンデー直仔種牡馬であるから。それへ対してMan o'War的な切れを増幅することは間違いではなく、これも一つのWishing Well的な4分の1サンデー配合。その切り口として「War Relic×Balladier」と「Blue Larkspur×Sir Gallahad」を使うのは明確なほどに理の適った仕組みであり、米血系サンデーとして非の打ち所がない。

Tom Foolを支えたスタミナを増幅し、ストライドで走らせている。そんな考え方をするのであれば・・・確かにTom Fool+米スタミナのスピードを更に支えた英愛血統あるいは独血統を必要としないのかもしれない。

つまり最も重要なのは、In Realityが何を以ってスピードを表現してきたのか、である。それを行っていないのがイスラコジーンでありフジキセキであるのなら、In Realityはスタミナ血統足り得る。

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