砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

イスラボニータの血統的解剖 その3

Crafty Prospectorは、割りと不思議なのだが、成功の場を日本に求めている。

代表産駒は当然アグネスデジタルであり、母父としてはオールブラッシュを輩出した。輸入されたクラフティワイフの一家にはカンパニー、ヒストリカルビッグショウリトーセンスターダムダークメッセージ、トーセンバジル、トーセンジョーダントーセンホマレボシビッグテースト、バトルバニヤン錚々たる顔ぶれ。

自身が母系にCourt Martialを抱える様にFair Trialとの相性が良いのも大きな特徴。カンパニーとトーセンジョーダントニービン×Specialを抱えるし、ヒストリカルトーセンホマレボシトーセンスターダムは父がディープインパクト。トーセンバジルはハービンジャー産駒だからDanzig直系。アグネスデジタルも母父がChief's Crownであるし、オールブラッシュも父ウォーエンブレムがFair Trialのクロス持ち。このあたりは分かりやすい傾向だ。

分かりづらいのはNijinskyノーザンテーストと好相性であることだろう。Flembetteの観点から語ることは出来るが適応範囲が広い考え方である。Nijinsky限定であればBalladier≒Blue LarkspurやMan o'Warの観点、あとMr. Prospectorとの単純なニックスなど語るべき部分は多い。だがノーザンテーストは。

ノーザンテーストは日本だけが持つ超名血Northern Dancer直仔。であるからデータは限りなく少なく、それどころかCrafty Prospector(79年生)×ノーザンテースト(71年生)といったデータなどありえない。Crafty Prospectorの馬生を変えるほどの大ニックスであった可能性は、クラフティワイフの馬生から考えられなくはない。Crafty Prospectorが日本で繁殖生活を送っていたら・・・?

そんなイフはさておき、実際にノーザンテーストブームを引き継いだのはリアルシャダイであった。Crafty ProspectorとはNashuaとIn Realityを共通にしており、このイフもこれを根っこにしている。

では何故、Nashua×In Realityがノーザンテーストを好むかと言えば、まず上記の様なFlembetteの観点から考えるのが一つ。また仮説としてNashua×In RealityがLady Angelaの緊張を要することが考えられる。あとは、おおよその場合でIn Realityを異系としたNasrullahクロスが発生していて、その緩和として要求されるのかと。RobertoがRoyal Chager≒Nasrullahであるし。

であれば、あんまり、イスラボニータとは関係がない。やはりIn Realityに色々求むしかない。

とりあえず目星をつけるとすればIn Realityの母父Rough'n TumbleがVoterのクロスで、このVoterはStingとUpsetの中で「4分の1英」を担当している。ちなみにUpsetはMan o'Warに唯一土をつけた馬である。馬名の意味は「番狂わせ」。ホント覚えやすい。

してVoterはBreadalbane≒The Princess of Wales3×4(Stockwell×Melbourneを共通とする4分の3同血)であり、BreadalbaneはLadasの母母父であるBlair Atholの全弟。この血統はHamptonと重なると4分の4がクロスされる(牝馬クロス+全兄弟クロス+単純なクロスによる)という面白血統であり、大抵はHamptonとのめぐり逢いによってアレコレする。

Rough'n TumbleはVoter、Spearmint、Whisk Broomなどを共通とした相似配合であり、その相似血統の中にはHamptonも含まれる。であれば「Sardanapale×Ladas」による長距離化も可能・・・?

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