過去にTHE Hyperionという馬が買った歴史はなく、むしろ米血統のゴリゴリ系が目立つ。欧州系の配合馬であるラブイズブーシェやダービーフィズといった例も見られるが、これらは前崩れの限界ペースをジリジリと差し切った形。押し切りの米血統、ジリジリの欧血統、という図式かと。
これは洋芝の重さももちろんだが高低差が大きい上に序盤は下りっぱなしという鬼のレイアウトが理由。平坦力を武器に先行し、登りで引き付けて突き放す・・・という武豊のトウケイヘイローが最も理想的な勝ち方だった。
愚直すぎる勝ち方をしたのがマイネルミラノ丹内。下りで溜めてから登り含みの超ロングスパートというアホなことをしでかした。下りで溜めたのだから馬群は圧縮傾向で、そこから淀みなく進むのだから後続の方が脚が尽きるのは早い・・・のは確かだ。しかしそれを逃げ切って見せるのはちょっと違う話で、普通なら先行馬がジワジワと押し切ってしまうペース。
ビッグレッドという馬産集団を感じさせる素晴らしいレースだったかと。
スローの千八を撫で切ったサトノアレスは順当で、これは2000mに伸びても旨味ゼロなのであたりめの消し。これを人気に祭り上げてどうするの?と血統ファンは思う。
試金石の一戦となるのがステイインシアトル。鳴尾記念を武豊で逃げ切り、ここへ駒を進めてくるってのはトウケイヘイローと被るものがある。果たしてA級ステイゴールドの底力を持っているのか。
ツクバアズマオーは半端に緩いまくり馬だから少し扱いが面倒。ステゴ×嵐猫はノーザンテースト≒Storm Birdを根拠とするニックスで、他にキャットコインなどがある。外回りではなく内回りに活路を見出したのはRahy×RobertoのMariah's Stormの影響で、これはおおよそ靭やかグラスワンダーな血統なのでまくり気質。しかしSecretariat×Chieftain×Seattle Slewの影響は大きいし、中山金杯の勝ち方は本来なら2着くらいのイメージ。アンコイルドを彷彿とさせる惜敗タイプだ。
もう少し続けると、Giant's Causewayってのはパワー&スピードの超弩級血統なのだ。その分だけ本格化の過程が急激であり、日経賞の負けはその予兆と見ることもできる。アンコイルドが京都大賞典、京都記念の成功を以ってなお再び淀に現れることがなかったのは、京都を走るだけの靭やかさを急激に失い、砂を走るパワーを得てしまったからだろう。ステイゴールドによってその心配は薄れているがキャットコインの例もあるだけに難しい。
穴馬で狙い目と言えばヤマカツライデン。函館の池添は鉄板であるし、ここなら逃げずに控えた競馬で旨味がありそう。新味を期待して本命を打ちたい。
あとダンツプリウスって良い配合なんだよね。
「4分の1NDクロス、4分の3非ND」
「4分の1Princequilloクロス、4分の3非Princequillo」
「4分の3HtR、4分の1非HtR」
「母Bold Rulerクロス、父非Bold Ruler」
「8分の1Bold Reason≒Never Bend」
夏に掻き込みながら突っ込んでくる典型的な配合馬で、距離さえ保つなら一変もある。前走含めて1800mはスローの注文が付いてしまうのだけれども、手先のパワーに不足はないから洋芝はプラス。2000mで激走するならここじゃないかと。
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