砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

乗り上げているから暇つぶしに

ちょっくら関屋記念の人気馬の配合でも見ようか。

メートルダール

 一気呵成に突っ込んでいくタイプではなく、スローからズボッと抜けてサドラーダラダラが続く。父の観点からすればコスモネモシン、サドラーからするとスピルバーグ、母父からするとブラックホークなどが例として候補に挙がるかな。スローから馬鹿みたいな脚を展開する条件外回りの帝王。

 展開次第では勝ち切りの目も見えるし外回りの方が勝ち味は強いかもしれない。そこそこに流れてからの3F瞬発!という展開で勝ち切るならば秋天でダークホース扱いも可能。ジャスタウェイとは別の意味で。ミルコよりも柴山の方が一発があるタイプではないかと。

ウインガニオン

 配合自体はゴリゴリ系ステゴ産駒。ただマルゼンスキーの靭やかさが表現されている側面もあるから平坦を不得手とするわけでもない。G1クラスと思えば物足りなさは否めないが重賞をねじ伏せられない配合と表現ではない。母チャンネルワンがDanzig直系の配合として優秀なのだ。ポリッシュネイビーを使ってDanzigをまともに表現してみせた坂戸節子氏(坂戸牧場?)は凄い。

 これはおおよそポリッシュネイビーマルゼンスキーの曖昧な相似配合が作用したせいであると考えられるし、またミンシオがいい味出している。ミンシオってあんまり繁栄しているわけじゃないけれどNDを初めとするPretty Polly血脈と相性が良いはずなんだ。

 なのでTatan経由のDonatelloくらいしか目につくPretty Pollyしか持たないのにシルクメビウスと本馬の2頭を輩出したこの配合はミンシオのアシストが大きいのだ、と言いたい。BMSミンシオの傑作がMtotoなのだから下手な考えではないはず。

 米血的に素早く、英愛的に粘り込み登り詰める。本馬のストロングポイントはミンシオに集約されており、またこれは低レベルな血統ではないのだから、この馬のポテンシャルは高いと言える。これを中京記念の前に言えたなら最高だったんだがなぁ。

ロードクエスト

 マツリダゴッホ産駒の出世頭。これに必要なものを全て備えた好配合も好配合である。

 だが英愛の濃厚なスタミナを取り入れることが難しい種牡馬であるので日本競馬に順応しない部分は多いかと。自然、本馬も強い負荷のかかった展開で弾けることもない。ダービーの前には「最強クラスの中距離馬であれ」と願ったものだが、それが崩れ去った思い出がある。

 異系を取らないわけだからおおよそは相似配合に近いものとなる。その点からすればBold Rulerの在り方はヘタクソなものであるが5×5*6なら許容範囲かと思う。理想ではないし、この観点からG1勝ちは難しいとも思うけれども。

 また難しいことにチーフベアハートってのはTom Foolを得ない。ロードクエストの様な配合であればBuckpasserでも抱えて良さそうなもんだが、そうならない。おそらくSecretariatの影響力が大きいためであり、この血統がTom Foolを得るには2つ3つの厄介な段階を踏まねばならない。本馬はIn RealityとRibotがあって諸条件が整っている様子だが、足がかりとしてのPharamond-Menowを持たない。Bold Rulerの緊張に対してBuckpasser軸の異系ってのは有用であるから傷と言えば傷。

 あとAffirmedも日本においては傷。力っぽくなりがちであるし、内回りでズボッと抜ける競馬でしか活路がない。その割には特化型というわけではなくどこでも好走してしまうし、消去法的にしか勝ち切ることが出来ない。Blushing Groomほどユーティリティではないことはナリタトップロードメイショウドトウの母父Affirmed組がBlushing Groomテイエムオペラオーに対して実証してみせたか。父サッカーボーイナリタトップロード菊花賞で、Nijinsky持ちのメイショウドトウは今年の様な超ロングスパート宝塚で、それぞれ最強馬を破っている。

 本馬は明確に小回り気質でありBold Ruler軸だから小回りの瞬発戦ベター。京成杯AHではまくってからのRibot粘りで押し切っているし、平坦が良いのは間違いなくとも登坂も下手ではない。小回り平坦千八千六というと上級条件では見られないから格との兼ね合いでレース選びが難しいだろう。ここは合わない舞台でもないが絶好機ということはまったくない。

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