今のところ「4分の1Secretariat=Syrian Sea」の影響が強いロードカナロア。ディープインパクトよりもややスタミナ的でありパワーとの脈絡が弱い影響なので、突進力を伴う斬れではない。斬るというよりも滑る様な末脚を使う産駒が多いか。
だから直線一気でガーッと交わしてしまう様な産駒は出ないはずであり、そこら辺がディープインパクトと違うかも。ギアの切り替わりを言えば、CVTみたいな。気がついたらトップスピードに乗ってたぞ、あー、差し切ったー。みたいな。CVTって気がついたら80km/hくらい出ててビビるよね。静かだし。
なのでCVTと反するタイプの斬れを母には要求されるわけで、4速MT(軽)みたいな斬れを伝える血統が欲しいかもしれない。Bold Ruler系にそれを頼むのも良いが、In Reality×Princequilloのニックスへ託すべき問題だろう。こちらの派生でサンデーサイレンスと絡められれば良い。
そこら辺は産駒の様子を見ながら探っていけば良いが、とりあえず今言えるのはステルヴィオに見られるSeattle Slewとの親和性である。
キンカメへSeattle Slewというのは低アベレージではないが高評価に値する組み合わせではない。ダノンリバティに見られる様に、ヌメヌメした斬れを発現しやすい。駆け上がるでもなし、鋭く斬れるわけでもなし、半端な斬れを表現しがちだ。
ロードカナロアに関してもその傾向は継続しているが、ヌメヌメがヌルヌルしている。傑出した短距離馬を父とするだけに、ヌルヌルと速い動きをするのである。「間に合わせた!」と「間に合わなかった!」の関係で勝ち切ってしまう。豪快に勝ち切ることはないし強い勝ち方もしない。なんだかんだで勝ち切った・・・という風な非キングカメハメハの競馬である。
これはBold Ruler的だろう。キタサンブラックもジェンティルドンナもこんな残し方をしていた。
この類の競馬を的とするのは、中長距離においてはTom Fool、中距離においてはHyperion。キタサンブラックを害したのはゴールドアクターとサトノダイヤモンドとアンビシャスで、ジェンティルドンナを害したのはデニムアンドルビーとジャスタウェイとスピルバーグ。(ジェンティルデニムのジャパンカップは実質的中距離戦)
ロードカナロア産駒の競馬は必ずBold Rulerへ根するため、必ず大舞台ではHyperionが敵として現れる。
逆を言えば、だ。ジャスタウェイやスピルバーグと秋天を争う様な持続力をロードカナロア産駒は持たねばならない。それは必ずHyperionを介したものだ。
その切り口はサンデーサイレンスとSadler's Wells=Fairy Kingであることは間違いない。何故なら、キングカメハメハはHail to Reasonとのニックスによって日本競馬の重鎮としてある種牡馬であるからだ。ロードカナロアの花嫁はHtRクロスであるべきだろう。
HtRについては問題はないが、その場合、Seattl Slewに関する問題が発現する。Seattle SlewはHyperionを求めない。正しく言えば英愛的なHyperionを求めない。彼が得るのはシンボリクリスエスを見ての通りに、Alibhaiの一手なのだ。
ロードカナロア自身が「4分の3Alibhai」なのでSeattle Slewとのニックスへ確信は近づくが、Hyperion型の中距離馬を輩出することは難しくなる。
だからこそピンポイントの英愛Hyperionを持ってくるべきであるが・・・そこら辺はシーザリオの2016から判断出来そうである。これが成功したらロザリンドにロードカナロアをつけまくってくれ。
[追記]
エピファネイアにおいてシンボリクリスエスがセントクレスピンを作用させるに至ったのは、おそらくHarinaとFeolaの影響が大きいかと思う。これらの血統はSeattle Slew-A.P. Indy-Pulpitのラインにて見られるものだ。
スペシャルウィークってのはSeattle Slewとの親和性が高い血統である。エピもそうであるし、また産駒においてはリーチザクラウンもある。かといってロードカナロア×スペが理想かと言えばそうでもなく、ロードカナロアの配合における一例として有用であるくらい。
とりあえずロードカナロアってんは弄りどころの多い種牡馬であるからピンポイントでどうこうということはないかと思う。アグネスタキオンやフジキセキ、ダンスインザダークなどなど、多くのサンデー系を相手になんでもオープンクラスを輩出するパフォがあるはず。問題はG1クラスを出す場合であり、そこら辺がいまいちつかめない。
[fin]