砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

スプリンターズSの出走馬 その3

残念ながらタイムリミットである。簡単にやって予想に移る。 メラグラーナ  Fastnet Rockの様な鋭いデインヒルに対してのBuckpasserクロスは速さよりスタミナ重視。緊張と緩和に優れた母であるが、この配合形ならば弄るべきは母父でなく母母であるべき。母母は決して強くないクロスでありVainのアウトブリードぶりが目立つ。4分の1異系に用いても良いが、G1勝ち負けを目指すには足りない。 ビッグアーサー  王者の配合。覇道を歩む馬。だが競馬ぶりが極端であり6歳までピークを保てるタイプでもない。父がバクシンオーである分だけ靭やかな走りが目立ち、中山の様な窮屈なコースを得意とはしないだろう。昨年の競馬を見ても囲まれると反応しないところがあり、ヌレサドニアリーはそういった馬になりがち。大先輩エルコンを習って前受けゴリゴリベター。 モンドキャンノ  母系におけるNative Dancerからの引き継ぎを活かす材料をキンシャサノキセキは持たない。この場合は母のND4×3は保留としてNative Dancerを主軸とすべきである。Bold Rulerの隠れた効能によって重賞を勝っただけ。 リザード  4分の3ND繁殖牝馬に対して4分の3を改めて取るという選択はキングカメハメハ×サンデーサイレンスを見ても正しいが、この様にインブリードの歩みを進めてしまうと表現がごちゃつく。キンカメサンデーにおいてもトゥザきょうだいが似たようなことになったし、それよりも代が近い。  相似配合の方向へ進めて「独自の4分の1」にRedoute's Choiceを見るのも可能だが、Danzig×Nijinskyでは締まらない。お前何しに来たの?って思う。 ファインニードル  控えめに言って好配合であるがDarshaanを経由したRelicクロスが気にかかる。スプリンターとしての苛烈さが薄く、前走の様な負荷の弱いミドルペースで弾けきったのはこの弄りが理由だろう。  Sharpen Upクロスの作用によってまとまりを保っているが、Relic弄りはKrisクロスでしか許されるべきではないだろう。G1で積極的に買える配合とは思わない。 ネロ  配合の骨格はフィドゥーシアと同じ。わざわざヨハネスブルグの6歳を買うほどスプリンターズSは酔狂なレースではない。 シュウジ  父母相似でも4分の3でも大技ニアリーでもない曖昧な配合形。これはこれでまとまっているが、G1級の素質を見出し切れないのも事実である。キンシャサノキセキ×Kingmamboは面白いと思うが、本馬は母系がそれに応えられていない様に見える。  決して順調な臨戦でもないし、ここは買わなくとも良いだろう。 ダンスディレクター  マルゼンスキーの速さをMr. Prospector直系種牡馬によって抽出するという考えはハクサンムーンと同じ。重賞でなら薄っすらとした父母相似を褒めたいところであるが、G1スプリントを争うには頑強に不足を感じる。  前走も平坦スピードの一点で突っ込んできた部分があり、消耗後の登坂が鍵となるスプリンターズSでは評価しづらい。 [fin]