秋華賞は「早くなくとも速くあれ」のレースになりつつあり、3歳秋に千八馬として大成した馬が勝つ。ドバイターフのヴィブロス、変則三冠牝馬メイショウマンボ、千八最強のディープが送り出した牝馬三冠ジェンティルドンナと牝馬四冠全2着のヴィルシーナ。
2011年以前は全くそんなことはないが、12年以降においてはRaise a Native全盛。勝ち馬5頭のうち非RaNはショウナンパンドラのみで、秋華賞はこれなしに語ることは出来ない。
母系にRaise a Nativeを引くパターンは6-3-4-8-7-79で勝率5.6%連対率8.4%で単回収45円。とても話にならないデータであるが特筆すべきは人気勢の安定感だ。母RaT持ちの1番人気は2-1-2-3-0-0で全頭4着以内。全体の1番人気の数値は6-3-4-3-0-5。勝率や回収率は全体の数値に劣るがビッシュなどの様に大きく崩れる馬はいない。差し傾向ではあるが俊敏に展開して前を追える馬ばかりだ。
これは地味な脚を持つ馬が1番人気を背負ったら、とりあえず人気なりに走るという結果だろう。
では父にRaise a Nativeを持つ場合はどうだろう、って話だが、これはスイープトウショウやアパパネが該当で、父母ミスプロクロスはメイショウマンボとブラックエンブレムがいる。パワー由来の末脚や先行力でねじ伏せる様な馬たちだ。
こういう適性でも勝ち切れるという話であるが、逆説的に言えばこういった能力で人気を背負った方が上記の地味脚よりも走る様子。1番人気は1-1-0-0-0-0で全連対。単回収115円、複回収110円。対象馬はアパパネとラインクラフトの2頭であるからマイラー気味の差し先行が1番人気ならベタ買いでよいだろう。
この2頭はMr. Prospector直系であることも見逃せない。ゼンノロブロイ、スズカマンボ、ダンスインザダーク、ヴィクトワールピサはパフォーマンスで圧倒しなければ勝ち切れない。メイショウマンボは極めて短期のピークによってデータを超越したと見るべきだろう。
ただし・・・牝馬のキングカメハメハにも同じことが言える。14頭が出頭して連対馬はアパパネの一頭のみであり、加えてこれは非サンデーであった。レイデオロが京都二千を圧倒した所で誰が驚くだろうか。だがドゥラメンテやローズキングダムなどがそんなことをしたらビビる。
キンカメサンデーとは基本的に外回りの配合であり、これを小回り向きの先行馬へ誘導するにはいささか厳しい手段を取らねばならない。3歳秋というタイミングと平坦適性を思えば、そう簡単な配合ではないだろう。ていうかあるの?
ちなみに、今年の出走予定馬にキンカメ産駒はいない。ルーラーシップ産駒が一頭あるだけである。
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