砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

クリンチャーについて

気づいたが、こいつはワキノブレイブの弟。シルクロード3着だが、その前年のシルクロードで穴指定したのを覚えている。めっちゃ悔しかった。

ディープスカイの芝馬においては随一の配合。全体の相似を取りつつアグネスレディー≒Dusty Dollarという薄いニアリークロスを持つ点でユニークだ。

とにかくHyperionが強くあり、ジリ脚というか決め手に欠けるというか、穴っぽい先行馬にありがちな脚質。ただ、靭やかでないわけではなく、これは父母が連れてきたDanzigが両方とも頑強な経由でないため。デインヒルだとかを介するとゴリッゴリなのだが、英愛的なスタミナとともにある場合や、Chief's CrownなんかはDanzigの頑強を糧としたような靭やかさを伝えやすい。

強い緊張を伴った相似配合であるが肉付きが異なるため極端な早熟には仕上がっていない。例えば父ディープスカイが4分の3Bold Rulerクロスであるのに対して、母ザフェイツは非Bold Rulerである。また父母アビがPrincequilloクロスなのに対して、父父と母は非Princequilloである。

ただこのPrincequilloはクロスが薄い。むしろMiss Camie4×3の方が表に出やすくあり、「Nasrullah×Hyperion」の靭やかさが克つ。この名繁殖はTim Tamの近親なのでエタンのMixed Marriageと噛み合うところがあるかもしれない。

それと関連するが、この配合の弱点はDanzigに対してBuckpasserないしTom Foolを組み込んでいないことが挙げられる。このあたりが絡むとダートへ傾きやすいわけであるが、クリンチャーがゲートを出切らないのはこれに関連した前駆の速さに不足があるからだろう。後躯でゲートを出るにはDanzigが靭やか過ぎるのである。

Danzigが靭やかになってしまっているということは、Hyperion的に後躯が完成しないということでもある。だからこそダート基調の種牡馬としてディープスカイは評価を上げているわけであるが、この中間を突く術がないことにはディープスカイから重賞勝ち負け級の芝馬は出やしない。

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