砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

弥生賞展望

弥生賞を好走する先行はパワータイプオンリーで、そのくらい馬場の抵抗が大きい。

なので外回り気味のパワー差しが届くレースになっていて、雨が降っても良馬場でも、スローでもハイペースでも傾向は変わらない。カデナマカヒキカミノタサハラなどディープフレンチ組の強さも特筆。

その点でヘヴィータンクなんかは実に狙い定めてきたレース選びとも言えて、軽やかな先行と渋いパワーの両立を狙った配合なので一発はありそう。少なくとも血統論の上では軽視しづらい。その他の要素だといくらでも貶し様はあるのだろうけれど・・・。


Roberto×Danzigのダノンプレミアムがここも強い。

「早熟だから~」とけなす手段はいくらでもあるわけだが、今時期ならその早熟の引き出しを褒めるべきだろう。DanzigによるBlue Larkspurのアウトを行い、ND+Fair Trialの共通を以って「4分の1非Blue Larkspur」のウインドインハーヘアへ脈絡をもたせたのも大きな意味がある。

ヘクタープロテクターなどが典型的であるが、Northern Dancerの歴史はBlue Larkspur血脈との戦争そして融和だ。「4×3に対して継続のNDクロスだなんてG1勝ちの格を持たない」というのが朝日FS戦の前に抱いた感想であるが、早熟として非常に優れた配合と見直そう。

ただ内枠を引いたときは案外競馬がしづらいかもしれない。

阪神外回りならば「よっしゃ行くぞ!」という段階で楽々と抜け出してしまったが、中山内回りの場合はそういかない。「じわじわ行くぞ!」が向こう正面から始まる弥生賞は内から捌くのが難しい。

フレンチデピュティが好走するのは後出し特化のHalo≒Mitterandによる表現が好ましいからであり、ジワジワからの瞬発力に優れた配合形であるからだ。福永祐一ルメールの好位競馬や、川田の極端など瞬発競馬がハマりやすい。

Robertoはどこかしらで最強を証明してやらないとやる気を出さない・・・というのはマヤノトップガンから考えさせられることで、仕掛けのタイミングで一頭抜かさないと伸びないのよねぇ。Giant's Causewayも「とりあえず一頭」の競馬だった。


その点で「とりあえず一頭」「俺は最強」のコンボを決めたヘンリーバローズを差し切ったワグネリアンも強い。

ただこれはブロードアピールの色が強い末脚で、3Fのものだ。4Fや5Fでのスパートを求められたときは案外だろう。キングカメハメハってHyperionの薄い繁殖牝馬と好相性ではあるのだけれども、その特徴とて3F的なところがあるのよねぇ・・・。母系がAimeeだし。

ディープキンカメにはデニムアンドルビーがあり、これも「スロー&3F瞬発」の女王。それも追い込み競馬でスローを差し切る変な女で、消耗戦を追い込むと牝馬相手でも厳しい。しかし同じタイミングで追い出すならば後方からでも一気に差し切る・・・そんな内容をジャパンカップ宝塚記念で見せた。

ワグネリアン東スポで厳しい流れを楽勝しただけあってデニムと同じ様な性質ではないだろうが、それはそれでキングカメハメハらしい性質である。「4分の3Turn-to、4分の1キングカメハメハ」の表現が目覚ましい。姉貴には見られなかったもので、母父表現に優れる牡馬の方が良い配合なのかもしれない。


キンカメやRobertoが弥生賞を勝ち切る画も描きづらい。したらばここはオブセッションかも。

フレンチデピュティの強さはND系における異系っぷりが一つの理由であるが、もう一つの理由にEight Thirtyの強調がある。Good Example≒Eight thirtyによるPilateのクロス。

したらばそのクロスがあれば良いのだろう・・・ってなもので、この馬が浮上する。

Northern DancerがうるさいしMr. Prospectorクロスもディープに対してどうなの?ってタイプであるが、8分の1Bold Ruler4×3の表現を狙うならば悪くない。というよりこのために全てを尽くして、尽くしすぎて鬱陶しいくらい。

札幌で狙いたいところであるが、弥生賞でも足りるのではないか。


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