砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

悩ましき金鯱賞

登ってから駆けつける機動力に優れた中長距離馬サトノダイヤモンド

東京二千ならば歴代勝ち馬をも凌ぐであろう最強後出しHaloのスワーヴリチャード

グラスワンダーより登ることに長けた中京特化のヤマカツエース


この3頭が人気の中心になるのはそりゃ避けられない。しかしダイヤモンドは距離、スワーヴリチャードは登坂、ヤマカツエースは格下、とそれぞれが不安を抱えているだけに決め手なし。

それならば展開の勝負になるはずで、枠に依ってはこの3頭以外から勝ち馬も出るのでは・・・という中穴クラスにも人気は移りそう。中日新聞杯勝ち馬のメートルダール、小倉大賞典勝ち馬のトリオンフ、中距離戦では底を見せていないブレスジャーニーがその辺りを担当するか。


トリオンフは軽視でいいだろう。にゃーましいのはメートルダール。悩ましい。

競馬ぶりはロブロイサドラーらしい。しかしロベルトサドラーにしては馬群嫌いが強くあり、血統論の上では良い材料なのかなぁと。大外からのピッチ追い込みというのは中京二千の勝ち切りパターンで、Specialピッチは特注だ。

ただゼンノロブロイは名馬であっても名種牡馬ではない。ディープやハーツ、キンカメといった名種牡馬を相手にして展開の文に勝負を持ち込むには度量に不足があるのだ。それでも中京二千にはそれを補うに足るロスが生じることも多い。ここが悩ましい。

枠番が決まってからの取捨となるが本命も一つの可能性。


ブレスジャーニーもここは厳しい。しかし配合がもう・・・最高級だからなぁ。

強いて言えばBlue Larkspurの異系を「8分の1ダイナカール」「8分の1タニノクリスタル」でしか抱えていない点を貶せるかな。貶す貶さないを可能不可能で言うべきじゃないとも思うが。


バトルプランの限界とも言える。こんな血統構成なのだから相手はHtRクロスが相手となることが多いだろう。そんで、そのために「4分の1非Blue Larkspur」をとることができない。

ルーラーシップの偉大は「4分の1エアグルーヴ」を取れることで、つまりそれはディープインパクトブラックタイドによる「4分の1ウインドインハーヘア」と同じメリットなのだわ。そこで一つ格が落ちてしまう。

意外でもなんでもないが、「4分の1BLアウト」を取らずして菊花賞を勝ちきった馬なんてのはエピファネイアだけなのだわ。そのくらいにBlue Larkspurという血統はPretty Pollyの成長力を阻害する。

エピファネイアが2歳秋に重賞を勝ち、3歳春からすでに頭角を現していたのは4分の4HtRによるもので、菊花賞から引退まで成長らしい成長はしていない。菊花賞史においてこれほどの早熟性を持った勝ち馬はいないだろう。(オルフェもディープも、ついでにゴルシも、もちろんキタサンも晩成。)

逆を言えば、「4分の4ND」でも「4分の4HtR」でもG1ウィナーを輩出するシーザリオは偉大な繁殖だ。


ここから話を膨らませると、ブレスジャーニーがこれ以上の成長をするにはノーザンテーストダイナカールを頼れない。Hyperionを膨らませるにはPretty Pollyの助けが不可欠だし。

だから超例外的な手法として「4分の1タニノギムレット」がある。

「4分の3ND、4分の1タニギム」ってのは作用するんかいって話だが、それはタニギムがGraustark3×4で他にRibotを引かないことで問題としない。4×4ならRibotくらいどこかで継続したほうが形が良かったかもしれないな。

「4分の1サンデー」の時代も終焉に近づいている。これは「4分の3ND」時代のピークを過ぎるという意味も大きいが、「4分の1非Native Dancer」時代の終焉こそ最大の意味だ。

「如何に4分の4Native Dancerを機能させるか」という世界において、サンデーサイレンスクロスが初めて実用の上で注目されるだろう。4分の4Northern Dancerに対して論ずるより一歩早い。

ブレスジャーニーは8分の1サンデーとして常道を進むばかりではなく、次世代を見据えた「コンセプトホース」でもある。こういった配合によってサンデーサイレンスクロスの土台が築かれる。

もし全妹が産まれて、それへ「4分の1非Northern Dancer」かつ「4分の4Native Dancer」かつ「サンデーサイレンス4×4」の配合を取れたならば中央で2勝3勝する馬は簡単に出るだろう。その全妹が繁殖として有能なら重賞級まで見込める。相手種牡馬に恵まれたらG1勝ち負けでしょ。

こうした配合のあれこれは持論推論だけれども、重賞2勝のブレスジャーニーを追っかけてエルフィンパークにバトルプランをつけない理由が分からない。新しい繋養先が地方メインだからなのかなぁ。したらなんで中央芝重賞勝ちを出した繁殖に手を出したのか・・・。

どこまでが競優牧場の配合かは分からないが、ジョーカプチーノまではわりかし面白い配合をとっている。明らかに2018年は毛色の違う配合だわ。17年までは緊張と緩和を実践した様な配合ばかりで、理論を伴った狙いがある。

そんなところの牧場長がなんで馬を殺してしまったかなぁ。でもプティマカロンみたいなこともしてますなぁ。


さて、何を以って「コンセプトホース」であるのか。

Blue LarkspurとPretty Pollyに共通するのはGallinuleだけなので、Pretty Pollyの母を共通項とすることで問題は解決されるだろう。つまりDisplayとPromised Landに見られるAdmirationに注目すべき。

次回、ディープで楽しい無根拠の競馬講座が始まるよ。

ダノンプレミアムのやつも今日明日でやっつける。

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