前回のあらすじ
Blue Larkspurまみれではダイナカールの成長力は頼られない。それなら別のところから成長力を補おう。そうだね、Pretty Pollyが頼れないならば、その母ちゃんであるAdmirationを頼ろうじゃないか。
まず最初に書いておきたいのは、それより僕が伝えたいのは、Pretty PollyはAdmirationにとって異端であるということ。異端であるとて名繁殖の娘を産んだ以上は名繁殖であるし、それを除いたラインを細々と紡いだ点もその評価を助ける。Admirationはすごいのよ。
して、何を以って異端とするのか。簡単に書くとこういうことだ。
・Admiration自身はScottsh Chief≒Thormanby3×3
・次世代以降ではWoodbine血脈を得るが常道
・Pretty Pollyは無視を重ねてHyperionとNearcoへ至った
・他の枝葉は徹底したWoodbine血脈の累積を行った
例えばガーサントなんかもTetratemaからしかWoodbineを引かないし、Lady Angelaは非Woodbine。一番Admirationらしい枝葉はDonatelloかな。父ちゃんがBlenheimでRobert le Dableを引く。(Feronia=Violetを持つ)
「一本引くなら十分じゃないの」と思うかもしれない。それを覆すほどに他の枝葉はエグいのだわ。というわけでBold RulerとPromised Landを見てみよう。Native DancerはほとんどBold Rulerとやっていることは同じだから作らなんだ。
別にのっつり見なくとも良いと思う。とりあえず1本や2本という話ではないということ。
Promised Landが1954年、Bold Rulerも1954年、Nearcticも1954年。NearcticはHavresacから1本引くだけだからねぇ・・・。
ちなみにNative Dancer(1950年)はPompeyから3本、Discoveryの母から1本、Sweepから1本、牝系のMeltonから1本、あとPrince PalatineのAryshireから1本、かな。
多少の見解を交えると、こうした累代を重ねるためには米血の助けが必要だったのかもしれない。Sweepの混入がNative Dancer・Bold Ruler・Promised Landに共通することで、Pretty Pollyは北米へ出たNearcticの代から一気にその傾向が加速するけれど、左記3頭は早々に北米へ出た枝葉だ。
ウッドバイン競馬場がカナダにあるくらいだから、北米の競馬人の方がWoodbineへの愛情が深かったのかもなぁ。(笑)
ジャージーアクトの弊害はそりゃ大きなものだったが・・・この排他的血統鎖国は絶対的な異系を生じさせた。話が大きく変わるけれども。
つまり非Woodbine血統の異常な発達。Hyperionという非Woodbineの名馬かつ名種牡馬かつ名血統を誕生させたのである。どういった経緯があるのかは知らないが、そんなものが産まれてしまった。
こういったことが起こった理由に・・・Woodbineの名血が流出していたことが挙げられる。
BlenheimとMahmoudの親子が北米へ流出している時点でお察しである。Sun Briar=Sunreigh兄弟にしても紆余曲折を経て北米へ輸出された様子。
短距離血統との組み合わせが光る血統であったが、それにしても輸出ぶりが異常である。慧眼の馬喰でもいたのかもしれない。
とにかく、英国はSt. Serfを除いてWoodbineがほぼ壊滅状態。その中でHyperionが産まれ、それを中心に世界の競馬が回り始める・・・。
続く