砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

もうそろそろ非サラ系の競馬をすべきではないか

「その3」を書いている最中であるが、脱線ばかりで話が進まない。こっちで発散する。

北米牝系が非St. Simonとして非常に大きな役割を果たしたことは、間違いのない歴史的事実だ。大抵の血統本で書かれている様な信憑性のある話だ。

なぜ北米血統が欧州で重宝されたのか。単純な「異系」であったわけであるが、そこまで欧米の競馬が断絶されていたわけではない。つまりレースの質が違っていたわけで、当時の北米がスプリント信仰の下にあったことが理由だろう。

実際に英国はSt. Simonの良血を出し渋っていたが、それでもRabelaisやFlorizelなどが国外へ輸出されている。ジャージーアクトの弊害が最高潮を迎えた時分に、ようやく北米が重い腰を上げてRock Sandを導入した。アメリカでは賭博禁止に関する法律が各州で制定されつつあった。

Rock SandはTraceryを、母父としてはMan o'Warを輩出する。これは近い将来に訪れるアメリカ競馬の禁止、及び欧州競馬への参入を目しての輸入であったかと思う。元から逆輸入する気まんまんだったかと。

だがアメリカ競馬はしぶとい。ベルモントパーク競馬場などは禁止を覆して競馬を再開し、法律が制定されなかった二洲に属するチャーチルダウンズとピムリコなどを含めて競馬の熱を取り戻していく。

そして米三冠レースの原型も整備され、北米競馬は中距離世界を作り上げていく。そしてそこには、St. Simonの良血がいつも傍らにあったのだ・・・と。


こんなのをWikipediaを見ながら書き上げてしまい、「どうやってWoodbineと仏血統に戻すの?」と思ったのが21時。いいや、書いちゃえ!と思って突き進んだのが22時。つまりまだ続きがある。


つまり距離や馬場による独自性があれば流行血統へ抗うことは可能だろう。今更4マイルの競馬を復活させようとかそんなことは動物愛護的に無理だが、3F競馬とかは可能ではないかと。

だがサラ系でこれをやってもサンデークロスやNDクロスがむしろ加速するはずで、ソレはソレで面白みがあるが在りし日の北米異系には敵わない。(多分ディープインパクトクロスなんかが頂点に立つ)

ならば競馬場設立の易さを利用してワンターン600m競馬を非サラ系で出来ないだろうか。坂路を作るよりも安上がり。ダートで施行するならば手間いらず。興行として成功すれば非サラ系の血統を育てられるぞ!(ハードル激高)

金が腐るほどあれば出来るだろうになぁ・・・。ある程度レベルが上がったら門別だとかに開催枠を借りて1200mでやったりしてさ。勝ちタイムが似通ってきたら「おい、やらせろよ」って混合やったり。

多分100年後くらいには8歳~10歳のボロボロ地方馬と戦えると思うのよね。ベースに何を選ぶかにも依るだろうけれど。ここである程度の拡大を行えないとサラ系より先にこっちが血統の頭打ちを食らうな。

・・・無理だな。無理。

サラブレッドってのは歴史的な道楽者が全く途切れなかったからこそ紡がれていたのだ。軍馬の調達という国家の一大事が始まりではある。だけれどその意義を失ってもサラブレッドは存続し、文化となった。これって凄いことだ。

するとあれかね。サラブレッドってのは滅びが定められているのだわ。どれだけ先のことかは分からないし、少なくとも俺が生きている間は外的要因でしか終わることがない。けれどいつか終わる。競争に耐えられなくなり、サラブレッドは滅びる。

その時、人間にサラブレッドへの愛があるだろうか。歴史を覆してなお、在りし日の速さを取り戻す長い旅路を往くだろうか。サラブレッドとともに。

[fin]