砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

立ちはだかるエアロヴェロシティ

およそ道筋はついたのだわ。秋天のスプリントバージョンみたいな見方で良いのだと思う。

前受けして、後出し気味に突き抜ける。実にHaloな競馬であり、それをスプリントで表現する仕組みを知るだけで本命を打てる。それがレッツゴードンキであるかは分からないが。

HaloではないロードカナロアはBlue Larkspurまみれの血統。産駒の小気味よい先行能力はHalo的なものとも言えるし、これも一つの鍵になる。


ところがどっこいエアロヴェロシティ。完全なる非Blue Larkspurというオーストラリアの匂いがムンムン立ち込める「緊張と緩和」の化身。

Blue LarkspurもなければRaise a Nativeもない。Northern Dancerは一本っきり。Tom Fool直系だけれどBold Rulerもないし、PrincequilloはSir Tristramから引くものだけ。

流行血統が希薄でアウトブリード傾向であるが、その実、Nasrullah≒Royal Chager=Tessa Gillianを代表とするNearco血脈が濃厚だ。しかしAmbiorix≒My Babu≒KlarionらによるNearcoアウトも目立つ。

よって、Sir Tristramによる「8分の1Princequillo4×3」へ緊張と緩和が働く。




全クロスってのも表現へ関わる大きなポイントで、オルフェーヴル黄金配合候補のHtR全クロスもそういう話になる。

しかし本当に良い表現を引き出すならば「独自クロス『3×3』or『3×4』or『4×4』」→「その他を全クロス」の流れを踏みたい。ディープインパクトに対して「Halo≒Sir Ivor」ではなく「Halo≒Lady Rebecca」を提唱するのもそれが理由。「明智流相似血統式」と命名しよう。(提案)

このSir Tristramの仕組みはサトノダイヤモンドに近いものがある。

ただサトイモディープインパクト産駒であるから中長距離に出ているし、Danzigを抱えた分だけTom Foolの表現が勝る。柔らかくて速い仏血統をほとんど持たないのもその理由で、菊花賞勝ちの理由を仏血統に求める手もあるかと。(Sweet Lavendarの速さがオフになる)

エアロヴェロシティTom Foolは父系にあるので糧とされる割合が大きく、Sir TristramのPrincequillo表現が表に出やすい。このPrincequilloはおそらく世界最速のPrincequilloで、柔らかな俊敏をよく伝える。けれどTom Foolとの関わりもあってDrone的なパワー機動もオンとなる。


Droneってのも存外馬群を嫌うところがあって、例えばホッコータルマエなんかも馬群を割る様な競馬はしなかった。競馬ぶりの重たい血統なので溜めが効かないところがあり、早めに前を開けてズンドコズンドコしていることが多い。

El Pradoダンシングブレーヴもそういった傾向がある。Haloの関わりがあっても軽やかには動かない。

その点でディープインパクト×Tom Foolも上級産駒は馬群を割れない。やはり前が開いてから展開する終いが本質で、母父ディープやレイデオロにも見られる傾向かもしれない。


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