メイショウサムソンの07年以前にその傾向は見られない。だが「4分の1サンデー」の配合においてはオルフェーヴル=ドリームジャーニー全兄弟以外が全てBold Ruler持ちだ。
更にオルフェとドリジャニの買ったレースの上位は以下の通りである。
1着オルフェーヴル
2着ショウナンマイティ(マンハッタンカフェ×Storm Cat)
3着エイシンフラッシュ(非サンデー、母系にBold Ruler)
1着ドリームジャーニー
2着ディープスカイ(アグネスタキオン×Chief's Crown)
3着カワカミプリンセス(非サンデー、母父Seattle Slew)
どちらも2着が「4分の1サンデー」「母父の母父Secretariat」「父母間Bold Rulerクロス」。3着は母系にBold rulerを引く非サンデー配合だった。
Bold Rulerの恋人
ステマの賢兄賢弟去りし後、これらの2着であった配合形が猛威を奮っている・・・わけではない。ディープインパクトという対Bold Rulerに優れた種牡馬が圧倒的な成績を誇っている。キタサンブラックを思えばブラックタイドにもその優秀が備わっているようだ。この傾向を助けるのはSir Ivorの存在だと考えられる。昨年の結果が実にえげつない。
1着キタサンブラック(ブラックタイド・ジャッジアンジェルーチ)
2着ステファノス(ディープインパクト×クロフネ)
3着ヤマカツエース(キングカメハメハ・非サンデー・母系にBold Ruler)
4着マカヒキ(ディープインパクト×フレンチデピュティ)
5着アンビシャス(ディープインパクト×エルコンドルパサー)
6着サトノクラウン(母Sir Ivorクロス)
7着ミッキーロケット(キングカメハメハ・非サンデー・Cozzene)
8着モンドインテロ(ディープインパクト)
9着アングライフェン(ステイゴールド・Habitat)
10着ディサイファ(ディープインパクト・父母間Sir Ivorクロス)
11着スズカデヴィアス(キングカメハメハ×サンデーサイレンス×Seattle Slew)
12着マルターズアポジー(非サンデー・4分の3Secretariat)
13着サクラアンプルール(キングカメハメハ×サンデーサイレンス)
14着ロードヴァンドール(ダイワメジャー×Storm Cat)
※青文字=ディープブラタイ、赤文字=Bold Ruler血脈、緑文字=Sir Gaylord血脈
Bold Ruler持ちの多いレースであったが掲示板中4頭が「ディープインパクト=ブラックタイド×Bold ruler」で占められ、エイシンフラッシュやカワカミプリンセスの様に非サンデーのBold Rulerが3着に滑り込んだ。
キンカメ産駒の場合はサンデーを持たない方が戦績が良く、特にキンカメサンデーが馬券に絡んでいない。ローズキングダムやラブリーデイなどの例しかないが、いずれも4着までだった。
また3着を除けば6着までがSir Ivor持ちであり、7着~10着がSir Gaylord持ちだった。3着のヤマカツエースが非常な存在であることに間違いはないが、大阪杯が「Sir Gaylordでなくば」の世界であることを実証した面白い年だったろう。
ヤマカツエースの弱み強み
キングカメハメハは非Hail to Reasonにして親Hail to Reasonの血統である。その傾向はルーラーシップとロードカナロアにも受け継がれおり、二頭ともHail to Reasonクロスの母から活躍馬を輩出した。いや、この2頭は化物みたいな例外であって、その点ではドゥラメンテよりもずっとルーラーシップは化物なのよね。
して、ヤマカツエースは多分にもれず母の父系がHail to Reasonである。だがRoberto系のグラスワンダーが母の父であり、加えて母自身は「Northern Dancer4×5*6」かつ「Vice Regent=ヴァイスリーガル4*5」
つまり「4分の1Vice Regent=ヴァイスリーガル3×4」という独自性があり、キンカメ産駒にしては特徴のある配合をしている。キンカメって母親の色を活かすけれども、母親が単独で色を出そうとすると怒り狂う面倒くさい男なのだけれどもね。
これはVice Regent=ヴァイスリーガルがNorthern Dancer直仔であることが大きい。あくまでもキンカメの領分で独自性を出しているので。だからこそ小さくまとまっているのだが、キンカメ父ちゃんの庭は広い。
キンカメ父ちゃんの箱庭から抜け出す方法は一つ。「非Northern Dancerかつ親Northern Dancer」による4分の1を取ることだ。ルーラーシップのトニービン、ロードカナロアのサラトガデューがそれに当たる。(つまりHyperionとNasrullah≒Royal Chagerの組み合わせであればいいわけね。Lady Jororが関わるとポイントが高い。)
ヤマカツエースは箱庭の中にあるが、それでもG1を勝てることをラブリーデイが証明した。そしてこの2頭の配合はほぼ同格とみられる。ただヤマカツは表現がニッチ過ぎてG1を勝てないだろうねぇ。
G1を二つ勝ったラブリーデイと同格に見る理由は一つ。母母イクセプトフォーワンダによる「4分の1Vice Regent=ヴァイスリーガル」というのは上と同じだが、もう一つある。Miesque≒AmerifloraによってDanzigの取り込みを成功させたことである。
文章が長くなったし、色とかつけたのでエディタが重い。
[続く]