ラッキーライラックへ向ける素直な思い

出走予定馬の血統を眺めているが、なんかこう、しっくりこない。

ラッキーライラックとオルフェーヴル

チューリップ賞は素早いゲートからグッと控えて、直線半ばから先頭に立ち、そのまま後続を寄せつかなかった。ルドルフ以来の「強い先行馬」らしい競馬。

オルフェ自身は「ノーザンテースト4×3」で、この影響を強く伝える血統構成。特にHamoaze血脈らしい突進力を伝えている様子があり、Victoria ParkとPrincely Giftの速さが基本骨子。

これをオンにすべくAlicide≒AureoleやAlycidon≒Aureole≒ハイハットがよく働く。Vaguely Nobleを引くとBahramを引くこととなり、これがFriar's Daughterの息子である。

Friar's DaughterはCosmic Songの一家にあり、その中でもConcertinaの枝葉からはPlucky Lieageが著名。Friar's DaughterもConcertinaの一家で、Sir Gallahad＝Bull Dogの緊張が強いオルフェーヴルにおいて有効な血脈と言えるだろう。

一言で表せば、「オルフェ×Vaguely Nobleはキタサンブラック風味」である。Victoria Parkクロス（ノーザンテーストクロスに内包される）・Princely Gift・Friar's Daughterクロスというのは、おおよそ、キタサンブラックが持つ仕組みだ。

オルフェーヴルとPocahontas

ConcertinaとHamoazeの突進力とはつまるところRomanである。そしてオルフェーヴルは非Princequilloの種牡馬だ。

Princequilloの血は世に広く分布しており、現代日本には欠かせない要素である。なのでオルフェーヴル産駒の配合においてPrincequilloの取り込みは最重要課題。今現在、最も有力なPrincequilloはRomanを抱えたPocahontasである。

だがAlzaoといった非RibotのPocahontas血脈は少ない。大体はTom Rolfeを経由するのでRibotとの付き合いが強制される。だがこれはBold Rulerによって処理が可能であるし、ノーザンテーストとの相性も良い。

オルフェーヴルとBold Ruler

オリエンタルアートはMy BabuやUmidwarを抱えるのでRaja Babaに近い仕組みを作りやすくある。またDynamoの一家からはBold Commander・ステューペンダスらのBold Ruler産駒が出ており、Cherokee Rose（Royal Rose産駒の方）の一家からはStorm Catが。

更に続けるとRosie o'Grady一家からはIntentが出ていて、Intent・Raja baba・サンデーの組み合わせにはアグネスタキオンがある。オルフェーヴルがBold Rulerを迎えることは、Dynamoとして自然なことだろう。

自然、とても自然なことだ。

オルフェーヴルとNative Dancer

Bold Rulerを迎え入れたのであるから、Dicoveryを介してNative Dancerと迎合することもやはり当然。「Nasrullah×Count Fleet」としてのMr. Prospecctorではなく、「Native Dancer×Blue Larkspur」としてのMr. Prospectorを取り入れていると考えるべきだろう。

この傾向はDanzig産駒によく見られたもので、Lady Angela弄りのNorthern Dancerにおいては常道というべき流れだ。この点でオルフェーヴルはノーザンテーストの傾向をよく受け継いでいると考えられる。