だが今時期の牝馬に東京2000mはやや厳しい条件。それだけにドスロー傾向であり、ド瞬発戦となることがほとんどだ。ワークフォースで三浦皇成が逃げたり、ブライアンズタイムで柴田大知が逃げたりして消耗戦となることもある。それでもノーマークの逃げなのでラップが汚れることはない。
つまり勝つのは現段階で強い馬に間違いなく、東京への適性をきちんと試すレースになる。ドスローであっても外回り適性を要求してくるし、その点で予想の難しさを感じない。
適性の担保
現段階で中距離としての質をオンとするには独自性が重要であるようだ。モズカッチャン~母Mr. Prospector3×4
チェッキーノ~母Montparnasse≒Forli4×3
シングウィズジョイ~母Roberto3×4
サングレアル~母Foreseer×Sir Gaylord:2×3
デニムアンドルビー~母Nureyev4×2
ミッドサマーフェア~母Mr. Prospector2×4かつNorthern Dancer4×4・5
バウンシーチューン~自身ノーザンテースト4×3
サンテミリオン~母Mill Reef3×3
クロスされた血統によって父や異系がどう働くかが重要だ。なので「Nashua≒Nantallahの独自性でオッケー!」という話ではない。だが基本はサンデーサイレンスへの流れ込みだなぁ。非サンデーだからこそミッサマやモズカッはMr. Prospectorクロスで中距離適性をオンにしたとも言える
しかしミッドサマーフェアは後にマイル適性がオンになっていて、これは母父Kingmamboの影響が大きい様子。タニノギムレット×Kingmamboで「4分の3Graustark」でもある。またストームソングによる「4分の1Storm Bird≒The Minstrel2×3」。
好配合といえば好配合であるが、この年の勝ち時計は2分02秒0というドドスローレースだった。これは完全良馬場のフローラSでは最遅であって、しかも13秒台に飛び込む中だるみからの3F瞬発戦。流石にこれはマイラー寄りの展開だろう。
例外と言えば例外。予想に絡める必要はないにしても、東京二千の牝馬限定重賞にありえる展開だ。
勝ちきれない好配合たち
1着馬は緊張と緩和の鬼というべきものばかりで、この類の馬たちはほとんど勝ちを逃さない。加えて、鬼でなくとも秀逸であれば2着3着へ滑り込んでくる始末だ。それに対抗するのはヤマカツグレースなどの「4分の4Northern Dancer組」。これはごく自然な流れだろう。
つまり緊張と緩和ってのは下地がマストであって、下地というのは4分の4で構成されるべきものだ。Mumtaz Mahal・Nearco・Hyperion・Dominoといった名血統の4分の4があるからこその独自色である。
オルフェーヴルが何でもかんでもノーザンテースト4×3を伝えることはないのだ。
なので「4分の4Northern Dancer」による下地作りから表現を図ることも間違いではなく、そこから多少なりの表現を交えてくる。ヤマカツグレースはDanehill≒Ameriflora3×3だ。
深く探ると「4分の4Nasrullah」や「4分の4Royal Chager」ありそうだが、そこまでやるのは面倒くさい。とりあえず「4分の4」は見逃せないのだ。
有利と不利
サンデーサイレンス(5勝)が強いのは当然として、1勝の横一線のなかで2勝をあげたのはゼンノロブロイとマンハッタンカフェの2頭だけ。非Northern Dancerのサンデー直仔種牡馬が有利だろう。(距離の不利がありながらフジキセキも1勝をあげている)キンカメは1-0-1-0-1-8という散々な数字。だが母がNorthern Dancerを持たないパターンは気をつけたい。
1勝以上した種牡馬においてはディープインパクトの勝率がやばい。キンカメが9.1%でディープが6.7%。日本を代表する名種牡馬2頭が惨敗するレースである。
最後に
以上のことから以下の馬で決着するのではないかと想像されるウスベニノキミ
サトノワルキューレ
デュッセルドルフ
ラブラブラブ
ハイヒール
ヴェロニカグレース
ディアジラソル
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