砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

春天予想

頭がすっからかんのまま予想を書くってのもフローラSと同じで、データに頼ると頭の硬さに拍車がかかってがんじがらめになってしまう。

しかし予想の制度をこれより上げるならばTARGETのフル活用は必須で、まぁ今までずいぶんと春天を浅いところで予想していたのだと実感した。毎年少しずつ積み重ねていくしかない。

予想印

◎クリンチャー
シュヴァルグラン
△ソールインパク

クリンチャー

RobertoへTudor Minstrelを注入し、なおかつEight Thirtyクロスした「サンデーサイレンス×ブライアンズタイム」。

相似配合として皐月賞から褒めていた馬にしては菊花賞で買っていないという。賛美するタイミングと買うタイミングを逃したために、書き殴るタイミングも逃してしまっている。けれど称えるための理屈はあるし、あとはどこで、賛美し、馬券を書い、散々に書き尽くす、かが問題だった。

本命を打った皐月賞から1年が経った。ここらでもう一発本命!打ってみよう。

シュヴァルグラン

ハーツクライトニービンとしての難しさ≒強さを受け継いでいるのは「非Blue LarkspurとしてのHyperion血脈」を徹底して伝えるためで、アイリッシュダンスのこの特性はサンデーサイレンスを利用した強い遺伝だ。

だからハーツクライで下るにはHaloかMy Bupersをクロスできる非Hyperion血脈を連れてくるのがベターだろう。あるいはDamascusとPromised Landを頼ってウインバリアシオンを作る。それでもステゴやディープにゃ敵わないのだが。

ハルーワスウィートは、あくまで俺の理屈であるが、サンデー系ばっかりつける理由がよく分からない。これってセカンドベストの配合であって、これだけ脈絡の強いHalo3×4はアウトしたほうが良いだろう。ハービンジャーハービンジャー!一撃必殺のHasili≒ハルーワソング3×2が見たいぜ!

そのくらいにやりすぎた方がハーツクライは下れると思うのだが、競馬ぶりの通り圧倒する様な馬には出ない。コソコソ立ち回ってヌルリと差すしかない。ジャパンカップはボウマンが上手く乗って勝負の際に潜り込ませただけで、素質の勝利ではない。あれはエピファネイアの時のスミヨンくらいには神がかった騎乗だったろう。

言っちゃ悪いが、福永祐一騎手で素質フル全開ファイヤーで勝てる馬でもない。人馬共に失礼を働いたが、ジャスタウェイほどじゃないと思うなぁ。

それでも神騎乗込みでキタサンブラックを下せるくらいの素質を持っている。勝ち切りまで見るんが正しいだろうし、三浦皇成にボウマン破りを期待する今回の馬券は結構な大穴である。

ソールインパク

貶したくせに福永祐一を買うというダブルスタンダード馬券だ。

Exchange Rateって血統は割とうんざりするくらいには悪形であり、これが母父に据えられたディープを春天で、3着予想とはいえ、買うのもやはり大穴的である。

Danzigさん、Mr. Prospectorって嫌いじゃないでしょ?」
Buckpasserも嫌いでなかったよね~」
Bold Ruler×Princequilloにも実績あったもんね!」
「ついでにNijinskyもつけちゃおうかな!Blue Larkspurが強いけど一人で頑張れるよね!」

断れない男Danzigへ13連勤を強要したかの様な配合で、これを許容したDanzigはやはり名種牡馬かつ名血統。北米ホースマンは鬼か悪魔かデーモン閣下か。

ノーザンファームは何故かこの血統馬を買い込んでいて、重賞勝ち馬シーカーマもオークス2着馬アーマインも大失敗なのだが、なんてことないクリームオンリーが一番成功したという血統の面白さ。配合からしてもクリームオンリーが一番だからねぇ・・・。

サンデーへのPromised LandクロスをしつつもTime for a Changeを持ってきたってのはウインバリアシオンと同じで、Northern DancerDanzigといった親Blue LarkspurによるHail to Reasonニアリーの安定も同じやりかた。

これはPompey=Laughing Queen軸としてはかなり秀逸なアプローチであり、春天がベストではないけれど3着くらいの一発はあっていい。サンデーサイレンスってのは親Native Dancerであり、それはつまり親Pompey=Laughing Queenということでもある。(サンデーはPompey=Laughing Queenもアウトしている)

だからディープスカイみたいな「4分の3Bold Ruler、4分の1サンデー」もオッケーだし、「4分の1サンデー」ってのは究極的に「4分の3Pompey=Laughing Queen」を取るものだ。もっと言えばサンデー直仔種牡馬はほとんどPompey=Laughing Queenを抱える。

ビートブラック

例外はあるさ。ミスキャストとか。ビートブラックは「16分の1General Assembly:Bold Ruler×Native Dancer=2×2」という強烈なPompey血脈の緊張と緩和で成り立っているのでね。インワンズジョイはNative Dancer5×4なのだけれども、この表現の強さは半端じゃない。

Pompeyくらいの名血統になると「あって当然」だ。けれどそれを引かない状態ってのは欠損に等しくて、薄い脈絡を緊張と緩和のリズムで成立させただけでオンになってしまう。

ミスキャストは5代アウト。アラームコールは4代アウト。ビートブラック自身はHail to Reason4×4。アウトブリード同士の配合ってのは想像よりずっと遠いところから本質を持ってくるもんで、それが名血統であるほどに遺伝は強く、素質は高度なものとなる。

零細血統に良くあることである。だが流行系の配合でもそういうことはあるのよねぇ。

ソールインパクトその2

ミスキャスト-ビートブラックといった超例外はともかくとして、サンデー系のほとんどはPompey=Laughing Queenの血を持つことは使命である。本馬はそれを存分に果たした配合形と言えるだろう。

だがそれは中距離馬の範囲からは逃れていない。適性を春天まで引き上げるにはIn Realityが不可欠だった。

リアルシャダイ理論

淀の長丁場と言えばリアルシャダイってなくらいには強い。なんでそんなに強いのかって話だ。

Robertoのステイヤーぶりが理由ではある。しかしそれを引き出すのにDesert Vixenは常に暗躍していたし、その活動の実態は「Roberto父ちゃんとNorthern Dancerを結びつけよう」というキューピット的なものだった。

ていうかリアルシャダイ自身がHalo的な組み合わせでスタミナたっぷりという反則的な馬で、「Northern Dancer+P=LQ」の接収がライフワークというサンデーサイレンスに似た特徴も持っていた。

言わば「長丁場のサンデーサイレンス」である。最高級産駒のライスシャワーは何をやっても京都長距離じゃ負けようがなかった。黒い刺客の正体は皇帝陛下で、むしろ春天の舞台ではメジロマックイーンの方が挑戦者然としていたろう。

ここにIn Realityの切り口があり、クリームオンリーがくそったれなExchange Rate肌として最も成功した理由もある。

最後に

Exchange Rateの本質ってのはラムタラ的な運用が肝で、母系のNorthern Dancerが一代遠い分だけ父母間クロスの可能性を残している。Exchange RateはNorthern Dancer2×5、ラムタラは2×4。

War Relic=Speed BoatWar AdmiralによるHaloの機動力オンってのはDamascus持ちサンデー直系馬の嗜み。キズナとてその影響からは逃れられなかった。だからこそ京都でスピードを乗せられたし、4角でアホみたいに飛んでいくこともなかった。

外から差す分には苦労は少ない。問題はガンコを捉えられるかどうかであるが、この馬を京都向きとは思わない。日経賞はあまりにもハマりすぎで、春天を勝ち負けするなら最後に息切れして止まる。

ねじ伏せるガンコに対して、福永の伏兵騎乗がどう出るか・・・。


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