ルメールはリードと同じ競馬をタワーオブロンドンでやろうとしていたのかもしれない。馬場に対しての考え方がおおよそ同じであるのかもしれず、すると今年も似たような展開と馬場であると読んでよさそう。
母Pilate持ちは圧巻の数字
PilateはGood ExampleとEight Thirtyを出した種牡馬だ。War RelicやWar Admiralと関わりの強い血統構成をしているが、Honoraの血を引くことが大きく違う。またThe Tetrarchを引く点もユニークである。して、これを母系に引く産駒は非常に成績が悪い。回収率を思えば積極的に買おうと思わないくらいには、ひどい。
だが逆の見方をすると、これほど安定した血統もない。実績のある中距離馬ならほぼ確実に馬券に絡むのだ。それも「重賞勝ちで素質豊かな競争馬」なんて当たり障りがなくて、幅の広い話ではない。「G1勝ち負け級」だけでいい。
ホエールキャプチャ・アパパネ・ショウナンパンドラ・ミッキークイーンなどのレベルにある馬なら大抵は買っておいていいだろう。
ただし、完成した後に買うことは微妙である。Eight ThirtyやGood Exampleの入る配合はマイル適応の時期が短い。4歳馬に本命を打つには適したデータであるが、5歳以降ともなると実績馬をヒモで拾う程度である。(それもホエールキャプチャやショウナンパンドラといったレベル)
父Pilate持ちは安定の数字
母にPilateを持つと基本的には人気しか信頼できない。だが父にPilateを持つ場合は穴馬も来る。適性による好走というだけに、実に、判断が難しい。そりゃこれだけで考えようとしたら難しいに決まっているが、重賞経験もなかったショウナンラノビアが突っ込んできたりする。そんなのは血統で徹底的に洗うしかない。
今の所、走っているのは4血統だけだ。フジキセキ・クロフネ・フレンチデピュティ・タニノギムレット。もちろん、これらをベタ買いすれば良いということもない。フジキセキなんてのはコイウタ・エイジアンウインズ・ストレイトガールの3頭しか走っていない。そして彼女らはみなヴィクトリアマイルの覇者である。
あくまで一つの条件であって、掘り下げる必要がまだまだある。エテルナミノルを拾えられると面白いが・・・。
母Relic持ちは平凡の数値
このパターンで注意したいのはLa Troienneとの絡みだ。ストレイトガールとウオッカを筆頭によく走る馬を出しているRelicであるが、凡走も非常に多い。人気馬をよく飛ばす血統だ。(それでも単回収80は保つ)アパパネもこれで括れるだけに難しいところはあるのだが、母にPilateを持たないストレイトガールが二連覇かつ3年連続馬券圏内である。併せて活用できそう。Relicは経年のマイル適性劣化があまり見られない。
なので、やはり、5歳6歳の常連組が一発駆けすることもない。例年通りに走って、上向くか下向くか。
このデータにおいては中距離馬が信頼しづらい。如何にRelicによる短距離馬を輩出するかが鍵であるが・・・名牝の域にある馬ってのは本当に厄介だわ。ウオッカは本当に扱いづらい。強すぎて。ダービー・秋天・JC・安田・VMを勝っています、ってのは異常。
ウオッカにとって毎日王冠ってなんだったんだろうなぁ。勝つための逃げだったのか、整えるための逃げだったのか、それとも具合を診ていたのか。
父Relic持ちは成り立たぬデータ
昨年までタニノギムレット・メイショウサムソン・ホワイトマズル・ネオユニヴァース・Cozzene・ゴールデンフェザントらの種牡馬がヴィクトリアマイルへ産駒を送り出している。勝ったのはウオッカの一頭だけで、他にニシノブルームーンがある安定のタニノギムレット。この2頭はともに非サンデーである。
昨年に2着したデンコウアンジュがメイショウサムソン産駒。デンコウアンジュとウオッカは父母間Relicクロスである。
父母間Relicクロスはこの2頭の他にヤマニンアラバスタがあり、これはフォルティノ3×4。フォルティノにはRelicが含まれる。
データとして活用するのであれば父母間のRelicクロスを考えるべきだろう。今年の出走馬だとソウルスターリングが父母間Relicクロスであるが、中距離馬は信頼しづらいのがRelicである。
中距離のRelicは溜めが効くスロー巧者であることが多く、それはウオッカにも見られる傾向だ。特にサンデーサイレンスが関わるとHalo+Hyperionの競馬がオンになりやすくあり、前受け出来てスローでもしっかり伸びるタイプに出やすい。
だけれどそれの届かない舞台がヴィクトリアマイルだ。Relicじゃ固すぎる。せめてEight Thirty≒Good Example。
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