砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

POG2018~2019 5位バベルノトウ

http://www.jbis.or.jp/horse/0001216421/pedigree/

プレイヤーハウス(父オペラハウス・3勝)、プレイヤーサムソン(父メイショウサムソン・1勝)、ラブラブラブ(父オルフェーヴル・1勝)の弟。タートルボウル産駒。

4位指名のラヴィッスマンと同じく「オルフェで勝ち馬を出したんだからクインズプレイヤーは良い繁殖ではないか」という考え方。フローラSでラブラブラブを酷評した際に目をつけていた。

5代母Lavantから枝分かれした先にはキャッチータイトルがある血統で、メジャーエンブレムとは遠縁にあたる。安定した牝系ではないが一発はありそう。

ヴェンチアクロス

タートルボウルの配合においてはHabitatとNihgt Shiftを弄るパターンがベターで、母系にNureyevを引くとシンプルイズベスト。Dyhim Diamondが「Northern Dancer・Flares・NasrullahHyperion・Gold Bridge・Fair Trial」の組み合わせなのでNureyevとニアリーの関係にある。

少し違った攻め方にはヴェンチアクロスがある。この傍系の血を共通項として緊張と緩和を成立させたのが本馬である。

自然と伝わる4×4

母クインズプレイヤーはファバージ4×4かつPrincely Gift5×5*5。これを弄る形となるメイショウサムソンオルフェーヴルとの配合は褒める手がなく、完全アウトとしたプレイヤーハウスが出世頭であるのは自然。

完全アウト、そして緊張と緩和としてのNorthern Dancerクロス・High Top=Camden Town全兄弟クロスを図ったプレイヤーハウスであるが、これでも3勝に留まった。重賞級を出すには更に上の表現が望まれる。

ヴェンチアクロスで一つ上へ行ったが、更に。

最適化として4分の4を

Princely Giftの遺伝をより素晴らしいものとするならば、Umidwarを使いたい。デンコウアンジュゴールドシップの配合で大きな影響を及ぼしたこの血を頼りたい。

「4分の4Umidwar」なんてのも洒落ているが、High Top=Cameden TownにFair Trialが含まれるのだから、その母Ugandaで共通させる方が褒めやすい。

Ugandaの直孫にFair Trial直仔のPalestineがあり、これはUmidwarの全姉Udaipur(ヒンドスタンの2代母)ではなくTetratema直仔のUnaを母とする。これを含めた「4分の4Uganda」がこの配合における理想像だろう。

Rustom Pasha過多

Abernantといった血統が多く見られ、近年の配合ではそう見られないほどRustom Pashaが多い。この類のSon-in-Lawを多く抱える馬は内ラチを頼る傾向があり、Aureoleを軽く伝えるタートルボウルの遺伝を含めると競馬ぶりは非常に極端か。

だがHigh Top=Cameden Town(Abernantを含む)を構成する兄2頭はまくり競馬に対応した。嶋田オーナーらしいSadler's Wells的な表現とも言えるが、この観点からの決めつけは難しいかも。

ただ父マイラーで母スプリンターの配合なので先行してなんぼだろう。トウカイテイオーカツラギエースなのだから、そりゃ先行だろうねぇ・・・。

字面のロマン

現代の主流血脈に頼らず、異系と言うべき血統を重ねた配合だ。ウイニングポストかと。

「リアルウイニングポスト」と畏敬を向けられる金子オーナーには敵わないが、嶋田賢オーナーの引きは絶賛されるべきもの。社台を頼らずに、ほぼ自己所有の繁殖牝馬で好配合を作り上げる手腕は十分に「リアルウイニングポスト」。

すんごい配合なのだわ。表現は分からないけれども、種牡馬となっても不思議じゃない様な、すんごい配合。ホエールキャプチャディーマジェスティに匹敵する。配合だけは。

・・・でもやっぱりNureyevを使ったほうがシンプルに褒めやすいよねぇ。オルフェへのSpecial導入を素直に褒めやしないのに、タートルボウルはNureyevが格好いいと思う勝手よ。


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