キンショーユキヒメ
「4分の4Turn-to」軸の相似配合。Princely Giftなスタミナ頑強。Princely Giftはスタミナ的なストライドをバネの様に伸縮させる血統で、登りと下りの両面で旨味がある。じったりとしんどい流れを好み、瞬発力勝負では劣りやすい。
Umidwar血脈を多く抱える様な配合で表現されやすく、メイショウサムソン産駒はこういう脚質で成功する。ゴールドシップに見られる様なロングスパートは苦手で、Sadler's Wellsらしい3Fスパートが切り札だ。
サーブルオール
入り乱れる「4分の3」。重賞級ハービンジャー。4分の4Northern Dancerであるからシンプルな表現。いとこのディアドラほど器は大きくはないが、G3を勝つくらいの仕事が出来る配合。
Native Dancerに対するアウトが見られないので基本はジリ脚。パワーに秀でた配合でもないので前走は相手なりによく走っているか。
競馬ぶりは極端。ハービンジャー×サンデーの通りに馬群は嫌い。ここは大きなチャンスであるが、トニービンはこの配合において深い傷かもしれない。
シルクドリーマー
全盛期でなくともそこそこ。Bold RulerとHyperionの共演。母が「Bold Ruler×Princequillo」のクロスを持ち、Hyperionが希薄の状態。父タニノギムレットはHyperion血統でも一大派閥を誇るGraustarkを3×4で持ち、この濃度は自然に伝わる類のものだ。
Graustarkを軸として表現がされている中長距離馬で、距離適性はタップダンスシチーと似ている。Roberto直系として先手を撮る競馬が好ましいが、少頭数ならばまくりも視野に。
仏血統としての柔さもタニノギムレットから受け継いでいる。東京中長距離と札幌中長距離で結果を出しているのは納得で、福島中距離で使う脚もあるだろう。
バーディーイーグル
傍系の相似配合。Seeking the Goldのワンペース。斬れに乏しい表現であるから逃げ先行ベター。しかしMr. Prospectorの影響からパワー傾向で、芝を先行する速さに乏しい。
距離がもう少し伸びると違うかもしれないが、中距離では差しの一手。前崩れからロスなく運んで3着を狙う。
プラチナムバレット
マンカフェの濃厚Lyphard。Promised Land斬れで外下りベター。マンハッタンカフェはNorthern Dancerの突進力をよく表す種牡馬だ。
差しには捌きの要素が混じるが、突き進む表現は捌くのが下手である。進路変更を最小限とする展開が好ましく、大外に出すか、先行するかの2択。
加えてPromised Landの柔さが強いので姉と同じ様に京都外回りがベストパフォ。柔らかく流れ込み、前に馬を置かず直線へ向くのが理想だ。
状態がどうであれ、本調子であっても福島2000mは難しい条件だ。後方からまくる一手だろう。
マイネルミラノ
高齢Roberto&Hyperion。最強を示すタイミングの難しい鈍足。Robertoの表現が強い逃げ先行マイネル。加えてA級のステイゴールド産駒であるから函館や中山が得意条件だ。
福島も得意であるが8歳という馬齢はやや難しい。双頭逃げで気持ちを切らさずに凌ぐ内容が好ましいが、破滅的な逃げに付き合ってくれる相棒はいないだろう。
この乗り替わりは鞍上弱化の向きがあるかもしれない。田辺は火を入れる騎手ではないから。
パワーポケット
Swapsパワーのゴリ押し。芝スピード微妙。タマモクロスはSwapsのパワーを伝えやすい。このパワーはHyperionからも説明が出来るのだが、War Admiralのことももちろんある。
父エンパイアメーカーがIn Reality4×3で、母系にはEight Thirtyも見られる。こことの脈絡があるのでSwapsのダート向きパワーがよく発現されているのだろう。
このパワーはHail to Reasonにしか日本芝へ転化出来ない。成功例としてはフェアリードール一家・グラスワンダー・Glorious Song一家などが挙げられる。(グラスワンダーとGlorious Songは親族であるが、別個に書いておく。)
メドウラーク
小技なしの正統派配合。Ribotでどんどこ登りたい。Native Dancerのアウトを代々で取る配合。日本向きの斬れ味は非Native Dancerに支えられているので、まこと正しい累代である。ノーザンファームの素晴らしさよ。
ただクロフネには受け止められないほどのHyperionを供給している。近い代に速い血統もなく、分かりやすくズブい本格化を遂げたようだ。フェアリードール一家として前のめりの競馬が似合う表現でもある。
福島は面白い条件でもあり、こうして競馬をやめがちなRobertoは一変がありえる。丸田恭介はRobertoが得意なわけではないが、「Hyperionを振り絞る」タイプの騎手ではある。
レイホーロマンス
Roberto≒Fairy Bridgeで競馬巧者。内外兼用だけれど外ベター。ハービンジャー×サンデーサイレンスはRoberto気性(馬群嫌い)を表現しがちである。だがこうしてFairy Bridge(=Sadler's Wells)やSeattle Slewを絡めると趣が異なる。好位に沈めた方がパフォーマンスは高いはず。
ただ流れ込むタイプなので小回りでは勝ち切れない。パフォーマンスは確かなものがあるにせよ、牡馬を相手に通用する作戦でもないだろう。
マイネルサージュ
柔らかいAlydar。スタミナでまくる中距離馬。Alydarは「Nasrullah×Hyperion」血脈でもあり、同時にBull Leaの機動力も伝える。ハービンジャー×サンデーサイレンスのイメージそのままであるが、柔らかく持続力任せのまくりで勝負をするタイプ。
しかし母が非Northern Dancerであり、母父サンデーサイレンスによって「4分の1Native Dancer」も実行している。ハービンジャー産駒としては平凡な配合であるが、このくらいのレベルで争うならば十分ではある。
ただベストパフォーマンスは東京や阪神の外回り戦だろう。前受けが理由に崩れている馬であって、外回りで差しに回った方が競馬になるはず。
マイネルフロスト
忠実なサンデーLyphard表現。Roberto競馬もこなす。母のDanzig3×3へ意識が向く配合ではあるが、毎日杯やダービーの内容を見ても内ラチを頼った競馬がベストパフォーマンス。これは「サンデーサイレンス×Lyphard×Hyperion×Son-in-Law」の典型例。
母父グラスワンダーであるだけにまくりもこなすが、やはり他馬よりもロスを防ぐ様な競馬がハマりやすい。外枠からねじ伏せる様に運ぶと息切れして沈む・・・というのはキタサンブラックと同じ。
田辺裕信を土台とした二段ロケット戦法がハマるはずで、この枠は絶妙だ。
予想印
◎マイネルフロスト◯キンショーユキヒメ
△メドウラーク
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