砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

ロードカナロア・ザ・ワールド

配合を考える上で重要であることはたくさんあるけれど、最近はドリンクで考えている。
 
夏にはいつも三ツ矢サイダーを飲む。グラスだとすぐに冷めてしまうから氷を多めに入れる。けれどそれはサーモスなんかの真空断熱で解決されることで、たくさんの氷は必要がない。
けれど美しさ。液体・グラス・氷の全てが透明であることにこそ、夏の飲料としての素晴らしさがある。
 
けれど真空断熱のステンレスタンブラーの実用性を否定することも出来ない。見た目の美しさを上回るかどうかは分からないが、そういった条件があるのも事実だろう。例えば室温が40度を超えていていたら見た目なんて気にする余裕はないし、真空断熱の水筒で飲んでもよいくらいだ。
 
条件によって配合の良し悪しは決まる。だから以下の話もまた日本競馬という条件に準じたもので、透明な三ツ矢サイダーを理想とする話なのである。
 

Discoveryの話

アーモンドアイはサンデーサイレンスによる「4分の1非Discovery」で、ステルヴィオはサンデー直仔であるアズサユミによる「4分の1非Discovery」。
 
ロードカナロアが「8分の7Discovery」なので、産駒は「16分の7Discovery」以上の構成となる。ディープインパクトが1本しか引かないことを考えると、とても多い本数だ。
 
このDiscoveryはBold Ruler・Native Dancer・Intentらの母父。平たく言えば「流行系北米血脈」で、「成功したロードカナロア産駒は流行系北米血脈を4分の1アウトにしている」とも言い換えられる。
 
Northern Dancer、Mr. Prospector、Alydar、In Reality、Hasty Road、Bold Ruler、Traffic Judge、Icecapade・・・これらの血を使わずに4分の1を構成することが、ロードカナロアの要望であるらしい。
 

Tapitさんと比較しよう!

「Discovery拒否なんて言い草、北米のホースマンが発狂するじゃん!」と思うでしょう。俺はそう思った。
 
ところが現代の北米競馬はロードカナロアの「8分の7Discovery」を超える「8分の8Discovery」の種牡馬がリーディングの座にあるという。それが、はい、Tapitさんです。拍手。
 
Tapitの代表産駒はDiscoveryを以下のように扱っている。
 
クリエイター 「16分の9」「4分の1アウト」
Tapwrit 「16分の13」
Tonalist 「16分の9」「4分の1アウト」
Untapable 「16分の8」「4分の2アウト」
テスタマッタ 「16分の10」
 
やっていることは変わらない様子である。
 
北米ホースマン「知らなかったか、ぼうず。Roberto、Buckpasser、Damascus、Prince John、Crimson Satan、Rustom Pasha・・・。こいつらはな、こうして使うもんだぜ。」
 
血統マニア「・・・!」
 

したらサンデーサイレンスクロスって

血統マニアは新時代への準備を怠っていないつもりであるが、当然の様に新たな発見ばかりが出てくる。参ってしまうよ、血統マニア。
 
サンデーサイレンスが非Discoveryとしての役割を担い、またその作用の大きさ故に「8分の1サンデー」はイマイチなままだ。北米ホースマンのように「非Discovery」の構成を行えていないのである。
 
「8分の1サンデー」というのは、モーリスのような徹底したDiscovery血脈の選別を行わない限りは、「4分の1非Discovery」を要する。エピファネイアがそうだ。(4分の1Kris S.)
 
詳しく言うと、エピファネイアの母シーザリオが「4分の1サンデー」であり、本馬エピファネイアが「4分の1Kris S.」だ。この継続されたDiscoveryアウトこそが「8分の1サンデー」には必要だろう。
 
となると、その次の時代であるサンデーサイレンスクロス配合にも「4分の1非Discovery」が欲しい。違わないだろう。
 
ただ、これは「4分の1サンデー」と真っ向から張り合う場合の話だ。短距離や長距離で大物を輩出する際には加味する必要がない。あるいは、ハーツやディープ亡き後の中距離でも。
 
ロードカナロアが「8分の7Discovery」なのだ。最強の短距離馬はDiscoveryに頓着しない。
 
しかし、来年のPOGでは考えるべき話だろう。サンデークロスのエピファネイア産駒が「4分の1非Discovery」を構成していて、その「4分の1」がアズサユミに匹敵する内容であったとき。そりゃ血統マニアは喜んで指名します。
 
ダービー奪取を期待したドラフト1位を、その配合に送ります。
 
[fin]