砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

阪神JF予想

古馬重賞中京2000mというのは大変にそそられるが、来年の3歳もやっぱり大事。

桜花賞と同じ舞台で争われる2歳G1。半年も間が置かれないので繋がりは強く、連勝はアパパネやブエナビスタまで遡るものの、勝ち馬の好走は目立つ。

早熟なスピードの完成も大事であるが、素質そのものでねじ伏せる様なところもある。故障によって競争生活の華を失った馬も多く、ブエナビスタやウオッカの様な絶対の格を持つエースよりも「ガラスのエース」というタイプが狙い所。

「来年の高速東京で脚を壊してしまいそうなタイプ」とも言いかえられる。阪神外は起伏に乏しいだけに軽やかなイメージが先立つが、2歳馬にとってはパワフルな条件だろう。

 

La Troienneパワー

勝ち馬のほとんどがLa Troienneを持つ・・・というのは、そりゃそうだよって話で。この世にあるサラブレッドの9割ほどがこの血を抱えることだろう。

この血を経由したスピードこそが阪神JF的早熟要素であり、パワーの源。これを要求しない展開はレッドリヴェールの年に見られる持続戦に限るかと思う。ネオユニやバゴステゴ、ハーツ、ダイワメが差し込む様な展開だった。

スプリンターが若さでこなすんでは足りなくて、まくりを本質とする馬が若さで外回りをこなすような、そういうレースだった。ハープスターもレッドリヴェールも札幌を4角戦闘に突っ込む類の馬だったと、今にして思う。

本当に速いLa Troienneはスプリンターへ向かうし、Hyperion混じりのLa Troienneはメジャーエンブレムの様に格で勝ち切るしかない。一番の狙いどころは、平坦まくりの好配合だろう。

 

予想

◎クロノジェネシス

◯ウインゼノビア

△トロシュナ

 

クロノジェネシスの父であるバゴは、その父Nashwanによる包容力が大人気のナイスミドル。相手の繁殖は強いクロスを抱えるパターンが多い。

この種牡馬による「8分の1サンデー」はボリクリなんかとも同じ効果が期待出来るし、過去の産駒も「4分の3Discovery」の母を持つケースが目立つ。そうでなければ「父母間Blue Larkspurクロス」の繁殖を相手に「4分の3Blue Larkspur」を構成する。二段構えの何とも嫌らしい男である。

その両刀使いも、ようやっと「4分の3Discovery・4分の1Nashwan」かつ「4分の3Blue Larkspur・4分の1Nashwan」を構成出来るような時代となって嬉しかろう。ここらでビッグウィーク以来のG1勝利があっても良さそうだ。

ウインゼノビアは良い累代を踏んだ配合で、モーリスほどではないにしても、1600m適性は高めにある。

東京で踏ん張るのはフレンチデピュティらしいのだが、登りでさほど伸びなかったのが面白い。スクリーンヒーロー産駒全体で言うと、ダイナアクトレス由来の登坂能力が目立つ。それがないということはレディゴシップ由来のBold Rulerが表現されているのだろう。

平坦適性でこなした前走であるならば、東京組のほとんどがパフォーマンスを落としてもウインゼノビアは落とさないかもしれない。それならば2着まで粘ってほしいところ。

同じスクリーンヒーロー産駒でもトロシュナは典型的なタイプ。スローの新潟をぶった切ったのはTom Foolらしい素早さで、差し勢の一番はこれと見込む。

母スーヴェニアギフトはシュプリームギフト=ベステゲシェンク、ロワアブソリュー、デアレガーロを輩出する好繁殖だ。スプリントや小脚を伝える繁殖で、本馬も大変ビュッとしている。

3番手争いが人気勢含めて激戦となるならば、登坂能力の差だけダノンファンタジーやシェーングランツよりも上手だろう。枠からすればギリギリ勝負の内にいられると思うが、そこらへんは相手次第。

 

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