これは何に印を打つべきかっていう悩みがすごくあります。
ワーケアは柔らかいくせにBuckpasserっぽい馬でして、Danehill×Vaguely Nobleという母父の存在を感じさせる表現。
だからシーオブクラスとはかなーり違った表現でして、こっちはモズアスコットと同じ様な仕組みのMiswakiクロスで凱旋門賞を後方からかち割って差す様な馬ですから、そりゃ違って当然。
ただ胴体についてはRibot感満載。デビットジュニアとかと似た輪郭で父がハーツともなると、秋の本格化が楽しみになってしまう。
Nininski≒Caerleon2×2から2世代続けてPrincequilloをアウトとしただけあって、Ribotが表現されるのも納得ですし、父ディープの姉2頭のうち1頭、ダイアナブライトがダートを走るのも納得です。チェリーコレクトからニキーヤらしさを感じることも出来ますし。
コントレイルは皐月賞が強すぎる内容。この時期の中山2000mをあの様にぶちかますというのは、マイル適性が高いっぽい。
ディープやオルフェの様な三冠馬である可能性もありますけれど、2500mや3000mで「俺こそが最強なのだ」と証明する様な血統馬であるか。ロゴタイプやアルアインの様なタイプ、少なくともディーマジェスティの様なタイプに思えます。
ディープブリランテやロジャーバローズのような、ダービーでしっかりとハマってみせる中距離型の先行馬を捉えられない可能性はあると思います。
となるとサリオスがコントレイルを凌ぐ可能性が生じますが・・・。あの負けっぷりは微妙にドイツ的な弱みを感じさせる内容。
抜け出すまでのプロセスは超一流ですけれど、最後の粘りが足りない感じ。本物の持続戦を制するものを、意外とドイツは持ち合わせないものです。MonsunとかAureoleを抱えるくせに消耗戦では弱いんですよね~。
しかし肝心のエイシンフラッシュがダービー馬です。母父Monsunのソウルスターリングもオークス馬です。抜け出した後のことを考えなくても良いのであれば、サリオスは上手の存在と言えるでしょう。
もう馬体が馬体ですから。「ハーツクライだから~」なんて話が通用する馬ではありません。「馬群に潜る事ができる」という特性だけハーツっぽく伝えていればオッケーです。
あとはスローであることを祈るばかり。スローならばコントレイルとの一騎打ちなんて最高のものが見られそうです。「マイル適性のある超一流千八馬」と「超一流のドイツ血統馬」の一騎打ち。ダービーでこれを見られるなんて豪勢な話です。
けれど、そういう超一流が展開のアヤで敗れるのも豪勢な話でして、私はそっちの方が好きです。そもそも2400mなのですから、千八馬が最高のパフォーマンスでねじ伏せてもね。きちんと2000m超の適性を持った馬が最高のパフォーマンスで勝ちきって欲しい。
そこで候補に挙がる馬がきちんといるってのが今年の層の厚さを感じさせるところ。サトノフラッグが楽しみですな。
母父Not For SaleはSwaps3×4。これの影響を伝えなきゃ種牡馬としての価値がないっていう配合です。
Swapsったら後方からビュッと差し切る様な血で、Flower Bowlほど前向きでなく、英愛のHyperionに比べると軽快。消耗戦をねじ伏せるというよりも、消耗戦をぶった斬る、「君そんなに強かったのか」と思わせる血統です。
4代母La BambucaはBambuca2×2。3代母La BaracaはCourt Martial≒Masked Light3×3。2代母La BaladaはLyphard≒Mariache3×2。母バラダセールはNo Robbery≒Intriguing4×5。Son-in-Law的粘着力の権化という風。
これにディープの種ですから、まー、まともな馬には出やしないでしょう。母系に引くGamin(4代母の父)はTatan×Rusntom Pashaで、これはサトノダイヤモンドの4代母Talonadaと同じ組み合わせ。Nashua≒Nantallahを引かないのもサトノダイヤモンドと同じですから、適性はおそらく似通っているでしょう。
(正確に言えばサトノダイヤモンドの母マルペンサは非Flambette。バラダセールはNashua≒Nantallahを引きませんがFlambetteをDnacing Mossから引きます。)
NashuaやNantallahみたいな血は皐月賞の習いというべきでして、コントレイルなどは「4分の3Flambette・4分の1ウインドインハーヘア」「4分の3Almahmoud・4分の1Unbridled's Song」の皐月賞配合。
これに関して言えばドゥラメンテだってMr. Prospector×Nureyev×Nijinsky×Mountain Flower×ノーザンテーストなわけで、こういった血統のインブリードなしに皐月賞を制することは難しい。
皐月賞におけるマカヒキとサトノダイヤモンドの差は、マカヒキがNijinskyとDancing Mossを引いたことの差に近く、結果としてこの差はダービーまで引きずることになった、ということでしてね。
その代わりにサトノダイヤモンドは本格化して菊花賞をバカ勝ちしたし、登ったり下ったりの世界で、唯一、キタサンブラックを破ったディープインパクト産駒であるわけです。
キタサンブラックが「8分の1Halo・8分の7非Blue Larkspur」ならば、サトノダイヤモンドは「32分の1Edelweiss・32分の31非Flambette」です。絶対にFlambetteを頼らないことが定められた配合で、ディープから最高の登り下りを受け継ごうとするとこうなるのでしょう。(ジェンティルドンナも母ドナウブリーニが非FlambetteのDanzig直系)
だからサトノフラッグも登り下りに徹したディープ産駒と言えて、そういった箇所で負荷がかかり続ける展開の東京2400mは鬼でありましょう。
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