砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

クロフネが亡くなったということで

クロフネは種牡馬として偉大な結果をもたらしましたが、現役時に見せたインパクトに見合ったパフォーマンスであったかというと・・・。

血統表通りにしかRobertoな4角先頭力を伝えなかったというべきで、血が薄まるにつれてフレンチデピュティな切れ味に特化していくイメージもあります。

クロノジェネシスがRobertoかというと悩ましいところで、気性はそれっぽいとしても、宝塚記念や有馬記念の機動力はショウナンパンドラのオールカマーと大差あるのかという。

やや小回り内回りに寄るイメージはありますし、RobertoとHyperionのコラボレーションは感じられます。ただ、それを全面に出した種牡馬ではなかった。

しかし母系にRobertoを抱えることで、それっぽさを牝馬に伝え、更にその牝馬が傑出するという結果は驚くべきものだったと思います。

母系から自己主張するというのは名繁殖及び名フィリーサイアーの独擅場というべきですが、牡馬偏重の種牡馬でもそれが出来ることを示した。

 

クロフネの母ブルーアヴェニューは繁殖としても結果を出していて、ミスパスカリのラインが特筆モノ。しかしG1タイトルに手が届いてはいません。

「クロフネだけの一発屋」とブルーアヴェニューを評価することも出来るわけですが、その一発が時勢を捉えれば「種牡馬の父」ともなりえます。クロフネはそこまで届きませんでしたが、秀逸な遺伝によって種牡馬の祖父や曽祖父とはなりそうです。

アベレージを追えば「名繁殖による名種牡馬」が素晴らしいに違いないのですが、いつでも、どこでも、一発屋の遺伝が名繁殖や名種牡馬の手助けをしているのは歴史が示しています。

そして血が濃ゆくなるにつれて、この類の名種牡馬の価値はどんどん上がっていくことでしょう。

 

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