私はサラブレッドの血統を好みます。その入門は「血は水よりも濃し」を書いておられる望田潤氏のものでした。
2014年以降からブログをずーっと愛読しておりまして、そこから望田氏の師匠である笠慶次郎氏を知ったという形です。この方の金言・・・金言であるのに正しい文言を覚えていませんが「血統は馬体と擦り合わせて何が表現されているかを考えなくてはならない」みたいなものだったと思います。
私からすれば「それは血統論というよりパドック派の話ではないか」と思うわけですが、実際問題として血統論とはそういうものだと言えるでしょう。
あくまでも血統論はアシストツールであり、メインは実際の馬体です。であれば血統論より生産を行なうのは大間違いではないか。アシストツールとしての血統論は馬体という結果ありきのものなのです。
かといってそれも言い過ぎであり、血統を見なきゃ1×2のインブリードも行われかねません。(極端な事例)
いや、しかし、そういった問題を避ける意味以外に血統を見る理由はありましょうか?「この配合かっこいい!」とアマチュア目線で考えることを否定しませんが、プロフェッショナルとしての仕事として、「この配合は走る」と信じることは宗教に近いかもしれません。
あくまでも配合はデータありきで、「このニアリークロス持ち馬は48%の確率で勝ち上がっているんだ」という担保しかないのです。そのデータとて統計学上の担保は見込み難く、例えばSadler's Wells≒Nureyevというありきたりな4分の3同血ニアリーに関しては平々凡々のデータしか出ません。
ただ・・・「どうしてもダービーを勝ちたいんだ」というオーナーブリーダーなどには、過去のダービー馬の血統を精査することに意義はあるでしょう。強い馬を生産するということに関して血統は大きな役割を持たないかと思いますが、大まかな方向性・・・距離適性や馬場適性などを考える際には有用かと思います。
例えば「早い段階から動かせて、ユニコーンSを勝てる馬とかいいよね」なんて具体的な考えがあるならば、血統論は普通に役立つと思うのです。「手持ちの繁殖牝馬からより良い個体を出したいわ」という漠然とした考えにおいては、ほぼほぼ無意味でしょう。
多少の意味があるとすれば、古来より続く「インブリードの妙」。近親におけるボトムラインの流れに抗おうと思うならば、活路はインブリードばかりでしょう。
私は偏見が強いし頭も固い人間でしょう。
一方で権威や未知にはめっぽう弱い。特に「本」ってものは大概にして未知にして権威あるものですから、本を読むとめちゃくちゃ影響を受けます。
そんな私が読んでいるのは堀田茂氏の「サラブレッドの血筋」です。POGの大詰めにあたり、氏の著書を読んで、「こんなの名繁殖だけ指名すればいいじゃん」と思いました。
しかし重賞の傾向を把握してそれに沿った指名も一つかもしれず、というか、日本にそんなたくさんの名繁殖はおりませんし、正しく名繁殖と呼べるのはシーザリオくらいです。そのシーザリオも19年の産駒がおりません。私の夢は敗れました。
かといって今から重賞の傾向を把握するとかいう変態行為も難しい。4月下旬に私は追い込まれています。(マジでやばい)
とりあえずPOG本でも読んでコンセプト考えます・・・。
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