砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

2021年優駿牝馬回顧

アカイトリノムスメはあれが一杯の差し込み。それを上回ったユーバーレーベンは明らかにここじゃ格上だった、という内容でしょうか。

公式ラップは72.5-72.0でほぼイーブン。後方の馬がいい感じで流れ込んで前に張った馬は全滅でした。うーん、コレは確かにフロンテアクイーンとかデンコウアンジュとかの世界ですね。

 

ゴールドシップとメイショウサムソンの違いは2400mに対応する点がまず大きくて、これはPrincely Giftとしての純度が違うというべきでしょう。

ゴールドシップをステイヤーとすることはありませんが、距離的なスタミナを伝えるのはゴールドシップの方。これはオペラハウスとメジロマックイーンの差とも言えて、オペラハウスの方が王道で、王道である分だけインブリードの対象となりやすい。

対してメジロマックイーンというのは世界的な名血統を寄せ集めたメジロ血統の集大成で、日本競馬の中長距離~長距離を席巻した配合馬なわけですね。渋いインクロスにしかならないのがポイントで、Northern Dancerインクロスの様な王道にゃなりません。

 

オルフェもドリジャニもゴルシも、どうやってもハーツやディープみたいな王道オブ王道の種牡馬にゃなれなくて、勝負するには一発の大きさしかありません。オルフェは初年度からそれをわかりやすい数値で見せつけていて、「2勝すりゃG1勝ちの素質」なんてアホな話にすらなりました。

かといって、ラッキーライラックもエポカドーロもユーバーレーベンも由緒正しい名家の出身であるのは確かです。名家より秀逸を発掘した点でオルフェもゴルシも褒められるべきですが、名家を相手にしなけりゃ一発は出ないところはあるでしょう。

そりゃディープもハーツも名家より馬を出すわけなんですが、名家が名家足り得るのは名家同士の結びつきが繰り返されているからで、はっきり言ってオルフェもゴルシも平民出身ですから、身分違いの恋でG1を勝つしかありません。

名家の血を途絶えさせないことが第一と思えば、そりゃディープをつけて次世代、次次世代の夢を見たい。ゴルシやオルフェでその夢を見られるかは、本当に辛抱がいることでしょう。

 

私はロージズインメイという血が好きなんですが、別にロージズインメイ自体を好むわけじゃなくて、ロージズインメイという素性の怪しい面白おかしい血に夢を見続けるマイネルの精神が好きなわけです。

その結実を見られるかどうかは分からんね・・・とPOGでいっつも思っていたんですが、総帥の死去と同年に見られるというのはメイクドラマで、流石の千両役者ゴールドシップというべきでしょう。

 

またミルコで勝ったってのが面白くて、このサドラーっぽいHalo表現ってのは確かに彼の領域。

Haloを構えさせるならルメールなんですが、Haloを舞わせるならミルコなんですよね。こういう勝ち方をG1で見せるミルコはすんごく久しぶりで、それもちょっと感動してしまいます。

 

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