砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

2022年秋華賞回顧

予想を見直して、「そういえば今年の秋華賞にはシュヴァルグランもいないしブラストワンピースもいなかったな」と思い、回顧などをします。

イメージとしてはレイデオロのダービーに近くて、ナミュールがスワーヴリチャードのポジション。2冠馬スターズオンアースも、ドゥラメンテが出遅れてあのポジションから内回りのインを捌いたイメージ。

好位のレイデオロをスワーヴリチャードが後ろから差しに行くと、やはり届かない。ドゥラメンテとてスタートでの不利を引きずってしまえば3着までですか。そういうイメージの秋華賞でした。

 

ドゥラメンテとその娘の差異というのは確かにあって、それを含めて「ドゥラメンテの娘」という表現が似合います。スターズオンアースは父よりも器用に育っていて、父よりも不器用です。

ドゥラメンテはキングカメハメハ産駒なので差し馬というよりかは差し先行の類。ストライドが大きくて不器用なのですが、前のめりに競馬をしても凌ぐだけのエンジンを父と母の共通項より受け継いでいます。

スターズオンアースはそのエンジンの供給を受けておらず、ドゥラメンテとスタセリタの末脚を受け継いでいます。エンジンというかガソリンタンクというか、そこらへんにおいて並以上はありますが、本質は爆発的な切れ味が身上。

 

ガソリンタンクも切れ味も一流なのがナミュールという馬で、スタニングローズより切れるし、スターズオンアースよりガソリン積めるし、何だったら三冠馬であってもよかったかもしれません。

しかし彼女はあくまでもHaloな馬で、累代からは想像しがたい軽薄さを持ちます。「スタミナ」「末脚」に優れていても勝てないのがG1レースで、なんでしたらG2でも勝ち切りづらいタイプかもしれません。

敗れ方がキズナやロゴタイプに対するエピファネイアを彷彿とさせるのは、勝負服ばかりが理由ではないでしょう。ハービンジャー×ダイワメジャー×フレンチデピュティの累代でも受け継がれる軽薄さ、キョウエイマーチの素晴らしさですね。

エピファネイアの爆発力をJCで目の当たりにすれば、「これだったら皐月賞もダービーも勝てたじゃないか」「福永がダメだったんだ」という評価もしたくなります。ナミュールもそういう爆発を秋天でいずれは出来ると思いますねぇ。

 

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