砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

2022年ジャパンカップ予想

キーファーズ御用達繁殖であるサラフィナの近親がシムカミル。

ジェニアルやゴータイミングのイメージからしても純正の逃げ馬というイメージはつきづらく、先行馬としての完成がベターでしょう。

ミッキーロケットと似た配合なのですが、彼はトリプティクの母Trillionの全妹Hail Maggieを5代直母に持つ血統です。Hail to Reasonの名牝を近親に持ち、2代母父はCaerleon。いささか趣が異なります。

その点、非Hail to Reasonの血統という点において、シムカミルはキングカメハメハ的であります。非Danehillかつ非Sadler's Wellsかつ非Urban Sea。お値段次第では日本へ輸入しても良さそうな血統ですが、その価値が生じれば欧州が手放すこともないでしょうね。

勝ち上がりまでに時間を要しており、初勝利は今年の4月下旬。芝を走った5戦全てで馬場が渋っているのは意図的なものでしょう。柔らかい馬場を走り続けた馬が高速馬場と名高いジャパンカップへ挑戦してくるのは不思議。

 

◎シムカミル

〇ダノンベルーガ

△グランドグローリー

 

体調すぐれないので、一番血統表を見た馬に本命を。

シムカミルはNureyevとHeight of Fashon、Allegrettaなど豊富過ぎる名血統を用いてMan o' WarをアウトブリードしたTamayuzの仔で、ミッキーロケットとの大きな差異は牝系の質にありますが、その差がそのままキンカメとTamayuzの差であるという。

この対比はニアリークロスという考えにおいても非常に有用でして、牝系クロスが重要視される意味もなんとなく理解できることかと思います。

Man o' Warのアウトブリードとは、イギリスやアイルランドの名血統を持つということとニアリーで、それに支えられてジャパンカップを勝つのが常道というべきでしょう。

サンデーサイレンスの仔でジャパンカップを勝ったのはスペシャルウィーク・ゼンノロブロイ・ディープインパクトだけで、その後は4分の1サンデーの天下となりました。始まりはディープインパクトの翌年アドマイヤムーン、終わりの来ていない、昨年のコントレイルまで続く傾向となっています。

非サンデーが勝ったのもウオッカが最後となっていて、8分の1サンデーの勝利もエピファネイアが最後です。アドマイヤムーン以降の15年間、ウオッカとエピファネイアだけが例外としてあり続けているのです。

そんならダノンベルーガとシャフリヤールで正解でしょ、というのが順当な話。穴党は順当が大嫌いなので、シムカミルで抵抗を試みる、という。

 

ヴェラアズールにも言及しておきますが、これはジャングルポケット(非Man o' Warのダービー&ジャパンカップ勝ち馬!)と好相性を示した一族の出です。エイシンフラッシュ×トニービンもかなりのニックスですから、この馬がトニービン的に出るのは理解しやすい話で、その上でロマンチックな話です。

このまま戴冠しても納得出来ますし、血統マニアにも嬉しい勝利です。しかし母父クロフネというのは小難しく、帽子が赤いのは厳しい話かなぁと。クロフネは外に出してから猛然と突っ込んでくる血統でして、馬群を捌いて差し込むクロフネは見たことがありません。

外にも差し馬が揃った今回はRoberto差しの効きづらいレースと言えて、これはデアリングタクトにも向かい風となっています。外にユニコーンライオンがいるためにポジショニングもシビア。厳しい一戦となりそうです。

 

総じて、ダノンベルーガとシャフリヤールの一騎討ちという枠でしょう。何か面白いことが起きるといいのですが。

 

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