ヒモで狙いたいのはピンク帽のNijinsky。ということでウインマーベルが候補となるのですが、サンデー直系×Nijinsky的な靭やかさ・・・「マイル適応じゃないの?」というタイプではありません。グランアレグリアやレシステンシアが異常だったのだ。
なぜにピンクなNijinskyを狙いたいかといいますと、中京1200mはすり鉢状のコースでありますから、マイペースに動ける方が、そりゃあ、良いに決まっています。先行争いに巻き込まれながら下っていくよりかは、よっぽど良い。
前がバテた頃合いにヌルっとやってくるのが古典的かつ七夕賞的Nijinskyです。その力で逃げを打っていたのがハクサンムーンとも言えて、よくよく考えてみますと相当な力技で成立した配合ですね。
ナムラクレアも大外枠ですから、この類のヌルヌル感は欲しいところ・・・。そうとは言ってもナムラクレアはヌルヌルしない馬ですから、どこかでロス含みに潜り込むとかしないといけません。
トウシンマカオはナムラクレアに外へ張り付かれるのも嫌ですが、後ろにいられるのも嫌で、どうせなら前に置きたい。WoodmanでNijinskyなビッグアーサー産駒ですから、中京なら最後方でも構わないレベル。
そうですね、外枠ではトウシンマカオが一番ハマりそう。ナムラクレアより評価していいかな。馬自体はナムラクレアが上でしょうけれど、初挑戦のG1で自分の形に徹してハマる可能性があるのは強いっすね。
アグリはMr. Prospector×Northern Dancerの組み合わせを重ねており、カラヴァッジオの母Mekko Hokteが「4分の1非Mr. Prospector・Northern Dancer」となっています。これだけで好形良形と褒められる配合ですし、そりゃ重賞の一つや二つ勝っても不思議はないだろうと。
しかし鞍上ですね。ウシュバテソーロの主戦でもある横山和生騎手が100%の能力で乗れる可能性は限りなく低い。それでも勝てるパフォーマンスをアグリが持っているかもしれませんが、難しい枠ですから。
乗り馬の選択がどういった経緯であったか、部外者が知るよしもありません。もし横山和生騎手にある程度の裁量が認められていたのなら・・・ウシュバテソーロでドバイワールドCを勝つ可能性もありました。
ちょっと厳しい話なので、あえて選択の余地を残さなかった可能性もあります。「これって騎手に選ばせて良い話なの?」という。G1レースの前夜に結果が出るというのもよくありません。普通に危ないし・・・。
陣営で勝手に決めてしまえば数週間という時間を使って気持ちの整理が出来ます。自身が選択していないという要素も整理に寄与します。整理というか、開き直りやすい。「日経賞と高松宮記念に集中しよう!目の前のことが全てだ!」
そこまでたどり着いてなお、ドバイワールドC勝利という要素は大きすぎると思うのです。陣営総出で「ドバイワールドCを勝つぞ」と取り組みを続けていて、騎手としてそれへ関わった・・・そういう話なら別ですね。陣営の努力が実ったのだと喜べるはず。
どちらかといえばウシュバテソーロは路線変更からトントン拍子に勝ってきた馬です。予定は未定で、使えるレースを使ってきたような。そしたら全部勝っちゃった。ドバイワールドCでさえも。
こうなると「そこにいたのは自分だったかもしれない」という思いは強い。ふたをして、見て見ぬふり。ここまではできるでしょうけれど、勘定の整理をする余裕はないはず。無心のベストパフォーマンスは無理です。
アグリは単純明快な競馬をする質ではありません。G1の大舞台という要素も絡み、騎手の判断能力はどこかで破綻することでしょう。ミスを犯せばG1勝利はノーチャンス。
母母父Galileoというカードは強力なものでも、高松宮記念はワンミスが命取りとなります。消しでいいのでは。
これならメイケイエールが固そうね・・・となるんですが、彼女は彼女でスプリンターとしてはストライドが広いから、中京1200mを立ち回るとか、そういうことを期待できません。
そもそも論としまして、高松宮記念は内のBold Rulerが強いレースです。ハイスピードで中京3角4角を攻略するには機動力は必須。そんなの中距離やマイルでも変わりはしないのです。
皐月賞におけるドゥラメンテをやる必要があります。マイペースに進んでから4角を斜めに切る・・・という動きはやろうと思えば出来ます。前に届くかは別問題として。
だから・・・すごく変な話なのですが、ストライドが広いために、中京1200mより中山1200mの方が本命を打ちやすい馬なのです。中山の方が非スプリンターは走りやすい。
インディチャンプやレッツゴードンキのような圧倒的機動力を持つのであれば、スプリンターであるかは些細なことです。メイケイエールはそれを持たないので、内を捌くのは難しい。
外も内も競馬にならない。メイケイエールの難しさですねぇ。もっと長い目で向き合っていれば今頃に東京マイルへ適応する可能性もあったと思いますが。アーモンドアイやウオッカが東京以外で四苦八苦するような、そういった話かと。
全馬をチェックしたところ、立ち回る、というタイプの馬が存在しないスプリント戦ですね。京都開催がないから外回り的な部分で賞金を積む馬はどうしても多くなるのかも。
これで不良馬場の高松宮記念なら面白い馬券を買えます。
◎トウシンマカオ
○ヴェントヴォーチェ
△ウインマーベル
ヴェントヴォーチェはAureole≒ハイハットのタートルボウル産駒。買うなら中山だろうね、というタイプですがスプリンターズSでAureole的な爆発を見せるのは不可能に近い。重賞でお世話になる機会は多くても、G1では見せ場がありません。
勝ったッ!第3部完!という段階になれば圧巻のパフォーマンスを見せる馬は多く、最強馬の多くは最強に見合った気性を身につけるものですが、最強馬の気性を最強じゃないのに身につけた馬というのも、やはり存在します。
その点でヴェントヴォーチェはG3やG2を無双する類の馬なのですが、不良馬場の機動力マスター不在な高松宮記念ならワンチャンあっても。馬場さえ克服すれば最強馬の気性で最強馬っぽく抜け出す可能性があります。
それでも上に置きたいのがトウシンマカオで、鮫島克駿騎手はWoodman×スプリントの経験値が怪物的。Woodmanのような有能で主張が強い血統(優秀であるからこそ主張を尊重される血統)を同距離かつ短期間に2頭も乗り、いずれもG1出走級というのは極めて稀な話です。この経験値はベテランにも劣りません。
トウシンマカオ自身の配合も良好ですし、半兄ベステンダンクから伺える母父スペシャルウィークな気性を母から受け継いでいそうです。
つまるところ、Aureole馬券です。スプリントG1でAureole馬券とは、正気を疑う所業。これがきっとギャンブル。
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