冬枯れ、というだけに芝状況は良くない。
目立つのはサンデー系の不振でしょうか。
先週の穴馬はそろって非サンデー系。目立つのはミスプロ系だ。
距離が短いレースなのが原因ではある。
有馬記念に出走予定の非サンデー系の馬は・・・
他は全部サンデー系。有名種牡馬ばかりであるから血統的に困ることはなさそう。
シンボリクリスエスのエピファネイアがいれば面白かっただろうに。(面白いだけ)
ただ2500mの距離になるとちょいと違うんだよね。一気に話は違ってくる。
坂下りの半ばからスタート。下って、コーナー回って、登って。そこから外を一周。
1角2角を回って、坂下りの3角、小回り気味の4角、そして日本競馬屈指の急登坂が待つ。
ペースがだいぶ上下する。下り→登り→下り→登りだ。
序盤はペースが速く、登ってからは落ち着く。そして3角から下りながらのスパート体勢。
13秒台をラップすることも多く、その上で11秒台フラットを連発するようなハイペースも。
「乱ペースで強い馬」が求められるし、13秒からのロングハイペースを考えれば一部のサンデー系は台頭可能。
一本調子で走って一気に瞬発力バヒューン!という東京巧者が中山で崩れ去る理由はコレだ。
さて、乱ペースに強い馬。これはゴールドシップだね。
ていうか勝手に乱ペースで走ってる、走らざるを得ない不器用な馬ってだけだが・・・。
一本調子の東京でさっぱり走らなかったのは良く見れば良い材料。
しかし上がりを使えなかったのはどうだろうか。ここが一番気になる。
「有馬に勝負をかけるのは当然。しかし京都大賞典からの直行では間が空きすぎる。」
「とりあえずジャパンカップ使ってみよう。ダメそうなら回ってくるだけでいいから。」
そういうシナリオかもしれない、と思えば内田が降ろされた。
これには馬券を買う人たちもびっくり。「須貝調教師はゴルシがJCを勝てると思ってたの?」
いや、オーナーとの兼ね合いもあるから一概にアレコレと言えない。情報なんてないし。
しかし良く思えばそういうことなんだよね・・・。
ジャパンカップで消耗を最低限に抑えているなら有馬の好走は必至でしょう。
東京2400mは王道中の王道。東京で勝つ馬が中山で負けるのが常ならば逆もまた。
そういう時、調教の様子で「おっ、ここが正念場かっ!」と察せる人もいるんだろうけど。
俺はそんな技術持ってないし、そもそもゴールドシップは調教で動かないし。
また、尻尾のリボンがなくなったのも気になるんだよね。(気性の荒い馬だから気をつけろ、のサイン)
馬がもうやる気を失っているのかもしれない。
シンプルに考えりゃゴールドシップがマジで強い。
長距離の中山はパワーとスタミナが重要。それに一瞬の瞬発力があれば何も怖くない。
そしておそらく・・・オルフェーブルも同様の素質を持っている。
全兄のドリームジャーニーは中山巧者。本馬も凱旋門賞を2着しているからタフな馬場に強いはず。
有馬記念を制しているし皐月賞も勝っている。そして東京コースで遅れを取った過去もある。
ステイゴールド×メジロマックイーンという配合の本質は有馬キラーではなかろうか。
しかしゴールドシップは穴馬程度が残当なところ。本命にするには辛い。
穴党が選ぶべき馬、という評価。オッズがつり合わないのが大問題だけど・・・。
だって空き巣で勝ったりワープしたり、でまともなG1勝利は宝塚記念くらいだ。
宝塚記念とて遠征帰りのジェンティに関東不利を受けたフェノーメノが相手。更に少数立てで先行争いが楽だった。
そりゃ偶然的にG1競争を4勝ってのは生半可な話ではない。
けれど実力でG1級相手に勝ったことがないのも事実。
本命はオルフェーブルだけですよ。
そして対抗に相応しきはウインバリアシオン。
・・・と思うけれど贔屓が過ぎるかなぁ。
ハーツクライは有馬を勝っている馬だし、産駒も中山2500mに適性がある。
本馬も長い距離を得意とするしピークを過ぎていようともそこそこの動きはするはず。
ただ冬枯れの芝に適性があるかどうかが分からねぇ。不良馬場のダービーでオルフェとあの勝負をしたからいけるとも思うが。
そういえば・・・グラスワンダー産駒の活躍も目立っていたなぁ。先週は。
欧州系の血統がそこそこ走っていた。母系に入っているのも多い。
母系と言うならやはりサンデー系。母父サンデー、あるいはサンデー系というのは多かった。
ラブリーデイの様なタイプが結構走っていた。
ラブリーデイは母父ダンスインザダークで距離延長は補完される見込み。
さらにキンカメであるから地脚が良い。重賞クラスならば勝負できるだろう、と思える。
だがデータ上はどうであれ、有馬記念をキンカメ産駒が勝ち負けしたことはない。
ルーラーシップとトゥザグローリーが3着に滑りこむ程度である。単勝を買える馬ではない。
ラブリーデイも典型的なキンカメ馬だからまず勝ち負けにはいかないだろう。
先行してしっかりと脚を使う。だが溜めて溜めての瞬発力ドヒューンが出来る馬には敵わない。
全体的に人気しそうなのは東京で調子を上げてきた馬が多い。
更に開催して間もない快速馬場での好走馬が目立つ。
そういう面を徹底的に裏切ったのが愛知杯。有馬記念の穴馬も大概そんな感じ。
前走を好走したから~と言っても阪神から流れてくる馬もいないし東京からが多い。
東京と中山は似ても似つかない、正反対のコース。似ているのは中京や阪神。
特に中京からの・・・金鯱賞からのローテはなかなか手強い様子。
番組表が変わって金鯱賞→有馬記念というローテで2着したのがオーシャンブルーだが
それ以前からも「金鯱賞を好走した馬は注意」という教訓は存在していたらしい。
確か春とか夏とか、そこらへんに金鯱賞があったんだよな。
なので「前走が東京で調子を上げてきた」という馬は要注意だ。
ところが、だ。近頃の競馬は「好適性馬が爆走する」という完全なルールが出来上がりつつある。
これは近代競馬の過渡期というものなんでしょうか。高度なレベルでまとまって適性の差で勝負が決まるようになった。
そしてとうとうそれがローテーションにも反映されてきているのですね。
ジェンティやデニムが有馬を走ったところで勝負にはならないでしょう。東京で活きることは証明された。
だから中山競馬から身を引いてしまった。
中山は典型的なディープ殺しの競馬場だからなぁ・・・。ステイゴールドが圧倒的な強さを見せる。
でも中山巧者のディープ産駒もいるよね。ダノンバラード。たまにディープの種なのか疑っちまうよ。
ただこの馬は人気薄から飛んでくる馬じゃないんだな。2500mは長すぎる気もするし。
ローテ的には非常に良い。惨敗した秋天も反応が良かったし穴馬程度にはちょうどいいか。
実はディープ産駒が有馬に挑戦するのは初めてのことなんだよね。
何はとまれ・・・結局はサンデー系が主役。ではあるけれど種牡馬を選ぶよね。
アグネスタキオンのダイワメジャーとダイワスカーレットがなかなか好走した歴史があるけれどそれ以外の好走馬ってのはいない。
あとはネオユニヴァース産駒のヴィクトワールピサ。ネオユニ産駒はそれ以外に好走歴なし。
やはり強いのはステイゴールド産駒。ゴールドシップ、オルフェーブル、ドリームジャーニーを排出。
さらにオーシャンブルーもそうであるからやはり強かろう。
・・・あれ。ステイゴールド以外のサンデー系は活躍してないんじゃねぇか?
2010年にヴィクトワールピサ、2着にブエナビスタ。ブエナはスペシャルウィークだ。
で、09年もブエナが2着。09年08年と3着を二度とった、勝ち切れない中山巧者エアシェイディはサンデーサイレンス直仔。
03~07年はサンデーサイレンス直仔が1着で、06~08年に活躍したダイワ兄妹はアグネスタキオンだ。
04年のシルクフェイマスがマーベラスサンデーの子か。サンデーサイレンスの孫が絡んだのはこれが初となる。
有馬3着した年のシルクフェイマスは春天3着宝塚記念2着でG1戦線で十分活躍している。
さらに年明けからG2を2連勝しているのだからその年に限ればG1に能力は届いていたことになる。
穴馬、というほどじゃない。その年に限れば。(来年以降は散々たる成績)
てなわけでサンデー直仔がやはり安定した成績を残していた。
しかし仔の産駒になるとちょいと不安定。
ブエナビスタ、ヴィクトワールピサ、ダイワメジャー、ダイワスカーレット、(シルクフェイマス)。
明らかに名馬オブ名馬がそろっている。(括弧内は割愛したいお馬さん。ヒヒーン)
となると適性云々の結果ではなく能力差での滑り込み、あるいは勝利であっただろう。
名馬を3頭、ちょいと産出した とも言えるが・・・
ドリジャニ、オルフェ、ゴルシ、と有馬勝利馬を3頭出したことは無視できない。
ステイゴールド産駒は要チェック。(でも穴馬らしきはナカヤマナイトだけだよ。距離足りねぇよ、能力足りねぇよ)
難しいもんだねぇ。ジャンポケ産駒なんてさっぱり絡まねぇもん。
キンカメの救いはルーラーシップだよなぁ。あの「フェラーリエンブレム式出遅れ」がありながらも3着だから。
・・・でもルーラーシップもキンカメらしからぬ瞬発力を持っていた馬だ。
俺はサンデー系の馬だとばっかり思っていたよ。ゴールドシップについてくるんだもん。
あとは欧州系の血統がいればいいんだけども・・・。ないんだよなぁ。
サドラーズウェルズ系+重賞勝利有り という馬がいれば絶好の穴馬だぜ。
結局はサンデー系とキンカメ、キングズベスト、でもってジャンポケだけの出走・・・。
血統面で穴馬なんていなさそうだよ。
能力が足りていて・・・更に適性がありそうな馬・・・。
いねぇよ。
いやいや、穴馬はゴールドシップだけだなっ!
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