砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

マイルCS予想 メンツを思う

レースは対して面白くなさそうなんだけど、揃ったメンツは面白い。


五十音順で書いていきます。

エキストラエンド

 堅実な伸び脚はディープらしいとも言えなくもないがイマイチ切れ味に欠ける気も。それだけに後方競馬に徹した横ノリの騎乗は度外視対象であるし、更に開催が進んで凸凹になった新潟マイルの二戦も度外視して良さそうである。前走の富士ステークス毎日王冠より緩みのある展開になった東京マイル戦で3Fの持続的な切れ味勝負となったからマイルCSのステップとして深みのある内容と言える。ここで32秒9の上がりを使ったことにおそらく意味はあるだろうし、あとは位置取りの差と開き直っても良い。ミッキーアイルの淀みない逃げの中でも似た脚を繰り出すだけの土壌を持った馬であるからだ。

・エクセラントカーヴ

 オールドスタッフの牝系であるからサトノノブレスとは血族を同じくする。昨年に京成杯AHを勝ってから鳴かず飛ばずで、前走の新潟1600mの京成杯AHでは1秒1の着差で15着。15頭立てであるからビリッケツではあるんだけど着差をみればそんなに負けてはいないかな。ダイワメジャー×A.P.Indy×Geiger Counter×Irish Riverと字面ではヤワヤワと切れそうな馬だが父がダイワメジャーなのでお察しである。中山マイルの京成杯AHを勝ちはしているが開催初週ということもあって馬場が速く、そして柔らかくなだれ込める展開だったことが幸いしている。京都外回りは決して悪い舞台ではないものの、「母からナスキロ柔さを受け継いだダイワメジャー産駒はG1の壁に阻まれてきた」というモチジュン先生の言葉があまりにも重い。それでもダイワマッジョーレなどが好走してきたのは確かだが。

クラレント

 ダンスインザダーク×ダンシングブレーヴ×テスコボーイ×ヴェイグリーノーブル×バックパサー、という男心をくすぐる配合の馬。関屋記念京成杯AHを二連勝している勢いのある馬だが切れに乏しくジワジワと伸びる馬なので京都マイルでは前受けが前提となる。マイルCSを先行策から抜けだした馬は少なく、差し競馬になりやすい舞台であるから勝ち負けに絡めるとは思えない。ダークシャドウもそうだが中距離的にカスタマイズされたダンス産駒は切れ勝負に持ち込まれてしまえばディープ産駒に敗れるのだ。

グランデッツァ

 姉にマルセリーナがいる良血で、アグネスタキオン産駒らしい快速馬。姉の父ディープインパクトも本馬の父アグネスタキオンも母親から筋肉を補完する必要がある馬で、そこら辺はきちんとツボを抑えている。姉はディープの切れ味で桜花賞を撫で斬りに落としたがこっちはアグネスタキオンによって脈々と流れてきた母親の切れ血統が表に出た配合になり純粋な切れ馬となった。京都外回りは得意の舞台であるからクラレントより上の評価を出来る。

グランプリボス

 おそらく、俺の長く続く競馬予想趣味の中で永遠に色褪せないであろう今年の安田記念の2着馬。前走のスプリンターズも好内容の4着で、なかなか困らせてくる馬だ。しかしサクラバクシンオー産駒がマイルに順応できないのは間違いがなく、6歳馬ともなれば筋肉が硬くなってスプリンターへ傾くはずだ。安田記念の結果でズブくなって距離延長が効いたのかとも思ったがスプリント戦で好内容を見せてきたのだからバクシンオー産駒としての経年が勝ったと見える。

サダムパテック

 一昨年の覇者。東京スポーツ杯2歳S弥生賞を勝ち、皐月賞を1番人気で迎えてオルフェの2着である。そこから一転して京王杯SCを勝ち、マイルCS制覇を成し遂げた・・・。確かに中距離馬だがマイル戦線の弱化によって王位を掠め取った、という形。それ以降は全く勝ちに恵まれなかったが安田記念級の道悪で迎えた中京記念を華麗に1着。内ラチから外ラチまで横一線になって追い比べたレースである。やはり基本的に中距離馬であるからマイル戦線が活発化した現在においてはとてもとても買えた馬ではない。

サンライズメジャー

 「えーっと。ノーザンテーストヴァイスリージェントザミンストレル・・・これって!?モチジュン先せーいっ!」と先生のブログの過去記事を漁ってみればやっぱり3*3*5でニアリーしておりました。先生もダイワメジャーの教科書的配合と言うほど。しかしスピード血統の本数がイマイチ足りなく思えるし、ノーザンテーストを刺激しまくった配合であるから持続的になるとか道悪での開催になるとか、そういった材料が欲しい。前走のスワンステークスは持続戦となったレースで、2ハロン目から11.2-11.5-11.3-11.2-11.0-11.7。本馬の上がりが33.4秒であるから11.2-11.1-11.1くらいで行ったイメージ。終いが12.0くらいにならないと差しきれないタイプだろう。これだけノーザンテーストが刺激されているなら外回りは先行策がベターで、やはりこいつも坂下りから目が覚める様な脚を繰り出せるタイプではないだろう。

・サンレイレーザー

 サーゲイロード持ちでミスプロドクターファーガーもあって、ニジンスキーもある。「これってエリ女の上位2頭と共通する要素じゃん!」と勝手に喜んでいました。父ラスカルスズカはかのサイレンススズカの半弟でその母ワキアはスピードも伝えはしますがパワーの補完が強そうなイメージ。それにコマンダーインチーフでありますから力っぽくもヤワヤワとスピード血脈が父方からは流れているわけですね。母父がコジーン。これは外回りなどで猛威を振るう血統でスノードラゴンアドマイヤコジーン産駒であるし他にイスラボニータの母父がコジーンであります。母母もまたパワーと柔らかさを伝える様な配合になっているからどこからもパワーと柔らかさを伝えられてきた馬だ。しかし岡田総帥も言うようにサンデーサイレンスの柔かさは唯一無二のものであるからスロー瞬発では1つ2つ足りなく、毎日王冠の様な前受けから持続的にヤワヤワしたい馬だ。ここも前で受けてからの競馬をしたいはずだが出遅れが目立つ馬なだけに信用するには足りないだろう。よほどの展開利がなければ複勝圏へは転がり込めまい。

タガノグランパ

 ミルリーフクロスのキンカメ産駒。長い直線で切れるキンカメを作るためにはこのクロスしか手段はなく、実際に菊花賞もダービーも絶対正義のキンカメ産駒であるトゥザワールドに先着した。皐月賞から人気薄のままに走り続けて展開利を貪り食ってきただけにここも枠次第では好走は出来そうだがキンカメの切れで京都マイルを差し追い込むのは愚策であるし、かといってミッキーアイルの逃げを相手取って先行策を打つにはいささか中距離をこなしすぎである。ローズキングダムと同じように東京や京都のスロー中距離を狙うべき馬であるからここはばっさりと消してしまいたい。

ダイワマッジョーレ

 エクセラントカーヴと同じように切れる配合のダイワメジャー産駒。やはりモチジュン先生の言葉が重い。外回りで切れるしノーザンテーストでそれを下支えするわけですから確かにG1級の末脚を持った馬なのだけど、ダイワメジャーの伝える能力がそれでフル活用されているかと言えばそうではないわけですね。だから展開利がどうしても欲しいところであって昨年のマイルCSは内枠からの好位差しという最高の形を得た展開で、蛯名がミスらなければトーセンラーとはクビ差決着くらいに落ち着いていたはずだ。今年も内枠を取りたいが今年は前へ行きたい馬が多いこともあってなかなか難しいところではないだろうか。

ダノンシャーク

 柔らかいマイラーなのだが一つパンチの足りない馬で、G1はいつだって好走止まり。前走の富士ステークスは着差コンマ3秒の7着で大敗とも言うべき内容だが時計の1分33秒5は昨年と同じである。外外を回りながらも600-400mを10秒9で通過しているあたりにちょいと無理を感じるし、結果として前崩れとなって切れ<粘りなメンツが上位を占めたのは当然だ。昨年のマイルCSでは3着に好走しているから今年も人気が出そうなのが悩みで、最内をスルスルと抜けださせればトーセンラーを出し抜ける可能性もあるだけに心底惜しい。馬券として考えるならばヒモ安定で、内枠を得た時にはアタマから狙ってみたい。

トーセンラー

 全弟もG1ウィナーとなったし配合面に関してはもはや他馬を寄せ付けない絶対正義の絶対王者となった。東京や京都の差し追い込みに関しては当代を代表する配合であることが証明されたわけなので、淀みなく流れそうな今回も確かな伸び脚で差し切ることは想像に難くない。しかし最内枠などに入って包囲されるのは面白くないし、外に被せられて直線で進路が開かない可能性もまたある。だがリファールクロス持ち馬が差し追い込み一辺倒だと思うのは間違いだ。4角先頭に突き抜けるだけの粘り脚があってこその最強差し馬で、タマモクロスも奇襲的な先行策でオグリキャップを退けた歴史がある。13.3-11.1-11.7-11.9-11.1-11.5-10.8-11.0を刻める馬が内枠からの先行策で押しきれないことはない。(mahmoud様のラップ解析より引用)

フィエロ

 ディープインパクト×ロックオブジブラルタルの全妹という配合であるからミッキーアイルとは4分の3が同血。安田記念で差し脚を伸ばしたのはショウナンマイティワールドエースサダムパテックジャスタウェイと本馬だけで、いずれも最高級の粘り脚か道悪適性を持った馬。重馬場となった六甲ステークスでも洒落にならん末脚を炸裂させているしパワーが勝ったディープ産駒だろう。ただこれがパワー一辺倒の差し馬かと言えばそうでもなく、パワーと粘りがそこそこに混ざっている様にも見えて・・・力馬がマイラーズカップを勝ち負け出来るとも思えない。スワンステークスの結果を踏まえて考えて見るに・・・こいつはディープ産駒の割にはピュアマイラーに出ているのではないかな?淀みなく流れたマイラーズを好走したのも一本調子に流れたことが好材料となったと見える。するとミッキーアイルケレン味のない逃げの中でならば面白いほど弾けるとも考えられるのだけど、鞍上が福永ではこの馬を爆発させられないと思う。彼はあくまでもジョッキーであって勝負師ではない。父の洋一氏もそうであったように・・・。

ホウライアキコ

 早熟性あふれるヨハネスブルグ産駒の女帝。確かな早熟性で2歳マイラーの頂点に立つかと思えたが年末の阪神JFで華麗なる惨敗。桜花賞NHKマイルで好走をしたが好内容であるに留まる・・・なんというかね。次へ繋がらない好走だよね。終いが衰えがちな馬で最後の最後に差されてしまう。マイルCSでは終いを11秒前半で収めるくらいでなければ差し馬は勝ち負けへ絡めないのだからここで何かを出来る馬とは思えない。

ミッキーアイル

 フィエロと4分の3が同血であるから古馬になってから一皮むけるだろう、というモチジュン先生の読みがある。気性面での成長もあれば逃げにこだわる必要もなくなりそうであるし、来年が楽しみな一頭であります。しかし現段階でそのフィエロを交わさせない逃走劇を演出出来ることを考えればマイルCSでも好勝負は可能であろうし、コパノリチャードの果たせなかった3歳逃げ馬の勝利という大事業も視野に含めて然るべきだ。ダイワメジャーカレンブラックヒルコパノリチャードという最高級の逃げ馬を輩出したが東京の長い直線や渋った中京をジリジリと伸び続けることしか出来なかった。しかしディープの出したこのミッキーアイルは切れる脚を繰り出せるのだ。切れるならばマイルCSでの逃走劇もまた可能である。逆にダービー卿や田んぼ高松宮を押しきることは出来ないのだからあくまでも適性の話である。ダイワメジャー最高っ!

レッドアリオン

 クラレントの弟でこっちはアグネスタキオンの種。やはり兄貴と同じように緩みのある千八くらいがベストでガツンと切れる脚があるだけになかなか侮れない。しかしプリンスリーギフトもドローンも確かにスピードなのだがダンシングブレーヴはリファール直系でプリンスリーギフトテスコボーイを経由しているのだから一瞬の爆発力が魅力の馬ではない。極めつけは母母母父にあるヴェイグリーノーブルでここもまた下支えに特化しているのである。つまり自在型のオールランダーだ。しかし逃げたマイラーズカップはコンマ6秒差の大差で破れているあたりに限界が見えて、淀みなく流れるマイル戦では1つ2つ足りないのではないか。スローからの末脚勝負ならばエキストラエンドと良い勝負をできるがほんの少し流れるだけでマイル適性の違いから大差となる。トーセンラーは4Fを44.4秒で追うのだ。千八ベストの馬がマイルG1を勝つためにはこのラップが必要であるわけで、しかも今年はミッキーアイルの逃げが予想されるのだからこのラップでも盤石とは言えない。

ロゴタイプ

 すっかり影は薄くなったが一時はロゴタイプ旋風に皆が酔ったもので、ここに来て外回りへ向かうのは寂しい限りだがマイルCS有馬記念のローテも格好良いと思い直す。実際にここで好走出来るとは思わないのだが展開によっては3着くらいに潜り込める実力はあるので軽視は出来ない。だがこの馬の魅力は粘りでも切れでもない小回り的な瞬発力・・・つまりは機動力であって、これが京都の舞台で爆発するはずもない。ましてや京都マイルであるからキレッキレに11秒フラットで突き抜けてからなお11秒前半をラップする様な差し脚が後ろから突っ込んでくるわけで、それに対応するだけの粘りも切れもない当馬には嫌がらせとしか思えない。かといって純粋なマイラーとも言えなく、こいつは良馬場中山中距離でこそ最強足りえる。ここは盤石に消す。そして神に祈るような気持ちで有馬記念単勝一気。それで良いのではないか。

ワールドエース

 現代日本競馬では最強クラスの馬。トーセンラースピルバーグ兄弟よりもハイインローに特化した馬で、皐月賞の競馬はゴールドシップの影に隠れてしまったが実際に映像を見てみればゴルシの有馬記念なみに衝撃的なものであることが分かると思う。大外OF大外をまくって2頭を交わし、外をまわっただけスピードが乗るのは当然だがそのスピードを維持したまんまに入線するという意味の分からないことをしている。最適な進路をとったのはディープブリランテなのだがそこから6頭分くらい外を通ってきた馬がダービー馬を交わすなどということが許されるのだろうか。何が言いたいかと言うと。こいつは上記の兄弟やフィエロなどくらいに伸びしろを持った馬で、ゴールドシップを超える持続戦巧者なのである。そして明らかに中距離馬だ。ロゴタイプと並んで過去の馬扱いされてはいるが安田記念の内容は勝ち馬に比肩するほどであるし確かに覚醒している。有馬記念をウィリアムズで行くならば単勝に3万くらい突っ込む用意をしなければならないだろう。同じ京都マイルのマイラーズカップを勝っているがあれは馬場が速いがために後ろが届かなかったのであるから差し有利のマイルCSでアレの再現は難しい。こいつのマイル戦は「トーセンラーって800mを44.4で走れるんでしょ?それじゃ1000m戦を57秒で走れるはずだよね」みたいな無茶振りを稀代の粘り脚で体現しているのだ。その理屈で言えばマイル戦では一流半程度の能力だろう。

1着 フィエロ

2着 トーセンラー

3着 ミッキーアイル 

という評価。

重賞未勝利馬伝説は終わらないぃっ!(流石にジャパンカップで終わると思うけどね。アンコイルドが勝てるわけねぇし。)

今回は馬場が例年と違っていると思うし、そこらへんは騎手の受け止め方次第だと。

そうなると2戦3戦は継続して乗っているコンビから買いたくなるし、ミッキーアイル浜中やトーセンラー武豊ホウライアキコ和田などを優先したい気持ちもある。

・・・ダイワマッジョーレ蛯名を忘れていた。あとタガノグランパ菱田。グランデッツァ秋山もかなぁ。

ていうかね。クラレントを川田にしてサンレイレーザーを田辺にするのはダメなのかい?

同様に、ダノンシャークを福永にしてフィエロを岩田に。

そんでさ。

戸崎圭太はどこに行ったの?東京に専念するの?エクセラントカーヴを置いてひどいやつだ。

あと、どうせならエキストラエンドルメールが良かったなぁ。

案外コレは・・・浜中が勝っちゃうんじゃないですかねぇ。

馬場が速いからトーセンラーは届かないかもしれない。あくまでも千八馬だから・・・。

案外持続戦巧者のサンライズメジャーが頑張るかもしれませんねぇ。

外回りは歓迎ではないし京都マイルで粘り特化のダイワメジャー産駒を狙うのは愉快な話ではない。

しかしミッキーアイルが持続戦に持ち込むのであればマイル適性で大勢が決まってもおかしくない。

池添というのはG1となれば侮れない男であることは昨年の秋に尽く思い知らされたし、

今走も馬とレースが噛み合うならば池添がなんとかして3着くらいに持ってくるのではないか。

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