柔らかな馬体を活かして走る・・・というのはひどく不安定なバランスなんでしょうねぇ。
競馬というものを考えてみるとなんだか不思議なもんです。
速い馬を作ろうとするならば「一定の速さで走りつづける馬」が良いのでしょう。
ところが奴らは起伏が激しかったり直線が長かったりするおかしなコースで馬比べを始めた。
それを多頭数で行う。純粋な馬比べから外れはじめたのですね。
そういった中で糞強い馬を作りたがった。これってマゾですよ。貴族趣味の典型。
奴らは縛りプレイをはじめたんですわ。どんなところでも強い「最強馬」が欲しいだなんて。
「どんなところでも強い」って言うとオールラウンダーになるね。そうじゃない。
どんなところでも圧倒してこそ最強馬なんですわ。
その過程で「どうやら中団前目からの差し切りが強いらしい」というのが分かってきた。
上がり勝負の傾向が強まって柔らかな馬体から鋭く伸びる馬の需要が増えた、と。
逆かもしれませんね。いきなりダンシングブレーヴみたいな奴が外からビューンって差し切ったのかもしれない。
「あれ？ああいう馬強いんじゃね？」と衝撃が走って柔らかな馬作り開始、と。どっちだろう。
そこから柔らかさと硬さのバランスを取ることが要求されるようになりました。
オーバルコースで追求される北米の「硬さと持続力」を土台にじっくりと柔らかさを煮詰める・・・。
そういった北米血統なのにサンデーサイレンスは柔らかさを伝えてしまう。
そして当時の日本にはノーザンテーストやマルゼンスキーという高品質なノーザンダンサーがあった。
これによってサンデーサイレンスは異系として最高品質の働きを見せていくのですね。
だからステイゴールドの様にニアリークロスを肝とする種牡馬はサンデーを弄ってはならんのです。
のですが・・・ココロノアイもナカヤマフェスタも弄ってるんですよねぇ・・・。
軟すぎステイゴールド×硬すぎの母、という配合でバランスを取るのがステゴデインヒルでしょう。
そういった中でAlibhaiの継続クロス→Lady Angelaへの脈絡とか、
あるいはLypard増幅＋ハイインローの形をとるとか、とにかく頑強増し増しの配合。
一方でさりげなーくナスルーラをいれる。それだけでしょうねぇ。
ココロノアイの不安はナスルーラを不必要にクロスさせていること。そしてPrincely Giftのクロスですね。
ゴールドシップは消耗戦巧者なのに下り巧者≒外回り巧者で、どうしても合う舞台がない。
牝馬の場合だと阪神外回りマイルがあるんですがステゴ×デインヒルの配合で外回りは厳しい。
平坦が良いか登坂が良いか、そこは出たとこ勝負なんでしょうが・・・。
ナカヤマフェスタは体型がステイゴールドで体質がデインヒル。モチジュン先生ブログより）
多分ロベルトはそんなに前へ出ないと思うけれど基本的にはまくるしかないですわ。
ステイゴールド産駒でG1級に出たならばガシガシと前受けして突っ込んでいかなければならない。
フェノーやゴルシは靭やかにストライドを伸ばしますが一気に突き抜ける様な脚ではないんですよねぇ。
ナスキロ血脈を持つことが出来ませんから・・・こう、スピードの乗りが悪いとでも言うのだろうか。
あくまでもスピードの持続が非凡であるわけで、つまりそれは前が潰れることを前提としたスピード能力です。
フェノーもゴルシも本来は前受け。けれどいろいろあってそこに至らなかった。
そこら辺に関してはナスルーラの累代クロスが役に立つかもしれません。
きちんと切れるとは思わないにしても、差しに回れるくらいの切れ味は持ってこれそう。
多分レッドリヴェールほどには頑強に実直に進む馬ではないよねぇ・・・。
Princely Giftのクロスが表に出ているならば秋華賞で期待が出来る。
阪神JFの敗因は「柔らかさ」と「後駆の弱さ」にあると考えるのです。
変に柔らかいからレッドリヴェールの様に実直に伸びない。ハイインロー血脈を活かしきれないのだ。
後駆の弱さはおそらくレッドリヴェールにもあったと思うんですが、それは底力の違いでありましょう。
ということだから「変な柔らかさを持ったステゴデインヒル」と考える。
それでPrincely Giftのクロスだから京都でこそ狙うべきで、内からジワジワっと来るのではないかと。
ただ、それならそれで阪神マイルをこれだけ走るのは不思議なもんです。
中距離馬たちに瞬発力で差し敗ける展開だから中距離馬の粘りでもうちょい頑張れるのでは？
案外こいつはデインヒル的なマイラーかもしれない。あるいは・・・サッカーボーイ的な中長距離馬かもしれない。
4歳秋くらいに5番人気くらいでエリ女を勝つとか、あるいは5歳夏にヴィクトリアマイルを勝つとか。
そのくらいの雰囲気かなぁ。3歳ではヒモで狙うくらいでいいのではないかね。
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