砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

出走馬チェックpart2 皐月賞予想

とうとうメモ帳を使うということをはじめた。
忍者ブログは間違って「戻る」をしても「お前本当に戻るのかい?」と聞いてくれるのだけど、「戻るぜ!」のボタンが太文字強調だから「あぁ戻るよ!」と返事をしたくなってしまう。だからついつい記事が消えてやる気を失ってしまう。仕方なく「非公開で保存する」をこまめに押すのだがそれはそれで「戻るの?」と確認してくれなくなってしまうからやっぱりデータが消えてしまう。 それで冒頭の様にメモ帳を使うことにしたのだ、と。
 エリンバードにエルコンドルパサーをつけたのはともかくとして、そこからスクリーンヒーローというサンデーサイレンスを4分の1でしか持たない緊張の種牡馬をつけたところが変態的。Sunny Valley一家にはアドマイヤラピスとかバレークイーンがいるが、これらと比べるとコッテリ系になっていて、よくぞこれで重賞馬が出たものだと。しかし緩和の不在という問題以外は綺麗にクリアされていて、スクリーンヒーロー自体が脚さばきが綺麗な種牡馬だからそこにエルコンドルパサーのピッチ脚を持ってくるのは好感触。Hail to ReasonをSadler's WellsとSeattle Slew経由で重ねたり、Halo≒Sir Ivorのニアリー、Tom Foolの継続、Bold ReasonNever Bendの半兄弟クロス、そしてノーザンダンサー血脈の脇にHyperion血脈を添えた形もなかなか美しい(Ameriflora=Danzig×His Majesty、ノーザンテースト=ND×Lady AngelaMiesque=Nureyev×Prove Out、サドラーズギャル=Sadler's Wells×Lisabell)。RivermanSeattle Slewのナスキロラトロ、ボルキロラトロで切れるタイプであるし、あるいはエルコンのスタミナを受け継いだ中長距離馬のイメージでもある。ロングスパートの展開は合うと思うがストライドをそこそこ伸ばして走る外回り馬だから中山を少し走りづらいと思う。
母はステイゴールドの全妹という良血。父はハービンジャーだがロカと似た形で母系から鋭い切れ味を受け継いでいるからハービンジャーらしからぬ走りをする。胸元の重たい身体をしていて前脚の回転が速く、少し牝系の影響もあって非力なところもあるのだが気になる程でもない。ハービンジャーの重厚な馬体でステゴ的な軽い走りをする産駒に出たが、それだけにもう少し本格化を待ちたいところであるし、京成杯の勝ちも馬場のバイアス云々があってこその差し切りだ。内をついたスプリングSキタサンブラックに離されるところがあって、やはりLyphardクロスのブラックタイドほどに加速装置は優れていない。もう少し鋭い加速が出来るといいのだが・・・ロイヤルサッシュ牝系はタマモもゲームも晩成傾向で、ステイゴールドの仔たちも本格化は古馬まで待った。早めに重賞を勝ってしまうがそこから上積みがあるのがこの牝系の特徴で、ベルーフもG1級で勝ち負けするなら古馬になってからだろう。
ダノンリバティ
3代母の全姉妹にはダイワメジャーダイワスカーレットの母であるスカーレットブーケがいる超良血。2代母のスカーレットレディダイワメジャーと同血の関係にあって、その仔にはサカラート(アフリート産駒)、ヴァーミリアンエルコンドルパサー産駒)、キングスエンブレムウォーエンブレム産駒)、ソリタリーキングキングカメハメハ産駒)、などの重賞馬がならぶ。それにエリシオがつけられたのが母のスカーレットベルで、本馬はそれにキングカメハメハが重ねられたわけだからソリタリーキングと4分の3が同血の関係になるし、ヴァーミリアンとも似た配合になっている(シアトルスルーやNureyev≒Fairy King[=Sadler's Wells]のニアリーが共通)。ダート馬と近い配合形なだけに少々力っぽいところがある持続馬で、毎日杯を2着まで追い込んだのはイメージ通りである。Bold ReasonNever Bendの半兄弟クロスにシアトルスルーが絡むとこういう粘っこい脚をする馬が出やすくて、またこの組み合わせはSadlers' Wells×Mill leef(あるいはRiverman)となることが多いし、父がキンカメであることもまた多いのでヌレサドのニアリーも入る。最後にナスキロラトロ(Mill Leef、Riverman)×ボルキロラトロ(Seattle Slew)の形であるからじっくりとストライドを伸ばす馬に出てしまう・・・という寸法だ。ヴァーミリアンだとMill Leefがないし、ソリタリーキングだとSeattle Slewがない。ジリジリと阪神外回りを差しに動ける先行芝馬に出たのは順当だろう。そういった馬であるから中山2000mで先行するのは面白くなくて、中団あたりから外をまくりに動くのがベターくさい。岩田らしい内潜りがプラスに作用する馬ではないから岩田マジック2連チャンということはなさそうだ。
まず中山の三浦皇成というのが分からん。条件じゃそこそこいい馬乗ってんだけど重賞じゃ信頼されてないから。まず一つ言えるのは中山芝をまったくつかめていないこと。関東騎手らしからぬヘタクソっぷりで、タナカツを乗せたほうがよっぽどよい。今年の成績を見ると顕著と言えて、芝が79出走の3勝、ダートが123出走の13勝。芝の3勝の内二つが千六でもう一つが千八。2000m未満はなかなか好成績の様で、特にマイルは好調。ダービー卿CTではクラリティシチーで2着している。他にもフラワーカップや中山牝馬などでも二着を得ているな。千六と千八では人気を裏切る事が少ないのだが2000mを超えるとかなり成績が落ちる。良くて人気通りというところだ。現在ベルラップは13番人気。中山2000mG1における三浦皇成騎乗の13番人気馬、という時点で消してしまいたい衝動に駆られるのは誰にも責められまい。馬自身はハーツクライ×ボリクリ×Chief's Crownで、さほど早熟性の高いハーツクライ産駒とも見えない。2歳時に重賞を勝つ仕上がりの速さはハーツクライの特色の一つで、3歳時には低調をたどってから古馬で本格化するのがジャスタウェイ的既定路線だ。そうなるとここで何かできるとも思わないのだが・・・。この馬の価値というのは先行馬としてのもので、三浦皇成も前へ行くしかないのだからベルラップコメートでビューンと前へ進むしかないだろう。ダノンリバティも小回りならば前受け志向であるし、11~13番の3頭が前を主張しに動くから、後ろに下げる予定のベルーフなどを除いて好位先行を狙うリアステ~サトクラの5番~9番が窮屈になりそう。壁としての役目は十二分に果たして欲しい、という思い。
Lyphardの母から派生した一家なのでトーセンラースピルバーグと同族ということになる。そういった中でBurghclere≒Crystal Queen3*4というニアリークロスを持つあたりが恐ろしいし、ハイインロー血脈を母系に二つ持つのも特徴。ただ母系に入ったボールドルーラーやナスキロの影響もあって、ちょいと緩い動きが目につく。それでも中山の4角で他の馬に遅れたことはないし、弥生賞なんかはシャイニングレイより4角の脚色は良好だった。相手関係はオッズほどに厳しいものだと思わないにしても、ブラックタイド産駒は息の長い活躍をするし、上記のニアリーを考えると古馬になってから・・・それも5歳からが本番だろう。特にこの馬はクロスが五月蝿いわけでもないのだし、晩成型と思ってここは無印にしたい。展開も合いそうだしオッズも美味しいけどなぁ・・・まだ中山G1でハイインローを振り絞るだけの馬体は備えられていないと思う。でもいつか嘉藤に重賞初勝利をプレゼントしてくれる馬だと信じてる。なんだったら来年の中山金杯あたりでも構わんぜ!
半兄弟にはキンカメ種のクラリティシチーがいる。母はラトロの硬さを伝える繁殖で。本馬がいちょうSを前から交わしさった競馬は東京マイルらしい頑強な差し脚によるものだった。差しに構えた朝日杯も切れより持続脚で差すイメージで岩田は乗っているし、弥生賞での横ノリはジワジワと前へ進む競馬で進めていった。いちょうSの伸び方をみるには外回り向きであるし、弥生賞の競馬をみるにはマイラーではない。クロフネ×スペの字面をみてもそんなもんだろう。クロフネ産駒が道悪ロンスパ弥生賞から良馬場皐月賞へかわってプラスになるとは思わないが、外差し馬場の外枠というのはそこそこ嬉しいところなのでそんなに悪くはないだろう。中段辺りからぐ~んっとまくってストライドを伸ばせばそこそこ届きそうだ。だけど外回り馬が届くほどの馬場でもないのよな。今の中山馬場は内回り加速じゃなきゃ届かん。
内回り加速じゃなきゃ届かん、という言葉通りにディープ×アンブライドルズソングの配合馬をここで信用するのは難しい。阪神マイルG1勝ち馬をここで買うのは難しくあって、4分の3がダコールと同じということなので急坂より平坦の方が狙いやすいところだ。2代母はシアトルスルーにアリダーニジンスキーネヴァーベンド・・・と頑強な血が揃っているからダコールより非力にはならないだろう。それでもこの配合をプラスしてみても内回り馬にはなりゃしない。好位から構えてスムーズに行ったとしても・・・うーん蛯名マジックがあれば3着4着あるかなぁ、くらい。距離延長+内回りというのが辛すぎるところで、1800m展開になればリアルスティールが強いし2000m展開になればサトノクラウンが強い。そこそこ人気している馬の中で最も相手関係が悪いのはこいつかもしれない。基本的な競争能力だけで勝負師なきゃならないのだから。 [fin]