新潟って決まった形があるようでないようで・・・あるようで。
中長距離馬の先行が残るのは4Fスパートになるから。4Fスパートになるのは馬場が荒れて外へ流れていくから。と段々で論法を進めていってもラチ沿いコスモネモシンで全て頓挫してしまうのだ。憎い・・・!この馬が憎いっ!
でもこの年のラップおかしいんだよ。10.8秒刻んでから12.5秒ってのはなんだ。速すぎるし遅すぎる。確かに結果的とは言えどもメンツは貧弱だった。それでも12秒5で差し込めないほどではないだろうし、10秒8からの12秒5という大失速はありえない。Mahmoud様っぽく言えば「逃げ馬が10秒8刻んだら逃げ切らなきゃおかしい」だ。ド平坦の新潟で1秒7も失速するのは故障を疑うレベルよ。
多分11.2-12.1くらいじゃねぇか?10秒8の区間でコスモネモシンは1馬身詰めてるからね。2000m戦で10秒8を差すのは流石になぁ・・・。
それにしてもエクスペディションの血統表はおかしなもんよなぁ。母父69年産、母母父56年産、母母母父56年産。母母父にあるHerbagerというのは6代目以降にあるもんだとばかり思っていたよ。
そういやコスモネモシンの年って「サンデー系×ND系」で上位を独占してるんだな。
1着 コスモネモシン=ゼンノロブロイ×シングスピール(サドラー系)
2着 エクスペディション=ステイゴールド×Lyphard(ND直仔)
3着 ファタモルガーナ=ディープインパクト×エリシオ(サドラー系)
4着 ダコール=ディープインパクト×Unbridled(ミスプロ系)
5着 ニューダイナスティ=ディープインパクト×Dynaformer(ロベルト直仔)
この3頭以外に「サンデー系×ND系」はいないから狙い撃ちで大儲けだったなぁ・・・。昨年はどうだっただろう。
1着 マーティンボロ=ディープインパクト×Nureyev(ND直仔)
2着 クランモンタナ=ディープインパクト×トニービン(グレイソヴリン系)
3着 ラストインパクト=ディープインパクト×ティンバーカントリー(ミスプロ系)
4着 トーセンジャガー=マンハッタンカフェ×ジェイドロバリー(ミスプロ系)
5着 アロマカフェ=マンハッタンカフェ×ハートレイク(Nureyev直仔)
1着のマーティンボロの他にサンデー系×ND系の馬は
9着 ヴィクトリースター=ディープインパクト×Caerleon(Nijinsky直仔)
10着 メイショウナルト=ハーツクライ×カーネギー(サドラー直仔)
18着 ステラウインド=ゼンノロブロイ×スピニングワールド(Nureyev直仔)
案外な結果。狙い撃ちで大失敗パターンだ。それでも父サンデー系は固いな。一昨々年ともなればトランスワープがいるけれど、その前はスペ産駒のナリタクリスタルが連覇してるもん。
むーんむーん。
まず一つ。よほどの持続戦でなければ七夕賞的にNijinsky差しは届いたりしない。緩みは必定なれば瞬発力が有効。ダラっとするNijinskyは前受けしてなんぼである。
もう一つ。サンデー×ミスプロの差しは有効だが展開の助けが必要となる。ストライドを伸ばして差すわけであるからマーティンボロの様に馬群を捌きながら差すということは出来ない。自分の前が塞がらないこと、他の差し馬の前が塞がること、先行馬が脱落すること、それらを神に祈りながら差すしかない。でもラスパクみたいのは例外よな。あれは実力で粘り差した3着。ジェイドロバリーにはあの最後の一脚がないのだわ。ダコールもああいう差しをさせたら足りないのは確かだ。本質は新潟大賞典みたいに縫って差す馬だからね。
新潟の面白いところは差し競馬が強いのに外差しが効かないことだろうなぁ。好位競馬の拡大解釈で差す感じなんだ。そういえば新潟のリピーターは好位から粘っこく差すタイプが多い。本当に固いのはこのタイプだし、小回りの差し馬がロングストレートでやるべき戦略はこれなのだわ。
エアソミュールの毎日王冠とかね。好位でジッと我慢して最後の最後にチョイっと差す。あれが新潟では最高の武器になるんだ。後の秋天勝ち馬でも逃げたサンレイレーザーすら交わせないあの展開が非常に新潟的。スピルバーグがエンジン全開で外からやってくる中でエアソミュールは最後の一脚を残しているわけだよねぇ。
あの小脚の効き方はトニービン的でもあるしSpecial的でもある。同じヌレイエフ持ちのマーティンボロが同じ様に新潟記念を勝っているのだわ。
エアソミュールってのはジャングルポケット×サンデー×ボールドルーラー達だから「小脚+粘り」というコンセプトで、鋭く差し込んでジワジワ残るのだわ。気性がアレだし脚も鋭いから追うタイミングが難しそうで、ロングストレートをギリギリまで我慢させる毎日王冠の騎乗が案外ベストかもしれない。
スピルバーグはディープ×Licius×サドラーで「鋭さ持続」というコンセプトかな。Lyphardクロスのディープと言えば全兄トーセンラーにドナウブルー=ジェンティルドンナのシスターズを筆頭として前受けしても鋭いし差し込んでも鋭いというタイプが多い。脚の溜めも効くし、先行してから切れることもまた可能。
二頭とも「Hyperion&Fair Trial&Nasrullah」の馬だから何をやっても好走出来るのだわなぁ。末脚の帳尻合わせがしやすい配合と言える。
この帳尻合わせってのが難しい。末脚の観点から言えばめちゃくちゃシビアだからね。新潟記念って。600m級のロングストレートに加えてコーナーワークの時点で微妙にペースアップしてるんだから堪らんぜ。
今年はメイショウナルトと同じように小回りで実績ありのマイネルミラノが逃げる。新潟の魔法(超スロー)が炸裂するか、速いペースでいくか見ものだ。ネオブラックダイヤ横ノリを見ても結構みんな付き合うんだよなぁ。前3Fを誤魔化したら勝ちよな。
4F目「あ、登るんだ。ペース落ちるのも仕方ないな」
5F目「まだ登ってるから・・・」
6F目「下ってるけど5Fスパートは新潟じゃ難しいな」
7F目「ペース上がってきてるから動けないな」
8F目「直線だ!」
番手馬が「オイラ逃げたくなかとよ」って譲り合ってるところを横ノリブラックダイヤが強襲!騎手がもう追い越したくないものだから横ノリを相手に折り合い合戦を挑むアホなことになる。ファンからしたら「なんでそんなに勝機のないことをするの?自信あんの?」という状況だがハナを切れない先行馬というのはこんなものなのだわ。
「前を追い越さずにプレッシャーをかける」というのは結構技術が必要なのだわ。こういう先行馬は目標がなくなったら「俺、自由!」と飛んで行ったりする。あるいは「勝ったわー先頭だし勝ったわー」とフワフワしたり。まぁ、その先はともかく馬は抜きたいと思ってる。抜きたい気持ちを以ってペースアップしつつも抜かない程度にそれを抑える・・・難しい。手綱緩めたら「オッケーってことだよね!?」とワクワクするから・・・。我が家の犬もリードを持った瞬間「散歩だよな!」と五月蝿いもんだった。
それも含めて「折り合い合戦」なのだけれども、一番難しいことしてるのは横ノリだ。追い込み馬をハナに立たせてジワッジワッとスローで追走させるのはオンリーワンナンバーワンの技術。上手く突っついたとしても併走状態になるだろう。そこから「抜くぞ、抜くぞ」というプレッシャーの掛け合い、つまり一対一の折り合い対決。実は最も割の合わない勝負なのかもしれない。
なら折り合いに苦労しながらも番手で我慢して直線勝負しようかな、というのも理解できる。先頭にいるのはスローからジワジワとスパートがかかった追い込み馬なのが悩みどころだねぇ。この大きすぎるアドバンテージがあるから上の勝負においても「控える」という選択肢があるのだわ。折り合いに苦労しながら先頭に立った先行馬なんて簡単に差しきれる。
結局、折り合いに関して同じレベルに達しなきゃあの体制に持ち込まれた時点でアウトなのだわ。追い込み馬は後ろにいなさい、と。
それを柴田大知がマイネルミラノで出来るかどうか。できないわな。その類の騎手はほとんど札幌に集結しているから奇襲的にあれやこれやされることはなさそうだ。でもアーデントがいる・・・けれど鞍上はバッシューじゃなく石川裕紀人。お前かぁ。うーん・・・。
ウチパククランモンタナという可能性もあるけれどねぇ。内博さんは中距離で逃げるイメージがあまりない。
そうなると毎日王冠→秋天みたいな「プラス1F」があるかもしれんね。マイネルミラノが主張してから逃げてジワジワっと落ち着かずに逃げれば直線で前が止まる。そこをサンデーミスプロがサッと差し切るなんてことがあるのではないか。
でも相手がなぁ。ダコールがロングストレートをサッと差し切るには強すぎる相手と言える。パッションダンスもね、母父ジェイドロバリーでは粘り切れないというのがある。
この類になるとやはりトニービン。クランモンタナとネオブラックダイヤとマジェスティハーツとユールシンギングよ。こういう馬を上手に前へ持ち込んで見ればなかなかにしぶといはず。「鋭い差し」より「しぶとい先行」を狙うのが良さそうではある・・・が。
クランモンタナ ウチパク
ネオブラックダイヤ 秋山
マジェスティハーツ 森
なんとも言えん。次はトニービン組を考えよう。
[fin]