砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

現在の中山馬場 セントライト記念展望

京成杯AHは1着フラアンジェリコ2着エキストラエンドで、二頭ともまくり巧者の兄貴を持つという共通点がある。


このまくりってのは何なのかと言えば「機動&加速」なのだわ。特にBold Rulerでまくる場合は加速の意味合いが強くなる気がする。そして今の中山外は特にBold Rulerっぽさが重要視されている気がする。

ただこの「っぽさ」ってのは難しくて。例えば「Bold Rulerを血統に持っている」というくくりではほとんどの馬がひっかかるわけで、セントライト記念出走馬でも8割は該当するはず。またクロスすればいいというわけでもないしな。

上の二頭の共通点があるとすれば強靭な身体を得ていることか。そしてそれはプリティポリー主体なのである。ネオユニ×ノーザンテーストとかBurghclere×Sindとか。6歳と7歳が年甲斐もなくゴリゴリマッチョになっちゃってるのだわ。

これがまた面白いよねぇ。スタミナ化してファタモルガーナみたいにステイヤーになっちゃう場合もあればトーセンラーキズナみたいに距離短縮されちゃったりとか。

個人的な考えを言えばキズナ武豊をおろすべきだと思う。3歳までの純なストレッチランナーとしての見方は捨ててしまうべきだ。大きく変わっているわけではないけれど加速に関する何かが変化している・・・それはPretty Polly的本格化によるメリットあるいはデメリットだろう。

調教でその辺りは意識して馬を作れば800mスパートを好位からこなせるはずで、Pasific Princess牝系の一流馬・・・ナリタブライアンビワハヤヒデファレノプシスらは差す馬ではなかったはずだ。ディープ嵐猫の配合と言えども牝系の基本戦術にはそうそう逆らってはならないのではないだろうか。

それもまぁ・・・秋天を見てからだわ。武豊がどんな戦術を取るのか、本当にストレッチランナーではなくなったのか、東京二千ならばごまかしようもあるまい。別にキズナ武豊のコンビが嫌いなわけじゃないからね。追い込みの届かない馬場を見て中団に切り替えてくれりゃそれでいい。

で、その強靭さを3歳馬が身につけようとすればPretty Pollyでは遅すぎる。なので米血を使うのが一番簡単だろうと思うのだわ。でもさ・・・中山2200mのロングスパートをこなすのが先なのよ。

外1600mを古馬が走る分にはいいんだが外2200mを2勝そこそこの3歳が走るのだから見極める必要があるだろう。だからこそ長距離戦のステップレースなのだよねぇ・・・。

安直に「Roberto持ってるじゃん!」「母がマンハッタンカフェの全妹じゃん!」「モンジューあるじゃん!」「Pretty Pollyクロスあるじゃん!」「父タニノギムレットじゃん!」とかそんなんでもハズレはないからね。あとはAllegedとかMagicなんかもハズレ少なし。

もちろん、それがどういう風に作用しているかも大事だけれども。ボックス買いのハマりやすいレースではないかな。

ただステゴデインヒルフェノーメノみたいな奴もいる。これは「ステイゴールド産駒だから」「母父デインヒルだから」「Lady Jororを累代で重ねているから」「Ribotクロスだから」「ハイインロークロスだから」と、単発ではスタミナの裏付けも3歳秋で間に合う理由としても弱い。けれど「ノーザンテーストをLady Angela≒Heliopolis≒Alibhaiニアリーで弄りつつ、ハイインローとLady Joror的な粘りを増幅させたステイゴールド産駒だから」という理由なら買えるのだろう。

Court MartialはLyphardの母父で中距離馬として邪魔にならない血を保有しているから、Danzigを中距離的に弄るには最適の血であろう。Danzig×Lyphardが好相性であるのはそういう理由かと。

またネアルコセントサイモン系の急先鋒であるならば逆もまた存在していて、フェノーメノThe TetrarchやHurry On、Sundridgeを含む血統が多く配されている。(War AdmiralやSolario、Big Gameなど)

まぁそんなのはPharos=Fairway血統の嗜みなんだけども、やらないよりやった方がいいに決まってる。Son-in-Lawだって同じような理由だしな。でもサクラユタカオー大好き青年としてはこれらのアウト血統が好きなのよ・・・。

だけどもそれが全く関係していないわけではなさそうで、ナスルーラの強いトニービンも同じ様にこれらの血統を持っているから割りと中距離的な要素なのではないかと思うのだわ。

なのでCourt Martialあたりは結構有効なのではないかと思う。ただ、内回り要素+スタミナという観点ではTom RolfeAlzaoの母母として有名なPocahontasていうのもあって、モチジュン先生が先週土曜のボツ予想で仰られた様な血統なのだわ。

そしてPocahontasの父Romanにノーザンテーストの母父父のChop Chopがニアリーする。この仕組を使ってノーザンテーストの米血を刺激しRobertoのNashuaも併用。これによってBold Ruler的に転がり込んで14番人気から2着したのがスカイディグニティというブライアンズタイム直仔のステイヤーなのだ。本番の菊花賞も2着している。

ブライアンズタイム自身もRoman持ちだからRomanクロス×ノーザンテーストって形・・・更に言えばブライアンズタイムの母父がGraustarkだからLady Angela≒Alibhaiで、これは非常に有効な手段。

ミュゼエイリアンスクリーンヒーロー×エルコンドルパサー×Blue Bird×Irish River×ダンサーズイメージのSunny Valley牝系。Roberto×Mr. Prospector×SpecialかつノーザンテーストStorm Bird×Riverman

つまりNashuaクロス×NantallahクロスかつChop Chopクロス×Romanだから今の中山に特化した配合と言える。しかもHis Majesty=Graustarkだし。この類の硬さにエルコンドルパサーSeattle Slewは非常に有効で、Rivermanが邪魔な感はあるが今回も本番も期待できる一頭だろう。

横ノリさんが逃げを選択したのだからバテないタイプと見たに違いない。そして東京二千四で逃げるだけの出脚の速さもなかなか悪くなくて、これは菊花賞向きではないかもしれないがRoberto×エルコンのステイヤーだろう。

ただ鞍上横ノリさんの中山二千二というのは予想が難しい。賞金は足りてるし試し切りの後方まくりに出るのか、それともクリールカイザー田辺的なスローロンスパ狙いの逃げか、本番前のノリさんって結構悠長なことをするイメージだわ。それにロジダーリングが逃げるだろうし。

菊花賞を見据えるならば・・・前受けじゃないだろうか?差し競馬なら内枠でも得ないことには内追走が難しい。それならスタートの具合を確かめる意味で目一杯押していくのではないだろうか。末脚を試すか出足を試すか・・・悩ましいねぇ。

[追記]

そういやそもそもの話、キタサンブラックブラックタイド×驀進王×ジャッジアンジェルーチ×Lyphardで、ノーザンテーストの米血をジャッジアンジェルーチで弄ってChop ChopをPocahontas経由のRomanで弄ってる馬だった。

サクラユタカオーはFair Trialで弄っていかなきゃならん!とは思っているんだけど最大にして唯一の後継がサクラバクシンオーだから米血的な弄りが基本になって、基本はね、うん。米血に対してアウトするのが基本だよね。

でもキタサンブラックは有効に使ってくれてるわー。Pretty Pollyを弄ってるからまだ成長の余地があるし、これからガッチガッチになり中山マスターとして君臨してくれるに違いない。ブラックタイドウインドインハーヘアはスタミナ化する可能性もあるし、それなら有馬記念をペロ~ンとまくっちゃう馬になるんじゃなかろうか。あるいは宝塚記念とか?いやいや夢が止まらんね。

[追記]

それにしても今はなきミュゼもステイヤーっぽい馬を抱えていたのねぇ。バゴ×リアルシャダイとか菊花賞だけを見据えた様な配合馬とか何なのだろう。でもバゴ産駒のピークは鬼のように短いからなぁ・・・。

本格化が全てではない・・・Burghclereニアリーのディープに語りかける様である。ナスキロでグニャグニャにして3歳時はろくに走らない方が期待が持てるのかもしれんなぁ。ピンストライプなんかはそういう配合だね。こんなスタミナの結晶みたいな血は母系に入ったサンデーじゃ使い切れない。本格化を見据えた配合をしないとすぐに極端に振れて使い物にならなくなってしまう。

[fin]