砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

武豊の「シビア」 毎日王冠予想

ここ10年で武豊毎日王冠戦績は1-2-0-2

1勝は昨年のエアソミュール。2度の2着はウオッカで逃げた08年と09年。2敗はロジックとナリタクリスタル

ウオッカが逃げたのは新馬戦とこの毎日王冠だけで、馬場読み達者の武豊が開幕週で何を意識しているのかが分かる。能力が上手なのだから折り合いつけて一番前を陣取れば勝てない理屈はない・・・そう言っているのだろう。

08年に勝ったスーパーホーネットは次走のマイルCSブルーメンブラットの2着。09年のカンパニーは秋天マイルCSを2連勝して有終の美を飾った。一流どころの千八馬にしか交わされていない事実がある。

だから逃げる武豊を交わせばG1級で、交わしてこそG1級である。非常に高いレベルで1800mへの適性を求めると共に、優れた中距離馬を見出す素晴らしい逃げを披露してくれることだろう。

スプリンターズSは糞」みたいな話もチラホラあるけれども、そんなの騎手の駆け引きによって生まれる面白い話を理解しようとしていないだけじゃないのかと。

ただ酒井学は論外だね。作った流れは悪くないけれどハクサンムーンを理解してないことが露呈した。ロードカナロアを追い詰めた快速馬を、例え老いたとしてもね、スローの3F瞬発で活かせると思っていたのであれば騎手を辞めるべきよ。

もちろんそんなことはなくMahmoud様のお言葉をお借りして「体感スピードが非常によろしくありません」ってことだわな。彼の中ではスローになってなかったのよ。

まぁハクサンムーンも今となっては千四か千六がベストだろうし、良かった頃のギャップに戸惑った一戦となったな。ココに来てハナを主張する陣営もかなりのアホなのよ。何を考えて控える競馬を身に付けさせたのかと。馬の闘志が萎える頃合いを見計らったんじゃないのかと。

エイシンヒカリも最終的には控えさせるのだろうけれども、武豊の手が動いていないのにスパートがかかっちゃうあの気性はしばらーく続くだろう。それはイスラボニータも同じ。だけどそれが萎えるというのは定年退職を迎えたオヤジみたいなもんで、燃え尽き症候群なのよ。烈火の気性で走った馬が鎮まっても行きつく先には何もない。

あれだけ切れる馬だから先行してジッと待たせられるのであれば垂涎モノなんだがねぇ。あの見事な行きっぷりとスパートを見るとダメよなぁ。もう遅い。でもアイルランドTで息を入れられたしな。ああいうサイレンススズカ的というかエピファネイア的な息のつき方も好きよ。2400mでもああいう風に乗れるのであれば一泡吹かせられるかも。

今回は千八だから息継ぎなしのガチンコ勝負だろう。前が速いということは二番手以降には選択肢が多いわけであって、そこがやっぱりスローとは違うかな。G1級の千八スピード勝負だから騎手は試されるよ。

ディープ産駒は千八ベストに出やすい。というかサンデーの孫はほとんどが中距離ベストだから1800m~2000mこそ現代日本競馬の集大成となる。ディープインパクトの主戦であった武豊が「千八馬とはなんぞや」とここで問いかけるのだからすごい勝負よ。今年一番の勝負。今年一番のガチンコ勝負。

サイレンススズカ毎日王冠とは違った凄さが繰り広げられる・・・そんな予感。可能な限り平等な枠組みが作られて欲しいものだわ。

[追記]

あ、別に淀みないことがガチンコとは言わないのだわ。種牡馬選定という意味では速いペースの方が良いのだけれど、騎手の駆け引きを思えば・・・エイシンヒカリの進捗を思えば溜めても良い。12秒フラットでフワフワと行くことが出来ればそれはそれで一つなのだわ。

問題はそれを周りの騎手が実感できるのか、想定できるのかってこと。Mr.サンデーサイレンス武豊、それはつまり現代競馬の幹みたいなものだからこれを東京千八で打倒することに大きな意味がある。

北村宏司スピルバーグなんて掲示板まで差し込めりゃ上出来だと考えるよ。主戦として何を感じ取っているのかが酒井学ハクサンムーンくらいに分からないからな。東京で無類の強さを誇り、牝馬にして最強古馬の名を得たウオッカを非常の手段として逃げさせた武豊と同じことが出来ないでしょ。

今回のレースはそういう器の広さを試されるわけで、メンツを見ても普段の競馬ではボロが出そうなところがある。ステップだから競馬を変える必要はないと言えばないんだけれども、普段通りでいつかはハマるだろうだなんて悠長なことがまかり通る世界ではないと思うんだよなぁ。

その普段通りもポジショニング準拠だしな。モチジュン先生もMahmoud様もスプリンターズの結果を受けてデュランダルの例を出されていたが、この馬みたいに絶対的なラップ感覚によって差し込むことって少ないでしょ。

主戦が求められるのはそれなのよ。横ノリやルメールは気持ちよく走らせるだけじゃなくて馬の行ききれるギリギリを見定められるからすごいのよ。・・・まぁだからこそスプリンターズはドスローになったんだけどね。千四馬が先行できるギリギリを攻めこんだ騎乗はいいんだけれどマイペース過ぎて前がどうなろうと関係なくなっちゃうんだよなぁ。

実にスプリンターズドスロー現象は責めるべき人が酒井学しかいない。藤岡弟は自分のペースでフワフワ乗っていただけだし、浜中俊ミッキーアイルにスプリントは短いと見ていたからハクサンからハナを奪うことを恐れた。ノリとルメールは気がついたら前目にいた格好だし、エビショーは差しきれないレッドオーヴァルを前目に持って行ってテン乗りの役目を果たしていた。武豊は・・・

あれ、武豊はかなりの悪騎乗してるね。酒井学北村宏司に次いで3番目のダメジョッキーだ。国分優作松山弘平には最初から期待していないので論外として。

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