砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

スマートレイアーに悩む

ヴィルシーナ来るんじゃね(笑)」

って一昨年は考えていて、本当に来て、マジか、と。でも4角に入る時には残ることが分かるくらいに詰めていたから諦めはついたんだわ。

それで、それほど今年のスマートレイアーについて詰められているかが不安になった。Bold RulerLyphardVMで残れるのかを深くは考えていない。戦績通りなら残るだろうってくらいの軽さでしか考えてないんだよね。

G1で逃げ残るだけの配合かと言えば怪しい。マイルでピタッと逃げられる馬かと言えば怪しい。武豊が一度足りともこの馬で逃げていないのはそういうことで、Promised Landクロスの分だけ逃げに徹する硬質さをこの馬は持たないのだ。

逆に言えばエイシンヒカリのように最序盤ドスロー逃げを決め込めば絶対に負けないわけでもある。サイレンススズカとは違う「逃げて差す」の競馬だな。横ノリ逃げと同じものさ。

だからスマートレイアーエイシンヒカリの逃げを邪魔されてもコパノリッキーの時の様なコメントを出さないよね。方向としては横ノリの奇襲スロー逃げなわけで、ある意味では後光を活かした藤田伸二的な逃げでもあるから。

あくまでも「差して妙味あるサンデー系」の範囲を逸脱しない。そんな武豊がPromised Landクロスの馬を逃げ先行まで持ち込んで行くかな。

コウエイオトメやウインバリアシオンのイメージだね。靭やかさと機動力が非常に高度なレベルで合わさった配合だろう。

配合の傷ってのがあるとすればここだね。Lyphard絡みのニアリークロスが強い分だけ前受けでの活躍は出来るのだが、G1勝ち負け級の逃げ先行馬かと考えた時には・・・否定せざるを得ない。その一方で、VMがG1レベルのレースであるとも考えられないわな。

安田記念とかだったなら「いやいやスマートレイアーなんて」と言うのだが、VMヴィルシーナが逃げきれるレースだもの。ただヴィルシーナも逃げ馬として侮れない存在であることに違いはなく、牡馬を相手にあの手この手で対抗した名牝なのだ。特に宝塚記念では「来るかもねー、残るかもねー」と誰もが思いながら「いやホントかよ」と誰もが突っ込んだ。福永が逃げて残るのかよ、ってツッコミも多かっただろう。

またヴィルシーナは元々が先行馬であるから逃げても不思議はないし無理も少ない。けれどスマートレイアーディープインパクトが持っていた「先行血統の最強追い込み馬」という矛盾を継続しているのが難しく、先行するならNothirdchance≒Romanを継続すべきだったかとも思う。

ウインバリアシオンがG1を勝てなかった矛盾でもあろうし、ダイワメジャーの差し追い込み馬が抱える矛盾でもあろうし。だがWar Admiral≒War Relicの継続が行われている分だけ前向きに動くことは可能であろうし。

あー、うーん。

強いて言えば・・・Specialが欲しかったかもな。こんなにLyphardを引っ張りこむ必要はなくて、どっかでNureyevなんかを持ってきてさ、そちらの方向でまた血統を広げていくことも大切だったんじゃないかと思う。

名牝の観点から言えばこういうことが言えるな。ただ名繁殖の観点からは何も言うことはない。ここから異系の血を取り入れながらLyphardへ脈絡させ、芝の名牝系を築くだけの血統背景をスマートレイアーは持つだろう。

もちろん、Lyphardが100年後にも必要とされるかは別問題だ。ディープインパクトが淘汰されることもあり得るだろう。しかし150年後にはディープインパクトがちやほやされているかもしれない。「サンデークロスは良いがディープインパクトを経由しないのは心もとない」「その点こちらの馬はスマートレイアーの牝系で、ディープインパクトの靭やかさを十分に伝えることから本命とするには十分である」なんてね。

なんで人間は150年も生きられないのだろう。馬の血統は永遠に生き続けるというのに。

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