砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

予想を終えて VM予想決定版補足

「そもそもRomanスピードでゴリゴリしたVM勝ち馬がいただろうか」

まずそう思った。ウオッカがいた。

牝馬のRomanって中距離か短距離できっかしと住み分けが出来ていて、牝馬戦のスローマイルで上がりを使った例というのは非常に希少なんだよね。ウオッカがVM2着→安田1着というアホな結果を残したことを見てもそうだわ。

一応その・・・ドバイ遠征帰りだったからー、とか。翌年には2連勝決めたからー、とか。言い訳ができるものだから別段気にも止めやしなかったんだ。けれど結論づけてからもう一度悩んでしまうのがASKAファンの泣き所・・・!

競馬の質からしたらミッキーアイルの様に前受けしてからドコドコと流れこんだ方がいいんだよね。ミッキークイーン安田記念へ出てきても印を打てるくらいの素質馬だから牝馬マイルくらいなら前受けから突き抜けられる。

だから前走の阪神牝馬なんてのはジャスタウェイで追い込んだくらいのイメージで、本来は12.5-11.0-11.5くらいの流れで先行するくらいの能力があるはずだろう。そんな横綱相撲を浜中がやってくれるのかが大きな焦点。やってくれるなら3馬身は突き放しちゃうだろうね。

Romanを表現するってのは結構難しいことで、これってNashua≒Nantallahやノーザンテーストとの関わりが強いんだよね。そしてブライアンズタイムTom Rolfeを見ての通りにRibotとの関わりも深く、それに関連してPrincequilloとも仲良しなんだ。

つまりナスキロとも仲良し。ナスキロから派生したらLa Troienneも外せないっしょ?Ribotと言えばハイインローとも仲良しであるし、ノーザンダンサーもやはり重要。特にDanzigとの相性は抜群だわ。ノーザンダンサーとの相性が良いということはAlmahmoudに関連してHaloも外せない。派生&派生&派生。

そういった中でいかにRomanを表現するかって言えば・・・ナスキロ(ラトロ)✕Romanがまず一つ。その上でNothirdchance≒Revoked≒Romanなどを累進するわけだな。よってTurn-to✕PrincequilloSir Gaylordを使う方向性となり、特にMenow-Tom Foolの流れに適性があるSir Ivorが欠かせない。

つまりディープインパクトRivermanというのは、Halo≒Sir IvorかつLady RebeccaRivermanとも言え、更にRivermanはPrince Johnを経由するのでCosmic Bombと牝系が脈絡し、HaloとRivermanはLady Rebeccaを介して協調関係にあると考えられる。

ぶっちゃけ、Tom Fool型にも転びかねないギリギリの流れの中でRomanは表現される。幸いなことに表現者が少ないためにRivermanなどを引かない限りは表に出てきはしない。けれどRivermanの血を引く名血統をソルティビッドへかけあわせたら・・・アパパネ姉さん級のRiverman娘が誕生すると思うのよ。

だがディープインパクトってのは思っていた以上にRomanな血統であって、ディープブリランテミッキーアイルの先行力を見ると流石のリーディングサイアーだと思わされるよね。よくよく考えて見ればディープの名馬たちはみなRoman的な血脈をナスキロと重ねている。Storm Catとてそうであるのだ。

いや、能動的にRomanを表現するわけではないけれども・・・。

Romanの話になるとマジックタイムもちょっとね。8分の5以上が同じ(サンデー✕ブライアンズタイム✕サドラー+Lyphard)になるマジックタイムディーマジェスティの関係ってのは結構難しくて、何が決定的に異なるのかってのを説明するとしたらSadler's Wellsの活用方法に終始するかと。

ハーツクライのラトロ弄りってのは必要であるのだけれど、ディープのラトロ弄りってのは必要がないのだよね。それはWar Admiralで走るか否かってところがあって、ディープというのはHalo≒Sir Ivorの米血統的切れををBurghclereの欧州スタミナで支えているのに対し、ハーツとういのはトニービンアイルランド原始的スタミナゴリ押しをMy Bupersの米血統で稼働させているという大きすぎる違いがあるのだわ。同じ「サンデー✕Lyphard✕ハイインロー」であってもこれだけ違う。

そうなるとハーツクライ✕サドラーの方がより正しいのかということになるのだが。これが面白いことに違うんだな。ハーツクライにラトロを組み込むならWar Admiralも一緒に使わなきゃならないわけで、この「SS✕BT✕SW」の骨格において重要なのはRoberto≒Fairty Bridgeへのアプローチだ。この配合形ってラトロが活きないのだわ。

何故かっていうと、ブライアンズタイムNorthern Dancerを取った時点で靭やかであるからなのだ。この靭やかさってのはRibot系✕NDで天下を獲ったタップダンスシチーの靭やかさなわけで、とどのつまりRibotの靭やかさなのよ。更に言えばPapyrus-Traceryの靭やかさだろう。

よってこの場合のSadler's WellsはNorthern Dancer直仔としての使い方をされていて、Lalunのラトロを表面に出すにはSeattle Slewなどを必要とする。アドマイヤラクティとかメイショウナルトなんかのイメージで配合しないとハーツクライの牝系が活きないわけだな。

だからこそマジックタイムの配合はG1級ではないと言えるし、だからこそディーマジェスティはG1をいくつ勝つかってレベルであると言える。この観点においては牡馬と牝馬、ディープとハーツの差だな。

サドラーに関係なく大きな問題として提起するのは、マジックタイムの牝系にある謎のナスキロかつナスペリオン血脈だ。年代的に無理な話だと承知して言うが、この血統がSeattle SlewだったならG1級と見るのもやぶさかではなかった。

だがクリスザレディー全体にSpecialをかけあわせたことはファインプレーであるし、以降に組み込まれた血統を見てもケチのつけようがないくらいに好配合なのだわ。5代血統表内においては実に素晴らしい様に見える。おそらくマジックタイムの仔ならば牝系の矛盾を浄化しきっているのではないかな。

スマートレイアーもかっちょいい配合しているな。Alzaoダンシングブレーヴグルームダンサーという大技を3代にかけて積み込んでいるのは大きいが、それを下支えしているダムスペクタキュラーってのがボルキロTom Foolな好配合。Halo≒Sir Ivor≒Droneにダムスペクタキュラーが加わる。

しかし牝系奥にハイインローを持たないことが傷であろうし、ジェンティルドンナの様にSolarioクロスをLyphardクロス&ハイインローの橋渡し役として活用しているといったような大技もない。ここがG1を勝つには弱いかと。

Lyphardクロスの馬としてジェンティルドンナほど見本になる血統もない。Lyphardクロス馬がG1を勝つたびにジェンティルドンナドナウブルーの血統表は深みを帯びていくようである。

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