砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

米の名牝が誇るねじ伏せる名血統 ルージュバック論

サンデーサイレンスが「4分の3Mahmoud≒Sun Princess、4分の1Hyperion」で、その上で4分の4The Tetrarchというのがスタートライン。サトルチェンジの血統をみると・・・そうなんだよ。Santa Lucianaは非Mahmoudというか非Blandfordなんだ。ドイツの風上にも置けねぇなぁ!

さて、同じSanta Lucianaのビワハイジを見てみると・・・きちんと4分の3をSun Princess≒Mahmoudで埋めているわけだね。Mahmoudのスピードを支えるSanta Lucianaの立場が伺える。

Law Sociatyが4分の3Mahmoud≒Mumtaz Mahalであるがやや物足りない。割りとSun Princessの絡みがSolarioの分だけ重要なので、サンデーサイレンスが入ると一安心するな。これでビワハイジと同じSanta Lucianaを異系とした「Mahmoud≒Sun Princess」が完成する。

そういった中で何が表現されるかというと俺はどうもNappelonじゃないかと思う。HyperionPharamondに対してのBlandfordという風に作用して、最終的に表現される切れ味は「米血俊敏のBold Ruler」だろう。

それを追い込みの境地にたどり着かせたのがWise Exchangeで、母Coastal Traceはグランマスティーヴンスの2代母。DynamoはMy Babu≒AmbiorixやRibot、そしてBold Rulerを始めとしたNasrullah系との組み合わせで多くの活躍馬を輩出したCherokee Rose牝系の名枝。

Dynamoを引く馬は俊敏で靭やかに動く馬が多いのだけれども、度々その俊敏さに傾倒して極端な競馬をする血統も多い。Dynamoの母Erinから別れたところにはIcecapadeがあり、その産駒Wild Againはダート逃げ先行の名血。日本でワイルドラッシュが成功した。オルフェらの兄弟もみな俊敏なタイプが多いのに極端な競馬をしがちである。ディーマジェスティもまたそう。ノットフォーマルもそう。

もちろん好位で炸裂するタイプもいるが、母父スチューペンダスのランニングフリーは好位から押し上げて4角先頭に立つ競馬で中山巧者として名を馳せた・・・やっぱり力任せである。あと母父Conquistador Cieloトウカイパルサー、ゼネラリスト、ツルマルツヨシとか。父Majestic Lightのニシノフラワーが追い込んでスプリンターズを勝ったり。

好位からジワッと抜け出すG1級のDynamoはない・・・と言っていい。ねじ伏せの名血統だ。

ところがルージュバックはこれだけ小回りの名血統が揃っているのにねじ伏せられない。何故なら右回りが下手糞だからっ!なので東京千八を仕方なーく、ねじ伏せている。外を通ってスピードを乗せ、その流れをジワジワと保ちながら前へ並びかけていき・・・残り200mで追いっぱなし!

ディーマジェスティ皐月賞と3歳オルフェーヴル有馬記念を見ての通り、奴らは坂を駆け上がるところで化け物じみた脚色を誇り、そのまんま後続を突き放す。ロングスパートでまくっていったのに関わらず、最も脚色に優れるのは登坂部分なのだ。

ルージュバックも同様に、エプソムカップ毎日王冠も登坂部分で一気に追いついて、ねじ伏せた。

エイシンヒカリのペースならば4Fのじんわりロングスパート戦になることは間違いない。そこで勝負しないならエイシンヒカリの持ち味なんて活きやしない。登坂部分でみんなが休みたくなるようなペースにしなければすぐに差されてしまう。

そこを突けるのであれば勝ち目がある。横ノリルメールがやや仕掛けを遅らせたとは言えアンビシャスに登坂部分でアドバンテージを取ったのは化け物じみていて、この分なら現役一番の「府中を駆け上がる馬」と言える。

3歳時よりも靭やかさに欠いただけに距離の融通が利かないかもしれない。血統のイメージからは二千ベストだと思うが・・・東京千八で見せたパフォーマンスから更に上がるものかな?また毎日王冠を見る限りでは馬場は稍重の入り口くらいがベストかな。秋天は雨に恵まれることも多いレースで、今年は例に漏れず前日に多少の雨がある様子。

このメンツならきっちりとした二千にはならないだろうし、レースレベルは前走と大きく変わらないだろう。相手関係は強化されるものの、それ相応のスペックをルージュバックも持つ。それなら大きな不安もないし、戸崎も普段通りに乗ってどうなるのかって感じかな。これで通用しなかったら困る。

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