ディーマジェスティから考えたこのニアリークロスはTourbillon系のクロスがないと面白みがなく、スーパームーン(ブライアンズタイム✕サドラーズウェルズ)が案外出世しなかったのはそこの処理が悪かったからではないかと。
そしてディーマジェスティの良いところは母系がBull Dog=Sir Gallahadのクロス群が存在する点で、これがHail to ReasonとNashua≒Nantallahを共通とするRoberto≒Fairy Bridgeクロスの急所ではあっただろう。
Roberto≒Fairy Bridge3✕5・5を持つのがスノーフェアリーであり、切れをBold Rulerに依存しているのもディーマジェスティと同じ。Zienelle≒ラストタイクーン(Northern Dancer・Buckpasser・Nasrullah・Princequillo)の切れを持っていることが大きな違いであり、スノーフェアリーがRobertoで突き抜けた後でも靭やかなのはこのニアリーが根拠。
後躯はRoberto曲飛節だけど前脚がギュイーンと伸びる。まるでディープインパクトの様な仕組みで
ただスノーフェアリーが制した年は別に馬場が渋っていたわけではない。むしろ馬場は良いほうだっただろう。血統から考えるとパワータイプの渋馬場巧者なのだが良馬場で弾けている。こんな話がどこかであったよね、そう今年の凱旋門賞を制したFoundだ。Intikhabが共通。
Intikhabは見た目以上に靭やかであるらしく、その靭やかさの根拠はNashuaクロスと「ナスキロラトロTom Fool」のPast Example、そしてMy Babuの化け物Damascus。割りと靭やかスイッチが豊富である。
Past Exampleをニアリーして、その上でNashuaな2頭いずれかをクロスすれば完璧である。その点においてMiswakiとは実に便利なものだ。Galileo✕Intikhabはこの点においてDanehillに劣らないニックスと言える。
これはちょっと2歳G1で役立ちそうなネタだな。じっくり温めよう。
ディープブリランテにもRoberto≒Fairy Bridgeは有効なのだろうけど、母父にスピードを組み込む必要はある。これを両立するにはウォーニングを使うしかないだろうけど、この類のスピードでブリランテさんがオッケーなのかも分からない。とりあえずCharnwood Forest肌と配合してどんなもんに出るかを見たいなぁ。いっそウッドランドドリームと配合してみよう!
以上余談。
あと「Danzigr✕Bold Ruler✕Princdquillo」の切れ味にIn RealityやRibot、Tom Foolを掛け合わせるというのはズンドバ切れの名門配合。アグネスデジタルとかディープスカイ、そしてこれらの産駒らはそういった切れで走っている。
Foundもスノーフェアリーもその点においては同じで、ピッチ気味に走るんだけれど前脚がスッと伸びるという理想的な話。ジェンティルドンナも似たような仕組みかな。
今年のメンツだとクイーンズリングがそれにあたるのだけれど、これはRivermanクロスがメインの切れだろう。
Danzigがこういう仕組みなのだから、同じLady Angela弄りのノーザンテーストも同じようなもの。典型的なのがオレハマッテルゼやキタサンブラックのジャッジアンジェルーチ✕ノーザンテースト、ショウナンパンドラに代表されるフレンチデピュティ✕ノーザンテーストなどの組み合わせが思い浮かぶ。
彼、彼女らがBold Rulerかと言えば違う。でも馬群を捌いてG1を勝っている点は同じだ。
Rivermanが関わってくるとBold Rulerほどには馬群を捌けない。これはRoman由来の「突っ込む」様な差し味が出て来るからだろう。Bold Rulerは2Fの切れで、Rivermanは3Fの切れだと言える。もちろん配合によって変わってくるが、Rivermanがストライドロスに敏感であることに変わりはない。理想は3Fを超えるロングストレート下における競争なのだろう。
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