砂時計のくびれた場所

競馬の血統について語るブログ

スプリンターズS回顧 芝の怪速散る

今更だが、やはり改修後の中山芝はパワー&スピードの状態。「パワー傾向の配合で11秒前後を踏破し続けろ」という内容であり、サンデー全盛の現代においては千四型がこれに特化している。

それでも16分の1サンデーなら、という本命であったがダイアナヘイロー惨敗。そしてスピードの王者ビッグアーサーとて理想的な展開から交わせず差されの残念な状態。近い代にサンデーを配置して極端なスピード&パワーを詰め込んだ性急の配合が上位を独占した。

配合の巧さは褒められるけれども「これこそG1馬の配合だ」という風には言えない馬ばっかりで、今年のスプリンターズもアタマを使ってストライドを伸ばす千四馬がきっちり勝ち切った。

ただまぁ、Hyperionなんかの英愛血統をきちんと尻の下に収めた配合が勝つのも事実で、Ribotクロスのダイアナヘイローは純スプリンターではないし、またこうしたラップでずば抜けるには速さが足りない。それはオーズの英愛を強く引き継いたラインミーティアにも言えることかと。

あと凱旋門賞についても触れたい。

エネイブルはクロフネみたいな勝ち方にしか見えず、直父系と母の父系を濃厚にクロスすることで、むしろ父母を強調したのだ・・・という結論。母系にRobertoをくぐらせた種牡馬の産駒は牝馬にこそRobertoを伝えるのだ・・・という結論。

配合的にはザラックに注目していたので、先生の本命がコレと知って嬉しかったりする。かなりよく出来た相似配合馬で、これが秋天に出てきていたら本命にしたかもしれない。二千四というより二千の馬だと思う。オールウェザードバイワールドカップなら勝てるはず!(妄想)

サトノダイヤモンドは仕方ない。この状態のシャンティイなんて日本の馬が走るには無理がある。ノブレスの方が得意な馬場状態とも言えるから、4角ではおかしなワクワクが募ったよね。「ノブレス先着するんじゃね?」って。

シャンティイでの凱旋門賞は日本馬にとってあんまり面白いものではないわけだが、それでも「オルフェーヴルなら」「エルコンドルパサーなら」という思いがある。日本馬だって!という気持ちではなくて、道悪と消耗戦の日本最強馬が、このドロドロマスターたちを相手にどんな弾け方をするのかに興味があるのだ。

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